† Easter Lilly †
暖かな陽射しに雪は解けたものの、まだ冷たい風に紫煙を乗せて、彼はぶらりと戻って来た。 久しぶりの教団本部は相変わらず辛気臭く、警備班所属の衛兵達が胡散臭げな目で彼を見つめる。 が、その胸の紋章ゆえに誰何されることはなく、本城への通路を辿ろうとした彼の前に、白い団服の室長が立ち塞がった。 「・・・どっかで野垂れ死んでると思ったのに、何しに来たんですか、クロス元帥! 帰ってこなくてもいいのに!」 歓迎とは程遠い表情と声で迎えられたクロスは、火の点いた煙草を通路に投げ捨てて鼻を鳴らす。 「別に、好きで帰って来てやったんじゃない」 「どーっせ!借金で首が回らなくなったんでしょ! 教団は払いませんからね、あんたの飲み代なんて!」 機先を制して、コムイは背後―――― 本城を指した。 「ちなみにこないだ入団したアンタの弟子、まだ生きてますよ! 次々に送られてくる請求書に白目剥いてますけどね!」 「ふぅん・・・」 面白そうに笑った彼が、新たな煙草に火を点ける。 「そりゃ見ごたえがありそうだ。 久しぶりにいじめてやるかな♪」 「あ!ちょっと!!」 簡単に押しのけられてしまったコムイが、本城へ向かうクロスを慌てて追った。 「弟子いじめるのは勝手ですけど! リナリーには! リナリーには絶対近づかないでくださいよ、この破戒僧!」 「・・・あぁ、今日はいるのか、あいつ。 さぞかし可愛くなっただろう、ぜひ会ってやらないと」 「ヤメ――――!!!!」 うっかり墓穴を掘ってしまったコムイが、クロスの背に突撃する。 「なにすんっ・・・!」 「借金取りから隠れたいならいいもんあげますからっ!!」 振り向いたクロスが咥える煙草を取りあげ、コムイはケチャップでも入れてそうな容器のくちばしを咥えさせた。 「てあっ!!」 「ぐぼっ!!」 コムイが握り潰した容器のくちばしからクロスの喉の奥に大量の液体が注ぎ込まれる。 「ごぶい・・・!なにをっ・・・!!」 咳き込みながら毒かと疑うクロスに、コムイは邪悪な笑みを浮かべた。 「まだ開発途中ですが、元帥ならきっとだいじょーぶ 殺しても死なないアンタですもん、たぶん死ぬことはありませんよ ただ・・・」 にんまりと笑って、コムイが歩を下げる。 小首を傾げ、クロスの頭から爪先まで、まじまじと見つめた。 「随分酒臭いですけど、まぁ・・・美人と言えなくはないんじゃないですか?」 爆笑を堪えるように口の端をひくつかせながら、コムイはポケットから鏡を取り出す。 「元帥、源氏名はなんにしますー?」 突き出された鏡に写る自身の姿に、さすがのクロスが絶句した。 「・・・なんか寒気がっ!!」 突然震え上がったアレンを、リナリーは気遣わしげに見つめた。 「風邪ひいちゃった? 次の任務は北欧になりそうだって聞いたけど、大丈夫?」 そっと額に手を当てられて、アレンは一瞬で真っ赤になる。 「あぁ・・・熱があるみたいだね。 これじゃあ寒い国に行くのは・・・」 「全っ然っ!平気れふよ!!!!」 「えー・・・でも・・・・・・」 ますます気遣わしげなリナリーに、注文カウンターの向こうからジェリーが笑いかけた。 「だいじょーぶよん アレンちゃん、ちょっと照れちゃったのよねぇん あっさりと見抜かれて、アレンが恥ずかしげに俯く。 「えーっと? 風邪じゃないの・・・かな?」 「ナイナイ アタシのごはんを食べちゃえばすーぐよくなるわよねん クスクスと笑いながら、ジェリーは注文の品々をずらりとカウンターへ並べた。 「はい 大きな皿に大盛で差し出された料理を、アレンは嬉しげに受け取る。 「ジェリーさんの愛情満点のごはんを食べれば、風邪なんてすぐに・・・」 「アァーラ 坊やにはアタシの愛 「んぎゃ?!」 突然背後から抱きつかれて、アレンは口から心臓が飛び出るかと思った。 「だ・・・誰ですか・・・?!」 「やぁん 振り向こうにも、自分よりかなり大きな彼女にがっしりと抱きつかれていては振り向きようがない。 しかも、アレンの後頭部がほとんど埋もれた場所は、うかつに動くと痴漢の冤罪をかけられそうな場所だった。 「え・・・えぇーっと・・・・・・」 困惑し、額に汗を浮かべたアレンはリナリーに目で助けを求めるが、彼女の冷たい目に見返されて挙動不審に視線を彷徨わせる。 と、見かねたジェリーが苦笑して、背後の彼女に小首を傾げた。 「あのぅ・・・どちら様かしらん? 団員には間違いないみたいだけどん、アタシ、マダムのことを知らないのよねん?」 新入りかしら?と、全団員を把握するジェリーの問いに、背後の女はにこりと笑みを返す。 「あぁら マダムだって、アタシのことは知ってるはずだわん 「マダム・・・・・・」 その言葉に、ジェリーが唖然と口を開けた。 彼女を『教団のママン』と呼ぶ団員は珍しくないが、『マダム』と呼ぶ団員は一人しかいない。 「ク・・・!」 「うふん しぃ、と、女はなまめかしい唇に指を当てた。 「坊やがアタシのことを思い出すまで、ヒ・ミ・ツ 「え・・・えぇー! だっ・・・誰ですか?!誰ですか?!」 じたじたとあがいて抜け出そうとするアレンをしっかりと抱きしめたまま、彼女はリナリーに、あだっぽい流し目を送る。 「アナタも、秘密よん 「・・・・・・あ!」 真っ赤な長髪に見覚えがあるとは思ったものの、まさか性別が変わっているとは思わなかったため、その意地悪な笑みを見るまで気づかなかった。 しかし、ヒントは実は、とっくに目の前にあったのだ。 今までずっとアレンにくっついていたティムキャンピーが嬉しげに彼・・・いや、彼女(?)に擦り寄っていた。 性別が代わろうと関係なく慕ってくれるゴーレムに、彼女は軽くキスする。 「うふん お前はちゃんとわかってるわねぇーん ニヤニヤと笑いながら困惑する弟子を見下ろす顔は、しかし、リナリーにはもう、女にすら見えなかった。 「えっと・・・どうして・・・・・・?」 ジェリーと同じく、唖然としたリナリーに彼女は楽しげに笑う。 「そりゃあ、決まってるでしょぉ 坊やの様子を見に来たのよん そうじゃない、と言いたげなリナリーにクスクスと笑って、彼女は更にアレンの頭を胸に抱きしめた。 「元気そうじゃなぁい ほっぺたなんてすっかりぷにぷにして、いいもの食べさせてもらってるわねぇん 豊満な胸をぷにぷにと押し付けられて、アレンはもう、声も出ないほど真っ赤になる。 「で・・・ですからぁ! だっ・・・誰ですか・・・!」 なんとか逃れようと前のめりになったアレンに、彼女は覆いかぶさるようにのしかかった。 「ホホホ 当てられたら放してあげるぅ リナリーの目が、気の毒そうな色に変わったことにやや安堵しつつも、アレンは心当たりなんてない背後の女のことを考える。 ・・・ここに来てまだ間もない彼に、こんなスキンシップを取ってくれる女性は被服室の係長くらいのものだ。 が、彼女の背はこんなに高くない。 ではお針子の誰かだろうかと華やかなおしゃべり鳥達の顔を思い浮かべるが、立ったままの彼にのしかかれるほど大柄な女性はいなかったはずだ。 いや、いたとしても、存在すら覚えていない女性にこんなにも大胆なスキンシップを取られる覚えなんてない。 ―――― でも・・・後ろで椅子か何かに乗っているんだとしたら? ジェリーとご馳走に気を取られていたアレンの背後を取ることくらい、殺気のない女性になら赤子の手を捻るようなものだ。 その上で、ジェリーが遠慮するほどの女性・・・係長は彼女より階級が下のはずだから、ジェリーが係長に敬語を使うことはまずない。 まだよくは知らない教団内の人間関係を考えに考えて・・・アレンはようやく手を叩いた。 「婦長!」 「誰が鬼ババァだ!」 頭頂がへこむほどのチョップを受けて、アレンが目を回す。 途端、うずうずしていたジェリーとリナリーが、堰を切ったように話し出した。 「これは一体どういうことなのん、クロス元帥?!」 「なんで女の人になってるの?!どーして?!なにがあったの?!」 二人がかりで詰め寄られ、さすがのクロスが苦笑して歩を引く。 「コムイの仕業だ、決まってるだろ」 「コムたんの・・・!」 「兄さん、こんなことまで・・・」 納得し、呆れる二人にクロスが大きく頷いた。 「滅多にできない経験だからな、俺も一科学者としての探究心を刺激されて・・・」 と、やたら真面目くさった顔で自身の大きな胸を抱く。 「女体の神秘を堪能すべく、女風呂に潜入しようとしたのだが!!!!」 「ヤメテ、歩く25禁!!!!」 18禁ですらないと、絶叫するジェリーにクロスは無念そうにこぶしを握った。 「・・・・・・と、コムイの野郎にも言われて、これを装着された!」 クロスが忌々しげに指した首には、鉄の首輪がはめられている。 その忌まわしい拘束具を、リナリーは恐々と見つめた。 「そ・・・それはなんですか・・・?」 「これは・・・!」 深々とため息をつき、クロスは厭わしげに眉根を寄せる。 「女風呂の半径50m以内に踏み入ると、首が切断されるという恐ろしい処刑具だ!」 「そんなっ!!」 「必要ねん」 「必要なの?!」 残酷な拘束具に驚いたリナリーは、ジェリーの冷たい声に更に驚いた。 が、ジェリーは何度も頷き、まじまじとクロスの首輪を見つめる。 「コムたんのことだから、リナリーに近づいても処刑すると思ったけどん・・・無事みたいねん」 苦笑しながら、しかし、厨房から出てきたジェリーはさり気なくクロスとリナリーの間に割り込んだ。 女の身体になった以上は、さすがのクロスもリナリーに悪さはできないと思ったものの・・・いや、そんな油断は決してできないと思いなおす。 ニコニコと笑いながらも決してその場をどこうとしないジェリーに、クロスは鼻を鳴らした。 「これもまだ、開発途中だそうだからな」 周りを飛び回るティムキャンピーを抓んだクロスが、その鋭い歯を使って首輪を外そうと試みるも、なんの金属でできているのか傷もつかない。 舌打ちして、彼はジェリー越し、リナリーに微笑んだ。 「コムイの主目的はお前の保護だったが、さすがに移動する人間を中心に範囲設定はできなかったみたいだな」 ざまぁみろと笑うクロスに、ジェリーが意地悪く笑う。 「あぁらでも、元帥だってさっきおっしゃったじゃないのん コムたんは『まだ』開発途中だって言ったんでしょぉん? すーぐに改良しちゃうわよん 言ってやると、クロスは忌々しげに頷いた。 「だろうな。 いずれは対象者にもなにか、発信機的なものを持たせて敵が近づけないようにするつもりらしいが、今は受信機を軽量化した分、発信機側が巨大すぎて持ち運べないらしい」 受信側と言うのは当然、彼の行動を制限する首輪のことだ。 「それで・・・今は発信機を女風呂に固定してるってわけか・・・」 納得して、リナリーは苦笑した。 兄のおかげで今夜は、なんの心配もなく入浴できるらしい。 となれば、次の懸念事は当然、床に転がっているアレンのことだ。 「元帥・・・アレン君、起こさなくていいんですか? 様子を見に来たんでしょう?」 見事に白目をむいたアレンの傍にリナリーが屈みこむと、クロスは起こさなくていいと彼女を制す。 「もう様子は見た。 こいつがここでうまくやってるらしいってことは、この肌つやを見ればわかる」 共に旅をしていた頃に比べ、アレンの頬は随分と子供らしくふっくらしていた。 「マダムのおかげだな。 大食らいでやかましいから迷惑をかけると思うが・・・」 クロスらしくもなく、まともな保護者のような発言に、ジェリーは驚きながらも首を振る。 「迷惑なんてとんでもない! いつもおいしそうに食べてくれて、アタシのお気に入りですわん アレンちゃんの栄養管理は、これからもアタシに任せてくださいな 自信満々に胸を叩いて見せたジェリーに頷き、クロスは踵を返した。 「じゃ、俺はもうしばらく・・・この身体で遊んでくるわ♪」 「あんまりやりすぎないでくださいね・・・」 特に科学班は、と、いつも死にそうな科学者達のことを思ってリナリーが苦笑する。 と、クロスが肩越し、意地悪く笑った。 「あいつらは、コムイが身体を張って守ったぞ 「に・・・兄さん?!」 一体何が、と慌てたリナリーが、クロスを押しのけて飛び出して行く。 「まぁちょっとした・・・仕返しだな」 「殺してなきゃ上々ですわん」 クロスを女の身体にした上、危険な処刑具まで装着させたのだ。 コムイが無事でいるなどと、最初から思っていない。 そう言って苦笑するジェリーに、クロスは魅惑的な笑みを向けて手を振った。 「じゃあまた」 「はぁい 手を振り返し、しなやかに歩く彼女を見送ったジェリーがため息をつく。 「・・・・・・男にしておくのが惜しい美人ねぇん」 肩をすくめたジェリーは、未だ白目を剥くアレンを病棟に運ぶべく、軽々と抱え上げた。 「かっんっだぁぁぁぁぁっ ひっさしぶりぃぃぃぃぃぃぃぃ 回廊中に響き渡る甲高い声で呼び止められ、振り返った神田の顔が豊満な胸に埋もれた。 「・・・この赤毛は、クロス元帥ですか?」 淡々と発せられた声に、クロスはいかにもつまらないとばかり、肩をすくめる。 「巨乳に埋もれても、顔色も変えねーんだな、お前は」 「慣れてますので」 そのポーカーフェイスにムッとして、クロスは神田の頬を引き伸ばした。 「かっわいくねぇな、相変わらず! 俺が女の身体になっても、言うことなしかよ!」 「どうせ、コムイがなんかやらかしたんでしょう。 あのシスコン、モヤシが入団して以来、いつ元帥が帰って来るかって怯えてましたから」 「モヤシ?俺の馬鹿弟子のことか?」 愉快そうに唇を歪めるクロスに、神田が頷く。 「白くて細い、弱そうな奴なんで」 「お前、本当に嫌味がうまいな!」 感心して、クロスが大笑いした。 「そんで? 相変わらず、教団のためになんか戦わねぇってか?」 その問いには無言の神田に、クロスは意地悪く笑う。 「馬鹿弟子は、お前とは絶対合わないと思ったよ。 なんたってそっくりだからな」 「は?! 誰があんなモヤシと!!」 反駁する神田の頭をぐりぐりと撫でて、クロスはようやく彼を放してやった。 「お前らは反発しあう磁石の同極みたいなもんだ。 絶対に馴れ合ったりしないだろうが・・・認め合うくらいはすんじゃねぇかな」 「それもありえません!」 相手が元帥でなければ、この場で叩き斬りそうな勢いで神田はクロスを睨みつける。 その様が実に楽しいとばかり、クロスはにんまりと笑った。 「先のことなんざ誰にもわからねぇさ。 俺も、適当なことを言ってるだけだ。聞き流せよ」 クスクスと笑う様が、今は女の身体だけあって妙にあだっぽい。 さすがの神田もほんの少し頬を染めて、クロスから目を逸らした。 「・・・なんのために戻ってきたんですか」 「馬鹿弟子がどうしてっかな、って思って」 あっさりと言われて、神田は意外そうな顔をする。 「元帥・・・が・・・?」 悪魔のような、と言う形容が形容ではないと言われる彼の意外な理由に神田が目を見開くと、彼はからかうように笑声をあげた。 「意地悪な先輩にいじめられて泣かされてんじゃねぇかってさ♪」 「・・・いじめましたが泣きませんでしたよ。 可愛くない後輩です」 冗談だと察して、神田は軽く吐息する。 と当時に、虚言しか言わないクロスの言葉を真に受けてしまった自分に呆れた。 「コムイは嫌がってましたが、教団としては元帥の帰還を待っていたはずです。 俺がモヤシをいじめてりゃ、心配した元帥が戻って来るってぇんなら俺は今まで以上にあいつを・・・」 意地悪く笑ってやると、クロスは神田の嘘などお見通しとばかり、楽しげに目を細める。 「お前は、教団のためになんか何もしない奴だ」 回廊の欄干にもたれ、足を組んだクロスが、団服のポケットから煙草を取り出した。 火を点けて、深く煙を吸ってから、白い吐息を漏らす。 「そしてあいつも・・・教団のためだなんて、なにも考えちゃいない」 無言で見つめてくる神田に微笑み、クロスは小首を傾げた。 「あいつはあいつ自身の目的のため、エクソシストになって戦っている。 それが、あいつの目的を果たすために最も手っ取り早い方法だったからだ。 な?似てるだろ」 クスクスと笑って、クロスはまだほとんど吸っていない煙草を欄干の外へ放った。 それは吹き抜けのホールへ、長く白い尾を引きながら落ちていく。 薄らいでいく煙をなんとなく目で追った神田の肩を、女にしては大きな手が掴んだ。 「ま、よろしくしてやってくれ」 すぐに離れた感触に頷きそうになった彼は、危うく思い留まって、忌々しげに舌打ちする。 「よろしくなんて、しませんよ!」 怒鳴った先にはもう、目に鮮やかな赤毛は消え去っていた。 「・・・・・・ふぇ」 目を開けると、見慣れない白い天井を背景に、ジェリーがアレンを見下ろしていた。 「あぁん!ようやく気がついたのねん、アレンちゃん!!」 がっしりと抱きしめられて、アレンはベッドに寝たまま、ぼんやりと天井を見つめる。 「えぇと・・・食堂じゃないし・・・」 「病棟ですよ」 「ひっ!!」 ジェリーの反対側からにょっきり現れた婦長の顔に、アレンは思わず怯えた。 と、さすがにムッとした彼女がきつく眉根を寄せる。 「・・・ここは病棟です。 あなたは謎の女に強烈な頭部打撲を負わされて運ばれて来ました。 気分はどうです?」 「気分は・・・悪くないです・・・」 それどころか、ジェリーの纏うおいしそうな匂いに早速おなかが鳴る。 「あぁん!アレンちゃん、まだごはん食べてなかったものねぇん!」 目の前に並べられたご馳走を食べる前に謎の女に襲撃され、ここに横たわることになったアレンは切なく眉根を寄せた。 「ジェリーさぁん・・・! 僕、オナカが空いて死にそうです・・・!」 甘えきった声を出すアレンに、常時母性本能を刺激されるジェリーがきっと婦長を見つめる。 「怪我はもういいようだから、連れて帰ってもいいかしらん! アタシの可愛い子が、おなか空かせて泣いてるのよん!」 「泣いて・・・いるかしら」 「死んじゃうー・・・!」 途端にしくしくと泣き出したアレンに、婦長は呆れて肩をすくめた。 「・・・健康な欠食児童を寝かせるほど、病棟のベッドに余裕はないのよ。 さっさと出て行きなさい」 「はぁい 歓声をあげて、ベッドを飛び出したアレンがジェリーの腕にまとわりつく。 「ごはんごはん〜 「えぇえぇ アレンちゃんのほっぺをつやつやにするのがアタシの役目よん クロスの言葉を思い出しながら、ジェリーはアレンの手を引いた。 「レッツゴー♪」 「はいっ ・・・嬉しさに頬を染めた彼が、食堂で幸せな時間を過ごしたのも束の間。 クロスが去った後のアレンの部屋には、山のような請求書が残されていた・・・。 Fin. |
| 2013年イースターSSでした! 時間軸は、アレン君が入団して間もない頃なので、ミランダさんもラビもいません。 きっと多くの皆さんが、『くれはさん!アレン君が入団したのは夏だYO!11月にはドイツから大陸横断の旅に出てるYO!イースターにいるわけないYO!』と思ったでしょうが、そんな方達にはこの贈る言葉。 あんま気にすると禿げるYO!(・ω・)+ ← このネタ、実はニコさんがmixiで書いてた日記でりえるさんがとんでもない18禁発言しやがって(笑) その上、チャットで『アレン君に迫るにょた師匠書けYO!』と脅すもんですから仕方なく書いたものですよ!←主観120%www どこら辺がイースターって、今回の師匠の存在自体がイースターエッグです(笑) 悪気のないイタズラだなんて、どの口がですが、本人は楽しかったんじゃないでしょうか(笑) 珍しく短い話になりましたが、楽しんでいただけると嬉しいな |