† Rapunzel †






―――― 思いのぶんだけ髪を伸ばして
         あなたが来るのを 待っている・・・・・・・・・・・・


 師となった老人に連れられて、初めて『黒の教団』の本部に来たラビは、その、あまりのおどろおどろしさに息を呑んだ。
 巨大な門の中心には、大きな人面の彫刻が浮き彫りにされ、ぎょろりとした目をこちらに向けている。
 「・・・じいちゃん、なに、ここ・・・?」
 気味が悪くなって、傍らの老人に尋ねると、老人が答える前に、彫刻だと思っていた人面が口を開いた。
 『何者だ!何用あって、この黒の教団に参られた!』
 「ひゃっ?!」
 まさか、しゃべるとは思っていなかった物から出た声に、ラビが驚いて飛び上がる。
 が、老人は幼い弟子の反応には全く興味を示さず、まっすぐに人面に向かった。
 「私はブックマン。これは弟子のラビだ。
 大元帥のお召しあって参った。門を開けられい」
 と、しばしの沈黙の後、再び人面が口を開き、辺りに響き渡る声を出す。
 「確認完了。ようこそ、黒の教団へ!開門――――!!」
 と、地響きを立てながら、人面の両側にある、黒い門が引き上げられ、二人を建物の中へ招いた。
 ビクビクと、人面を覗いながらその脇を通っていくラビを、その大きな目がぎろりと追う。
 「うっ・・・・・・!」
 びくっ!と、身を震わせ、ラビは先を行く老人を追って走り出した。
 「うわーん!!じいちゃーん!!!」
 泣きついて来た子供を、しかし、老人は厳しく叱り付けた。
 「この程度でビクビクするな!」
 「だって!!ここ、めちゃ不気味さ!!」
 辺りをきょろきょろと見回しながら、ラビは、老人の服の裾にすがった。
 巨大な石造りの建物の中は薄暗く、ひび割れた壁には、煤けた不気味な絵や、たっぷりと血を吸っただろう、昔の武器が飾ってある。
 各所の扉を守る衛兵達はみな無言で、ただ、通り過ぎる彼らを目で追っていた。
 「は・・・早く帰ろぉ・・・・・・?」
 えぐえぐと、しゃくりあげながら訴える弟子を、しかし、老人は変わらぬ冷厳さで見下ろした。
 「我らはしばし、ここに留まる。それが、大元帥たちの意思だ」
 「しらねェよ、そんなおっちゃんたちの言うことなんか!」
 涙の浮かんだ目で、キッ、と睨みつけても、師はどこ吹く風とばかりに無視して、歩を進める。
 「黙ってついて来い―――― はぐれるなよ」
 付け足された言葉が、警告のように聞こえて、ラビは、涙を拭うと、師の服の裾を握る手に力をこめた。
 「・・・・・・じいちゃん、ここ、何しに来たんさ?」
 ひそひそと低めた声に、老人はやや歩調を緩める。
 「さっきから衛兵が、俺ばっか見てる・・・・・・。
 大元帥って人たちが用があるのは、じいちゃんじゃなくて、俺?」
 聡い弟子に、老人は立ち止まり、未だ小さなその手を取った。
 「・・・・・・お前はこれから、試される」
 「試される?なにを?」
 見上げた師の顔に、表情はない。
 だが、ラビには、彼がとても緊張しているように見えた。
 「お前が、適合者かどうか・・・・・・」
 「てきごうしゃ・・・・・・?」
 目を丸くして問い返すと、師は微かに頷く。
 「我が本業は語り部―――― お前は私の、後継者だ。
 本来であれば、あのようなものの適合者である必要はない」
 「あんなの・・・・・・って?」
 師の、忌々しげな口調に、ラビは、更に声をひそめて問い返した。
 「イノセンス・・・・・・」
 本来の意味とは違う、禍々しい雰囲気を感じ取って、ラビが眉を寄せる。
 「それ・・・適合しなかったら、俺はじいちゃんの後継者になれないの?」
 ラビの問いに、老人は是とも否とも答えなかった。
 そんな師から視線を外して、ラビは、まっすぐに行く手の闇を見据える。
 「わかった。行くよ、俺」
 口を開かない師に頷いて、ラビは再び歩を踏み出した。


 「よく参られた、ブックマン――――」
 客人を迎えるにしては、あまりにも高い位置から放たれた声に、ラビは、反感を抱かずにはいられなかった。
 「そして、その子が――――」
 ラビには見えないほどの高みから、値踏みするような視線で見られ、ラビは、この大元帥たちを嫌いになることに決めた。
 「ヘブラスカ・・・・・・」
 大元帥の声に応じるように、闇の中に現れた、巨大な異形の姿に、ラビは思わず、数歩を退く。
 が、決して声を上げようとはせず、『ヘブラスカ』と呼ばれた異形を見つめた。
 「おいで・・・・・・怖いことはない・・・・・・・・・」
 低く、辺りに響き渡る声とともに差し出された手に、ラビは、自ら歩み寄る―――― 傍らで、彼らしくもなく不安げな顔をする師に、笑いかけて。
 途端、ふわりと体が浮いて、ラビは、ヘブラスカの手の中に収まった。
 額に額が当てられ、体の中を、何かが這い回るような感触がする―――― 痛みはないが、気色の悪い感触に耐えていると、ややして、ヘブラスカの額が離れた。
 と、目の前がくらくらして、意識がかすんでいく。
 遠ざかる意識の端に、大元帥たちの歓声と―――― 師の、ため息が聞こえた気がした――――。


 気が付くと、ラビは、石造りの部屋の、ベッドの中にいた。
 「あれ・・・?じいちゃん・・・・・・?」
 まだくらくらする頭を押さえつつ、何とか半身を起こし、ラビは、師の姿を探す。
 と、彼は、彫像のように微動だにせず、窓辺に立って、外を眺めていた。
 「じいちゃん、俺、てきごうしゃだったの?」
 目覚めた直後とは思えない、はっきりした問いに、老人はゆっくりと振り返り、深く頷く。
 「そっか・・・よかったぁー・・・・・・」
 へへ、と、嬉しそうに笑った弟子を見る師の表情は、しかし、対照的に厳しかった。
 「良くはない・・・・・・」
 「へ?」
 笑声を止めて、首を傾げる弟子から視線を外し、彼はまた、窓の外へ目をやる。
 「お前のためには、良くない事だった・・・だが・・・・・・」
 外を気にしている風の師の様子が気になって、ラビは、ベッドから降りると、裸足のまま、窓辺に寄った。
 彼の眼下にある、小さな、四角く区切られた庭では、幾人かの子供たちが、空と同じようなどんよりとした顔で、佇んでいる。
 「お前が・・・あの子供達のようにならず・・・・・・・・・」
 老人は、良かった、と言う言葉を、続けることはできなかった。
 それを言うには、あまりにも眼下に広がる惨状は、重すぎる。
 「・・・ねえ、あの子達、なに?」
 師が、あえて飲み込んだ言葉を予想して、それでもラビは問うた。
 知らなくてはならない、と、彼の中の何かが告げている。
 と、師は、かなりの間を置いて、口を開いた。
 「虜囚・・・・・・・・・・・・」
 「あの子達、捕まってんのか・・・・・・?」
 何をしたの、と、問う弟子に、老人は、何も、と、首を振る。
 「あの子供達は、現在のエクソシスト―――― 適合者達の、血族だ・・・。
 イノセンスに選ばれるまで、何度も実験にかけられる・・・・・・廃人となるまで・・・・・・・・・」
 老人の声には、昂ぶりも、震えもなかった・・・だが、ラビには、師が、激しく憤り、また、深く悲しんでいるように思えた。
 「エクソシストの血族でなくとも、一度、教団の者に『可能性あり』と目をつけられた子供は、ああやって囚われる」
 途端、鋭い笛の音がして、ラビは、びくりと身を震わせる。
 見下ろすと、数人の大人達が、庭に散らばっていた子供達を集め、隣の塔への入り口らしき扉へ押し込んでいた。
 「哀れな・・・羊たち・・・・・・」
 低く呟いた老人に、ラビは再び、きつくすがりついた。


 ―――― 眠れない・・・・・・。
 闇の中に目を凝らしたまま、ラビは、窓の外で音もなく動く、星座の位置で時刻を測っていた。
 ヘブラスカに試された後、しばらく眠っていたせいか、目覚めた後に見た、子供たちの姿が心に残ったためか――――。
 眠りは、中々ラビの上に訪れようとはせず、いつまでも宙を漂っている。
 「・・・もぉ諦めたさ」
 そう声に出すと、更に目が冴えた。
 「寝るのはやめた!探検だ!」
 言いながら、ベッドを出ると、彼は、素早く服を着替えて、こっそりと部屋のドアを開ける。
 用心深く見渡したが、闇に慣れた目に写る範囲に、人はいなかった。
 「よし!」
 にやりと笑って、廊下に出る。
 足音を忍ばせ、石床の上を滑るように移動して、まずは昼に見た、あの庭に出ようと思った。
 子供達が押し込まれて行った、あの扉の向こうを見たかったのだ。
 暗い階段を用心して降り、何とか探し当てた扉を開けて外に出ると、高い壁と高い建物に四方を囲まれた庭は、上から見た時よりも狭く、息の詰まるような閉塞感があった。
 「・・・・・・やなとこさ・・・・・・」
 四角く切り取られた夜空を見上げ、ラビが小さく呟く。
 夜の冷たい空気は、そのままこの教団に満ちる空気のように思えて、彼を更に不快にさせた。
 「見たら、さっさと帰ろ・・・・・・」
 この庭に入っただけで、当初の目的にはすっかり興味を失っていたが、それでも、『せっかく来たのだから』と、目的のドアに向かう。
 ラビが出てきた建物の、右側に建つ塔のドアに手を掛けると、それは幼いラビの力でも軽々と押せた。
 と、
 「きゃああんっ!!」
 すぐ近くに高い声が響き、ラビは驚いて飛びのいた。
 「なっ・・・なにっ・・・?!」
 ドアの向こうにわだかまる、深い闇の中へ目を凝らすと、ドアの影に、小さなものがうずくまっている。
 「えっ?もしかして俺、ぶつけた?!」
 思わず声を上げると、小さなものは、床の上をもぞもぞと動いて、ドアの影からそっと顔を覗かせた。
 よく見れば、幼い少女である。
 「ごめんな?お前が、向こう側から引っ張ってたんだな?」
 道理で、大きなドアにしては軽かったはずだ、と思いつつ、助け起こすと、少女は額を押さえて、こくりと頷いた。
 「大丈夫か?痛かったろ?」
 撫でてやろうと手を伸ばすと、少女は、びく、と震えて、身を引く。
 「・・・大丈夫。撫でるだけだよ」
 一瞬、目を丸くしたものの、昼間の子供達の様子を思い出したラビは、優しく笑って見せた。
 と、少女は、今度はおとなしく、ラビに触れさせる。
 「んー?コブにはなってねぇ見たいだな。赤くはなってるかもしんねぇけど。
 まだ痛いか?」
 問うと、少女はふるふると首を振った。
 「そっか。よかった」
 笑って、ラビは、少女の頭を軽く叩いてやる。
 「おいで。外、出たかったんだろ?
 えーっと・・・名前、なに?」
 一人で開けるには重いドアを押さえて、外に出してやりながら問うと、少女は黙ったまま、彼を見上げた。
 「あ、俺、ラビって言うんだ。カッキーだろ?じいちゃんがつけたんだぜ?」
 そう言って笑うと、少女も、微かに口元をほころばせる。
 「うさぎさん?」
 「ちがうっ!ラ・ビ!!
 師とか、賢者とか、カッキー意味があんの!」
 「リナリー」
 「へ?」
 何の脈絡もなく出た言葉に、ラビが首を傾げると、少女はもう一度言った。
 「わたしのなまえ」
 小鳥が囀るような、可憐な声に、ラビは苦笑して手を差し出す。
 「よろしくな、リナリー」
 小さな手を繋いで、星の下に連れ出した少女は、闇よりも深い色の髪と、星空さえも受け容れるような、大きな瞳をしていた。
 「キレイ・・・・・・」
 じっと、空を見あげる少女を見つめていたラビも、笑って同じ空を見上げる。
 「今日は上空の風が強いみてぇだな。ほら、星が、あんなに瞬いてる。
 でも、おかげでロンドンのスモッグも晴れて、星が良く見えるさ」
 「うん・・・英国はいつも、そらも、ほしもみえないの・・・・・・」
 哀しげに呟く少女に、ラビは首をかしげた。
 「リナリーは、どこから連れて来られたんだ?欧州の子じゃ、ないだろ?」
 問うと、少女はこくりと頷く。
 「チャイナ」
 「マジ?!すげ遠い!!」
 驚いて声を上げるラビの隣で、リナリーは、大きな目に、みるみる涙を浮かべた。
 「おうち・・・かえりたい・・・・・・。
 グーグ・・・ティエティエ・・・マーマ・・・マーマ・・・!!」
 ラビは、チャイナの言葉を知らなかったが、リナリーの最後の言葉が、『母』であることだけはわかった。
 ぽろぽろと、大きな目から涙をこぼすリナリーの手を、きゅ、と握ったまま、ラビは、闇色の髪を撫でてやる。
 「チャイナに、ママがいるのか?」
 ラビの問いに、しかし、リナリーは激しく首を振った。
 「ティエティエ・・・マーマ・・・アクマに・・・殺された・・・・・・!
 グーグだけ・・・!!グーグ・・・会いたい・・・グーグ・・・・・・!!」
 しゃくりあげながら言うリナリーを撫でる手を止め、ラビは、その小さな身体を抱きしめた。
 震える背中を撫でてやると、段々と落ち着いて来たのか、泣き声が小さくなっていく。
 「なぁ?グーグ、って、だれ?」
 しばらくして、ようやく泣き止んだリナリーと、並んで庭のベンチに座ったラビは、星空を見上げながら聞いた。
 「お兄ちゃん・・・・・・」
 ぐす、と、鼻をすすりながら言うリナリーの髪を、また撫でてやる。
 「そっか。
 兄ちゃんは、チャイナにいるのか?」
 こくり、と頷いたリナリーに、ラビは空を示した。
 「見てみ、あの星」
 天頂に輝く星を指すと、リナリーもその先を目で追う。
 「あれが北極星。空の中心にある星さ。小熊の尻尾なんだぜ」
 「しっぽ?」
 「そうそう。隣にあるのが大熊座。この熊たちは親子で、ゼウスって言う、神様の王様のせいで、星になっちまったんだ」
 「へぇ・・・」
 「で、ちょっとずれたとこに、『W』っぽい星座があんの、見えるか?」
 「うん」
 「あれはカシオペア座。
 娘自慢の王妃で、海の妖精より自分の娘の方が美人だ、って言ったせいで、罰として、あんな頂上でくるくる回ってるんだ」
 「おしおき・・・なの・・・?」
 不安げに、ラビに視線を戻したリナリーに、ラビは慌てて次の星座を示した。
 「Wの上と下にも星があるだろ?わかりにくいかな・・・?」
 言いつつ、ラビは、天の星を、なぞって繋げていく。
 「上にあんのがケフェウス座。カシオペアの、ダンナだな。
 で、あの、四角い星座の下にあるのがアンドロメダ。カシオペアの、自慢の娘さ。
 アンドロメダは、母さんが余計なことを言ったせいで、化け物クジラの餌になるとこだったんだ」
 ほら、と、ラビはアンドロメダ座の下に位置する星を繋いで、クジラの姿を現した。
 「たべられちゃうの?!」
 食い入るように、星を見つめるリナリーに、ラビは、クスクスと笑声を上げる。
 「いんや。
 アンドロメダの真上・・・四角い星座のペガサスに乗ったペルセウス―――― これだな」
 そう言って、ラビは天馬と英雄の姿を夜空に描き出した。
 「彼が、化け物クジラを退治して、見事美人を救い出し、今や家族で空の上、ってお話」
 「わぁぁぁ・・・!!」
 手を叩いて喜ぶリナリーに、ラビも嬉しげに笑う。
 「夜は・・・東からやってくるんだ。
 リナリーの兄さんは8時間前に、この空を見てたんだぜ?」
 そう言うと、ラビに向けていたリナリーの目が、更に大きく見開き、再び夜空に向かった。
 「もしかしたら、あの星とか、あの星座とかに、『どうか、リナリーが元気でいますように』って、お願いしたかもな」
 「グーグ・・・・・・」
 幼い少女とは思えないほど、真摯な目を夜空へと向けるリナリーの、闇よりも深い髪を、ラビは、優しく撫でた。
 「もう、眠れるか?」
 問うと、彼の手の中で、小さな頭が、こくりと頷いた。


 リナリーと別れて、部屋に戻ったラビは、夜が明けるのを待って、再び部屋を飛び出した。
 「どこへ行く?」
 廊下に出た途端、師にぶつかって、ラビは思い切りぶつけた鼻を押さえた。
 「じいちゃん、俺、探検してくる!」
 「探検は、昨夜完遂したのではないか?」
 「えー・・・知ってたんかよー・・・・・・」
 気まずげに、上目遣いで見上げると、師は、厳格な雰囲気をまとった無表情で、弟子を見下ろす。
 「あまり、うろうろするな。
 ここは、安全な場所ではない・・・・・・」
 苛立ちや憤りを抑えるべく、極度に感情の消えた声に、怯まなかったわけではなかったが、ラビは、するりと師の脇をすり抜け、廊下を駆けて行った。
 「・・・馬鹿者が」
 忌々しげに呟きながらも、彼は、ラビを止めようとはしなかった。
 知りたいと欲すること・・・それは、彼の後継者たる者の性だ。
 いかに惨いありさまを見ようと、事実として受け容れる―――― そんな強さを持つには、まだ早すぎるとは思ったが、本人が行くというものを、止めるつもりもない。
 しかし、
 「狂科学者ども・・・我が弟子に手を出すことは許さんぞ」
 鋭い視線を、場内に放たれた映像転送用ゴーレムに向け、はっきりと告げた。
 「さもなくば、以後、ブックマンは教団への協力を、辞退する」
 モニターの向こうで、忌々しげに舌打ちをする科学者達の顔が、見える気がした。


 「――――・・・シンデレラはもう片方の靴を取り出し、王子様の前で履いて見せました。
 すると、森の妖精が現れ、シンデレラのみすぼらしい服を、舞踏会の晩のような美しいドレスに変えたのです。
 王子様は、『まさに、彼女こそが、捜し求めていた人だ!』と気づき、シンデレラをお城につれて帰ると、末永く幸せに暮らしました」
 「かおをみていたのに、おうじさまは、シンデレラだってわからなかったの?」
 童話をリナリーに読み聞かせていたラビは、彼女の疑問に、思わず吹き出した。
 「みてぇだな!まっぬけー」
 彼が陽気に笑うと、リナリーも、大きな目を細めて、にっこりと笑う―――― 笑声は、上がらない。
 彼女だけでなく、同じ部屋には多くの子供達がいると言うのに、誰もが、捕食されるのを恐れる小動物のように息を潜め、気配を消していた。
 だが、そんな緊張した室内で、ラビは、あえて高らかに声を上げる。
 と、
 「ねぇ、ラビ!つぎのおはなし、よんで!」
 リナリーも、彼の声に釣られるように、明るい声を上げた。
 「はいはい、リナ姫。
 えーっと、お次は『ラプンツェル』でーす」
 「・・・・・・?」
 黙って首を傾げたリナリーに、ラビが微笑む。
 「チシャのことだよ。
 この子のお母さんは、この子がお腹の中にいた時、隣に住んでた魔女が作ってたチシャ(ラプンツェル)がどうしても食べたくて、それで、ダンナが魔女の家からこっそりチシャを盗んで食べさせてたんだ」
 「え・・・そんなことしたら、まじょ、おこらない?」
 「そうそう、怒った魔女は、生まれた赤ん坊を奪って、ラプンツェルって名前を付けて、扉のない、たかーい塔の中に閉じ込めちまったんだ」
 「・・・・・・つかまったの?」
 「そう。出られないし、魔女以外は誰も入れない塔に・・・リナリー?」
 急に、激しく震えだしたリナリーを、ラビが訝しげに見ると、彼女は、真っ青な顔をして、一点を凝視していた。
 「なに・・・?」
 その視線の先には、数人の白衣の男たち・・・。
 足音も高く、部屋に乱入してきたかと思うと、嫌がる子供の、細い腕を無理に引き、あるいは、震えて動けない子供を抱えて行く―――― そのうちの一人が、リナリーとラビの方へ歩み寄って来た。
 「さぁ、自由時間は終わりだ。おいで、リナリー。勉強の時間だよ」
 恐怖のあまり声も出せず、真っ青になって震えているリナリーに手を伸ばした彼の前に、ラビが立ちはだかる。
 「邪魔をするな。お前に用はない」
 忌々しげな声に、しかし、ラビは怯えもせず、まっすぐに睨みつけた。
 「やめろよ!嫌がってんだろ!!」
 「嫌がっていようと、関係あるか。さぁ来るんだ、リナリー!」
 「やぁぁぁっ!!」
 高い声を上げて泣き叫ぶリナリーの、細い腕を掴もうとする科学者の手を、ラビは必死に阻む。
 「えぇぃ!うるさいガキが!!
 お前も、ブックマンの弟子でなければ、今からでも実験場に放り込んでやるのに!!」
 「なんだよ、それっ!!」
 科学者の腕にしがみつき、抵抗するラビを力任せに振りほどき、彼は、リナリーを小脇に抱え上げた。
 「師匠に感謝するんだな。あのジジィ、お前に手を出したら、今後、教団に協力しないなんて言いやがった」
 吐き捨てるように言って、暴れるリナリーを脇に、早足で歩み去る彼を追いかけたが、ドアは、ラビの鼻先で乱暴に閉ざされた。
 「しばらくそこで、おとなしくしていろ」
 カギの掛けられる音とともに、冷淡な声がドア越しに投げられ、ラビは、子供用の玩具が散らばった広い部屋に一人、残された。
 「実験場・・・?」
 眉を寄せて、その言葉の意味するところを考える。
 リナリーや、他の子供達の反応から見て、それはとても辛く、嫌なことなのだろう、とは、幼いラビにも想像がついた。
 そしてそれが、幾度も繰り返されているのだろう、と言うことも・・・。
 『虜囚』
 昨日、庭に散らばる、生気のない子供達を見ていた師が、呟いた言葉を思い出す。
 『イノセンスに選ばれるまで、何度も実験にかけられる・・・』
 「何度も・・・」
 呟いて、ラビは、自身の膝を抱いてうずくまった。
 あんなに、どんよりとした顔になるまで・・・。
 『・・・廃人となるまで・・・』
 リナリーのように、声を限りに泣き叫んでも、誰も助けてくれないとわかれば、もう、泣く気力もなくなるのだろう・・・。
 『哀れな・・・羊たち・・・・・・』
 神様・・・なんで・・・・・・?
 俺よりも小さい子供達を、なんで助けてくれないんだ・・・・・・?
 あんなに泣いているのに・・・あんなに怖がっているのに・・・・・・!
 『師匠に感謝するんだな』
 冷淡な声が、胸に刺さった。
 ラビが見逃されたのは、師が、守ってくれたからだ。
 ラビはようやく、師が不機嫌だった理由、『ここは安全な場所ではない』と言ったわけがわかった。
 「じいちゃん・・・・・・」
 守られている、と言う安堵と、理不尽な大人達への怒り、そして、守る者もなく連れ去られていった子供たちへの申し訳なさがあいまって、ラビの目から涙が溢れる。
 「俺・・・何もできないのかよ・・・!」
 声を震わせる怒りに、また涙がこぼれた。


 すっかり憔悴した様子で、部屋に戻ってきた弟子に、老人は、何も言わなかった。
 その、幼い目に写った物事を、どう受け止め、自分なりに整理して、言葉にまとめるか―――― その時間を与えたのだ。
 「・・・・・・じいちゃん」
 やがて、口を開いた弟子に、老人は向き直った。
 「念のために聞くけど、じいちゃんは、手をださねぇんだな?」
 「うむ・・・私は、傍観者だ。
 教団へ、情報の提供はする。だが、それ以上の手は出さない。ゆえに、教団も必要な情報を得る以外、我らに手は出さない」
 「交換条件・・・ってやつ?」
 「そのような、軽いものではない」
 その重い口調に、ラビは、深く頷く。
 「・・・じいちゃん、俺がさ、あの子達逃がしたりしたら・・・やっぱ、困るよな?」
 「無論。
 我らは、ヴァチカンを後ろ盾とするこの教団を、敵に回すことになる」
 「いいよ、ちゃんと言ってくれて。
 俺らだけじゃなく、あの子達も、教団に追われて、結局、連れ戻されるって言うんだろ?」
 「あぁ・・・・・・」
 「ホントに・・・ヤなとこだ、ここ・・・・・・」
 「そうだな・・・・・・。
 だが、所詮我らは傍観者・・・・・・どうすることもできぬ。
 内部から改革する者が、現れぬ限り、な・・・・・・」
 そう言って、老人は、今日も窓から庭を見下ろした。
 「我らがすべきは、己が目で見た事実を、記録すること・・・。
 この場で行われたこと、行われていること、これから行われることを、感情を交えず、記憶に刻め・・・・・・それが、我らの役目だ」
 「感情を・・・交えずに・・・・・・?」
 「そうだ。
 感情が混じれば、それは既に、記録ではない。
 お前は、私の後継者だ。
 たとえ、エクソシストとして、この教団の団服を纏う身となっても、それを忘れるな」
 感情を消し、淡々と語る師の言葉に、ラビは、唇を噛んで深く頷いた。
 ―――― 俺はまだ、守られる立場にある・・・だけど・・・・・・!
 師の傍らに立ち、ラビは、彼と並んで狭い庭を見下ろした。
 ―――― だけど・・・俺の見たこと・・・刻んだ記憶を・・・決して、無駄にはさせない・・・・・・!


 「――――・・・オーロラ姫は、目を覚ますと言いました。『あなたでしたの、王子様?』
 そうして、100年間眠っていたオーロラ姫は、王子様のお城で、末永く幸せに暮らしました」
 「・・・・・・」
 「リナリー?」
 読み終わっても、何の反応もなく黙り込んでいる少女に声を掛けると、彼女は夢から覚めたように虚ろな目を上げた。
 「面白くなかったか、眠り姫?」
 ややおどけて問うても、リナリーは、微かに首を振るだけで、声が喉から出てこない。
 「どうした・・・?」
 いつにも増して、怯えた風の彼女を訝しく思い、更に問うと、リナリーは潤んだ目を上げて、ラビの袖を掴んだ。
 「ねぇ・・・高い塔に閉じ込められた子は・・・どうなったの・・・?」
 「ラプンツェルか?」
 問い返すと、リナリーは何度も頷く。
 「待ってな・・・えーっと・・・・・・」
 本のページをめくり、ラプンツェルの章を探し出すと、ラビは読み出した。
 「ラプンツェルは、魔女によって、高い塔に閉じ込められてしまいました。
 塔には一つの扉もなく、たった一つ、ラプンツェルの部屋に、窓があるだけです。
 外へ出た魔女は、帰ってくると、『ラプンツェル、ラプンツェル、髪を下ろしておくれ』と呼びかけ、するすると降りてきた、ラプンツェルの長く美しい髪を伝って、塔の上に登るのでした」
 ぎゅ、と、ラビの袖を握る、リナリーの手に、力がこもる。
 ラビの声と共に、文字を追う目が、真剣そのものだ。
 「そんなある日、通りかかった王子は、塔の上から聞こえる、美しい歌声に足を止めました。
 どこにも入り口のない、奇妙な塔に閉じ込められた声の主が気になり、こっそり窺っていると、帰ってきた魔女が、呼びかける声が聞こえました。
 『ラプンツェル、ラプンツェル、髪を下ろしておくれ』
 すると、長く美しい髪が、塔の上から下ろされ、魔女は、それを伝って塔の上に上っていきました。
 興味をひかれた王子は、魔女がまた出かけるのを待って、塔の上に呼びかけます。
 『ラプンツェル、ラプンツェル、髪を下ろしておくれ』
 すると、前に見た通り、目の前に長く、美しい髪が下ろされ、王子は、それを伝って、塔の上へ登っていきました」
 「・・・それで?!
 ラプンツェルは、たすけてもらえたの?!」
 必死にすがりつく少女に、ラビは、本を閉じて頷いた。
 「もちろんさ。
 シンデレラも、眠り姫も、そうだったろ?
 ラプンツェルも、この王子様に助け出されて、末永く幸せに暮らしたんさ」
 「・・・リナリーも・・・いつか、この塔をでられる・・・・・・?」
 大きな目を見開き、真剣に問い掛ける少女に、ラビは、深く頷く。
 と、リナリーは、大きな目から、ぽろぽろと涙を零した。
 「・・・きょう・・・こわいもの・・・みたの・・・・・・!
 やせて・・・しんだサカナみたいな目をした子・・・・・・。
 耳もきこえなくなってるって・・・あのひとたちがいってた・・・!
 ヘブラスカに・・・イノセンスをうめこまれて・・・あの子・・・どうなっちゃったの・・・・・・?!」
 「リナリー・・・」
 「リナリーも・・・あの子みたいになるの?!
 きもちわるいのに・・・のみこまれて・・・ないてもだれも・・・たすけてくれなかっ・・・・・・!!」
 泣きじゃくる少女を、ラビは、胸の中に抱き込む。
 そして、何度も言い聞かせた。
 「大丈夫・・・!
 リナリーは、きっとあそこから出られるさ・・・!
 だから、壊れちゃダメだ・・・・・・。
 あんな大人たちに・・・壊されちゃ、だめだ・・・・・・!!」
 火がついたように泣きじゃくるリナリーを抱きしめたまま、ラビは、辺りの静けさに、恐怖を感じずにはいられなかった。
 同じ部屋には、多くの子供達がいるのに、誰も、リナリーの泣き声に反応を示さない。
 何をしても無駄なのだと、諦めきった子供達―――― 既に、その心は壊れていた。
 やがて、自由時間の終わりを告げに来た大人達の手を煩わせた者は、リナリーただ一人。
 他の子供達は、感情のない人形のようにおとなしく、彼らに従って行った。
 「・・・・・・こんなの・・・絶対間違ってる・・・!!」
 こんな事が『崇高な任務』などと、呼ばれていいはずがない。
 しかしラビは、無力な自身が、今は拳を握るしか術がないことも、理解していた。
 「ラビ」
 一人残された部屋で名を呼ばれ、ラビは、俯けていた目を上げた。
 「ここでの用は済んだ。行くぞ」
 しかし、彼は、中々その場から動けなかった。
 いつか・・・いや、近いうちに、リナリーも、他の子供たちと同様に、どんよりと曇った、生気のない顔をするようになるのか・・・。
 「ラビ」
 再び呼ばれて、彼は、首を振った。
 「俺は・・・『賢者』なんかじゃない・・・」
 だが、いつか必ず、この名にふさわしい者となって、ここへ帰ってくる―――― そして・・・。
 「絶対、ここから出してやるから・・・それまで・・・壊れちゃダメだ・・・・・・!」
 目に滲んだ涙を、ぐい、と拭うと、ラビは、踵を返した師の後について、駆け出した。


 ―――― 数年後、再び訪れた教団本部は、あいも変わらず、不穏な空気に満たされていた。
 「よく参られた、ブックマン。Jr.も」
 「うむ・・・」
 「どーもっ!」
 二人を迎えた、科学者らしき男は、不遜な二人にちらりと、不快げな表情を見せたが、すぐにそれをにこやかな顔に変えると、先に立って二人を奥へと導いた。
 「最近、被験者達の体力がどんどん衰えて、今までなら有効な値を出していた実験にも、耐えられなくなってきているのです。
 ブックマンには、本業を離れていただいて申し訳ないが、被験者の治療をお願いしたい」
 「承知・・・」
 短く、無愛想に答えた師の後ろに、無言でついて行くラビの耳が、細く、はかないメロディーを捕らえた。
 「・・・なんか聴こえる・・・?」
 そう呟いて、辺りを見回すラビに、男は、『あぁ』と頷く。
 「オフィーリアでしょう。
 大事なエクソシストなのに、気が触れてしまって・・・。
 放っておくと、何をしでかすかわからないのでね、縛り付けているんですよ」
 死なれては困る―――― そう呟いた男に、ラビは、血の気が失せるほどきつく、拳を握った。
 「その子は、オフィーリアと言う名前なのかね?」
 激情に耐える弟子を、冷静に横目で見遣りながら、ブックマンが問うと、男は首を振る。
 「名前なんか、知りません。
 東洋人の少女ですがね。気が狂ってしまってからは、ああして、時々歌うんですよ。だから『オフィーリア』
 中々うまいネーミングでしょ?」
 陽気な笑声を上げる男の背に向かって、ラビが踏み出そうとした瞬間、小柄な師に阻まれ、ラビは半ば上げていた拳を下ろした。
 「じいちゃん・・・俺・・・・・・」
 「行って来い」
 短い答えに頷いて、ラビは走り出した。
 細く、はかない声を辿って。
 「リナリー!!」
 ようやく見つけた扉の向こうでは、少し、大きくなったリナリーが、うつろな目を開いて、乾いた唇から、細い声を上げていた。
 「リナリー・・・」
 漆黒の髪を長く長く伸ばし・・・嗄れた声を上げて、歌う少女・・・・・・。

 ・・・ラプンツェル・・・ラプンツェル・・・・・・
 思いのぶんだけ・・・髪を伸ばして・・・・・・
 あなたが来るのを・・・待っている・・・・・・・・・・・・

 同じフレーズを、何度も何度も・・・・・・。
 「リナリー・・・・・・」
 助けると誓ったのに・・・『賢者』の名にふさわしい者となって戻ってくると、誓ったのに・・・・・・。
 未だあの男一人、殴る力のない自分が、情けなく、悔しかった。
 「リナリー・・・こっちを見て・・・・・・」
 「・・・ラプンツェル・・・ラプンツェル・・・・・・
 思いのぶんだけ・・・髪を伸ばして・・・・・・
 あなたが来るのを・・・待っている・・・・・・・・・・・・」
 「リナ・・・・・・」
 「・・・ラプンツェル・・・ラプン・・・ツェル・・・・・・」
 読んでやれなかった、あの童話の続き・・・・・・。
 王子は、ラプンツェルを救えはしなかった。
 魔女に、王子との逢瀬を知られたラプンツェルは、魔女によって荒野に追い出され、それを知った王子は、塔から身を投げて両眼を失い、荒野をさまようのだ・・・。
 「リナリー・・・ゴメン・・・・・・」
 戒められた手を握り、呟くと、彼の耳元に流れていた歌が、止んだ。
 「おうち・・・に・・・帰して・・・・・・」
 代わりに漏れ出たのは、切なる願いと、溢れる涙・・・・・・。
 「ゴメン・・・・・・」
 再び、呟いたラビの肩に、誰かが、そっと手を置いた。
 驚いて顔を上げると、先ほどの男と同じ、科学者の白衣を着た青年が、彼の傍らに立っていた。
 「なんだよ、お前!まだリナリーを・・・・・・!!」
 ベッドの上の少女をかばうように、素早く向き直った彼に、青年は、驚いたように目を見開き、そして、微笑んだ。
 「違うよ。ボクは、この子を助けに来たんだ」
 そう言って、ラビをそっと押しのけると、彼は、ベッドの脇にある椅子に座り、リナリーの額に手を置いた。
 「回来了、小妹(フィライラ、シャオメイ)」
 そっと囁かれた異国の言葉は、魔法の呪文のよう―――― その言葉を聞いた途端、生気のなかったリナリーの目に、光が宿る。
 「哥哥(グーグ)・・・・・・!」
 「遅くなってごめんね。ただいま」
 「哥哥・・・哥哥・・・・・・!!」
 「今日から兄さんも、このおうちに住むよ。
 また一緒に暮らせるからね・・・・・・・・・」
 リナリーの、むごたらしく戒められた腕を、丁寧に解き、抱きしめた青年の背を見つめながら、ラビは、安堵と悔しさの入り混じった、複雑な気持ちを味わっていた。
 リナリーを、助けることができなかった。
 リナリーを、守ってやることができなかった。
 でも――――――――
 兄の胸に縋って泣きじゃくるリナリーの、長い漆黒の髪を見つめて思った。
 お前が自由になれたのなら・・・王子は俺でなくたって構わない・・・・・・。
 ラビは、そっと数歩を退いて、音もなく部屋を出た。
 ―――― 物語の結末なんて・・・どれも嘘くさいと思ってたけど・・・・・・。
 ラビは、ふ、と苦笑して、今出たばかりの部屋を振り返った。
 ―――― どうかあの姫が、末永く幸せでありますように・・・・・・・・・・・・。





Fin.

 










長い・・・;;;
なんだか異常に長い話になってしまって、申し訳ありません;;
この話のきっかけは、チャットで、『ブックマンがラビに、囚われの姫じゃよと言う話を書いてください』と言われ、書いた物です・・・が・・・。
言ってねェよ、ジジィ;;;(すまむ;入れる場所がなかった;;)
私としては珍しく、主人公らしい男の子を書いた気がします(^^;)
なんとなくの年齢設定は、リナ6歳、ラビ8歳くらいで。
今で言う小学3年生くらいなら、ラビだし、星座の話はできるだろうな、と、その程度の設定です(^^;)
狭い場所から、あの6つの星座を見るのは不可能ですが。(←経験済)
そして、『中国との時差8時間』と言うのは、深く考えないで下さい(^^;)
ロンドンのグリニッジ天文台を子午線の基本とし、ここを標準時とすることに決まったのは1884年ですし、この当時は各国でそれぞれの時間を使っていたので、むしろ、その後の『兄さんが見ていた空を今見ている』の方に主眼をおいてくださいーぃ;;;(平伏)
同じく、『ラビ=賢者』も、『Rabbi』の意味を元に私が勝手に書いただけで、公式ではありません。
その点、お忘れなくッ!(><;)












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