† Lilith †






 夢は・・・
 胸をえぐるような悪い夢は
 浅い眠りの中に忍び込む
 ならばいっそ
 夢すら届かぬ
 深い深い闇の中に落ちていたい・・・・・・


 ―――― ボクは、ずっしりと重い銀のボタンを、いくつも手にしていた。
 ゴシック調の飾りボタンの裏には、その所持者の名が刻まれている。
 KevinYeeger・・・DyshaBarrie・・・・・・
 一つ一つ裏返しては、刻まれた名前に・・・今は、失われた命に、深い哀悼を捧げる。
 だが・・・
 ・・・・・・確実に、安堵している自分がいた。
 ボクが手にしたボタンの中に、あの子の名がないことを・・・
 命を奪われた者のリストに、あの子の名がないことを・・・
 ボクは安堵し、神に感謝している・・・。
 安堵とも・・・哀惜ともつかぬ吐息を漏らしたボクの眼前の闇から、白い手が現れた。
 軽く握られた手が、招くように揺らめいて・・・差し出したボクの手の平に、新たなボタンが乗せられる・・・。
 どくん・・・
 鼓動が・・・跳ねる・・・。
 どくん・・・・・・
 震える手で・・・ボタンを裏返し・・・・・・。
 どくん・・・・・・・・・
 瞬きも忘れて・・・刻まれた名を辿る・・・・・・・・・。
 どく・・・・・・・・・・・・・
 L・・・i・・・n・・・a・・・・・・・・・・・・


 「室長!」
 耳元で絶叫されて、コムイは目を開けた。
 「いい加減起きてくだ・・・アレ?!」
 すんなりと身を起したコムイに、呼びかけたジョニーの方が驚いて飛びのく。
 「ど・・・どしたんすか?!なんで今日は、すんなり起きちゃってんです?!」
 彼の絶叫に、研究室のメンバーの視線が集まった。
 普段であれば、『リナリーが結婚する』とでも言わない限り、何があろうとも絶対に起きないコムイが、たかがジョニーの絶叫で起き上がった―――― これは、近年にない大ニュースだ。
 「別に・・・目が覚めかけてただけだよ」
 机上に置きっぱなしだったマグカップを取り上げようとして、コムイはその取っ手から、震える手を離した。
 「あーぁ、すっかり冷めちゃってる!誰か、熱いの淹れてー!」
 いつものワガママな口調で呼びかけると、リーバーが立ち上がり、コーヒーポットと新しいマグカップを持って来る。
 「どうぞ、室長」
 科学班班長が手ずから淹れ、差し出したマグカップを、しかし、コムイは受け取ろうとしなかった。
 「ありがとう、リーバー君。そこに置いておいて」
 にこ、と、いつもの顔で笑って、机上を示すコムイの言う通り、リーバーはカップを置き、踵を返す。
 「で、何かな、ジョニー君」
 「あ・・・はい!研究用にイノセンス借りたいんで、使用許可ください〜!
 前回は失敗しましたけど、今度の実験は班長の修正案も取り入れて改善しましたし、模擬実験では有効な値が出ましたから、絶対成果出しますし、ヘブラスカにも迷惑かけませんから〜!!」
 おねがいしますっ!!と、土下座する勢いで申請書を出した彼に、コムイは、あっさりと許可のハンコを捺した。
 「えぇ゛っ?!マジっすか?!」
 あと、1時間は懇願する覚悟だった彼は、意外な展開に、喜ぶよりもむしろ、驚愕する。
 「なに?いらないんなら取り消しちゃうよー?」
 「いえ!!いりますいります!!ありがとうございますっっ!!」
 室長の気が変わる前に、と、ジョニーは奪うように許可証と化した書類を取り上げ、脱兎の勢いで部屋を出て行った。
 途端、
 「室長!!俺も俺も!!」
 「私も!!私も!!!」
 「ハンコ下さい、ハンコ――――!!!」
 コムイの気が変わらないうちに、と、科学班メンバー達が殺到する。
 「あぁもう!!並んでっ!!」
 コーヒーを飲む暇もあらばこそ、次々と差し出される書類に、コムイは精力的に目を通していった。


 その夜、自身の執務室で、コムイは一人、黙々と書類仕事を片付けていた。
 と、ノックもなしにドアが開いて、リーバーが入ってくる。
 「どーも」
 「ノックくらいしなさいよ、リーバー君」
 書類から顔も上げずに言ったコムイの、抑揚のない口調に、リーバーは笑みもせず歩み寄った。
 「また、あの夢っすか・・・」
 「・・・・・・」
 黙したまま、答えないコムイの執務机に、カタン、と、硬い音がして、薬の瓶が置かれる。
 「睡眠薬です。俺の名前で処方してもらいました」
 リーバーの言葉に、コムイは苦笑して、手の平に収まる小瓶を取り上げた。
 多くのエクソシストを喪った今、サポート派の室長が医者にかかった、と噂が立つだけでも、教団構成員達の動揺は免れない。
 現状を良く知るリーバーは、また、コムイの立場もよく理解していた。
 「また・・・虚弱体質だなんて噂が広まるよ」
 リーバーの気遣いに感謝しつつも、憎まれ口を叩くコムイに、リーバーは冗談めかして笑う。
 「アンタのせいで胃に穴が開いたのは事実っすからね」
 しかしその笑みは、水が砂に吸われるように消えた。
 「今、あなたに倒れられては困ります」
 冷淡とも取れる口調に、コムイは苦笑する。
 「わかっているよ。
 全く、これだから西洋は嫌いさ。タフであることを要求するんだからね」
 「指揮官がタフであることを要求されるのは、西洋も東洋も変わらないでしょう」
 「さーぁ?どうだったかなぁ」
 リーバーをはぐらかすように笑って、コムイは手にした薬瓶を掲げた。
 「薬をありがとう、リーバー君。有効利用するよ」
 「使い過ぎないよう、気をつけてください」
 「わかってるさ」
 にこりと笑ったコムイに軽く一礼して、リーバーは部屋を出て行った。
 が、コムイは閉ざされたドアに視線を置いたまま、手の中の薬瓶を弄ぶ。
 その、硬く冷たい感触に釣られるかのように、コムイの顔に張り付いていた笑みが消え、仮面のように硬く強張った。

 ―――― 夢・・・・・・
 あの子が手許を離れると、必ず現れる悪夢・・・・・・。
 時には、あの子の顔をして現れる夢魔に、何度怯えたことか・・・・・・。

 コトリ、と、硬い音を立てて、コムイは、すっかり温まった薬瓶を机上に置いた。

 ―――― 悪夢は・・・浅い眠りの中に忍び込むと言う。
 ならばいっそ、夢すら届かぬ、深い深い闇の中に落ちていたい・・・・・・

 目をつぶると、棺が大広間を埋め尽くした時の光景が、蘇る。
 あの中に、あの子の躯がなかったことを、どれほど感謝したか・・・!
 「どうか・・・どうか無事で・・・・・・・・・!」
 コムイは、組んだ両手の上に額を乗せ、搾り出すように呟いた。

 ―――― 他の人間なんて、どうでもいい。
 世界など、伯爵にくれてやっても構わない。
 だが、あの子だけは・・・・・・リナリーだけは奪わないでくれ・・・・・・・・・!

 サポート派室長としての建前など知らない・・・昼間の、『冷静な指揮官』という仮面は、夜には粉々に砕け、身勝手な本音は、今にも溢れそうに彼の中を満たしていた。
 「リリス・・・・・・」
 コムイは、彼を苛む女悪魔の名を呼ぶ。
 かつては太母神でありながら、キリスト教の名の下に、悪魔に引きずり落とされた、異教の女神の名―――― 夢魔の長であると言う女悪魔に、彼はこいねがった。
 「あの子の顔をして・・・現れないでくれ・・・・・・」


 枕元のサイドテーブルに、ミルクを入れた小皿を置いたミランダは、ベッドに浅く腰掛けて、深く吐息した。
 ―――― 眠れない・・・・・・。
 目をつぶると、今もまざまざと、棺が大広間を埋め尽くした時の光景が浮かぶ。
 その中の一つに、自身が横たわる姿を、何度も夢に見た。
 自分だけではない。
 アレンや、リナリー・・・。
 その他、知っている顔がいくつも、冷たい躯となって、次々と現れた。
 嘆きに満ちた広間―――― 冷たい躯となって帰ってきた彼らを、冷静に迎えたコムイ・・・。
 ―――― あの人は、大切な妹を亡くしても、あんな風に微笑むのかしら・・・。
 重職にある者が、簡単に取り乱してはいけないことくらい、ミランダにもわかる。
 だが、感情的に、彼の態度は受け容れられなかった。
 むしろ、あの光景を見て弱気になった者達にこそ、寄り添えると・・・。
 ミランダは、横目でミルクを入れた皿を見遣り、うなだれた。
 悪夢を祓うまじないだと、昔、母から教わったものだ。
 だが、真に祓うべきは、悪夢ではなく、恐怖・・・・・・。
 身近に迫った死への恐怖に、今日も眠れそうになかった。


 「いい加減、寝たらどうすか」
 珍しく居眠りもせず、精力的に仕事に打ち込むコムイに、リーバーは、研究員達の耳を憚りつつ、小声で囁いた。
 多くのエクソシストを喪った日以来、コムイは眠る様子もなく、黙々と仕事に打ち込んでいる。
 「今、あんたに倒れられちゃ、俺が困るんですが」
 殊更、憎まれ口を叩くリーバーに、しかし、コムイは仮面のように張り付いたままの微笑を向けた。
 「大丈夫。ちゃんと寝ているよ」
 「嘘ばっかり・・・。
 仮眠だけでもしてください。あの薬、まだ使ってないんでしょ?」
 「苦いの、嫌いなんだよねー」
 言いつつ、コムイは濃いコーヒーを口にする。
 「馬鹿言ってないで、マジ、寝てください。
 おい!そこのソファ、荷物どけてくれ!」
 「リーバー君・・・」
 眉をひそめたコムイを、リーバーは笑みもせず見下ろした。
 「仮眠してください。構成員達の前で、ぶっ倒れる前に」
 それもあんたの仕事です、と、厳しく言われ、コムイは、ようやく席を立つ。
 「何時間くれるんだい?」
 「そっすね。3時間くらい?」
 「・・・謝謝。でも、何かあったら起してくれ」
 「没関係(どういたしまして)。よほどのことがない限り、今回はあんたの睡眠を優先しますよ」
 ちらりと笑みを浮かべて、リーバーは手にした書類をバザバサと振った。
 ミランダが科学班を訪れたのは、それから数分後―――― コムイが、深い眠りに落ちた直後のことだ。
 いつも以上に慌しい研究室に、入口でためらっていると、中から声が掛けられた。
 「ミランダさん!待ってましたよ!!」
 入って入って、と急かされ、ミランダはおずおずと、騒がしい室内に足を踏み入れる。
 気になっていたためか、部屋に入るや、コムイの姿を探したが、いつもの席に、彼の姿を見つけることはできなかった。
 代わりにリーバーが、研究員達から持ち込まれる書類や報告を忙しそうに捌いていて、彼女が来たことにすら、気づいていない。
 やや気を落としたミランダに、寝不足なのか、栄養不足なのか、青い顔をしながらも妙に高揚している研究員が、黒い団服を渡した。
 「団服ね、今回から新素材なんですよ!耐久力に関して、今までのより有効な値が出てるんです。ミランダさん、第一号ですからね!」
 受け取った団服は、アレン達が着ている団服よりも光沢のある、レザーのような布地だ。
 「試着してください!
 どこか、きついトコとかあったら、言ってくださいね!直しますから!」
 「はい・・・・・・」
 正直、エクソシストの団服を纏うことは、気乗りしなかったが、早く早くと急かされて、ミランダは研究室に隣接する、試着室に入った。
 細かく採寸され、ミランダのためだけに仕立てられた服は、彼女の身体にぴったりと合って、動きに寄り添う。
 全身を映す鏡に手をついて、ミランダは深く吐息した。
 「嫌だわ・・・軍人みたい・・・・・・」
 黒い団服は、戦うことを強要されているようで、更に気が重くなる。
 ―――― 怖い・・・。
 戦う事が・・・いや、もっと直裁に、死が怖い・・・・・・!
 だが、それは決して口に出してはいけないことだ。
 エクソシストとして迎えられた自分が、それを口にする事は、彼女自身の存在を否定するだけではなく、この教団の構成員全員の反感を買ってしまうことだろう。
 だが未だ、彼女には戦場に赴く覚悟が定まってはいなかった。
 ―――― アクマなど知らなければよかった・・・教団になど、関わらなければよかった・・・・・・。
 後悔は、血のように巡って、ミランダの身体を重くする。
 ―――― 怖い・・・逃げたい・・・!
 なんとかして、ここから逃げ出せないものかと、何度考えた事だろう・・・。
 だが、決断もつけられず、ずるずると日を過ごしてしまった。
 ―――― 逃げたい・・・・・・!
 声には出さず、そう呟いた時、外から呼ぶ声がする。
 のろのろと出て行くと、先ほどの研究員が、仕立屋のように詰まっている所はないか、動きの邪魔はしないかと、細かく聞いた。
 「大丈夫・・・です」
 屈託のある顔で、それでも笑うと、彼は満足げに頷いて、次々と新しい団服を出してくる。
 「じゃ、これとこれも試着お願いします!
 着替えですけど、ちょっとずつ、デザイン変えてありますからね!」
 「はぁ・・・」
 気のない返事をしつつ、受け取るミランダの傍らで、電話のベルが鳴った。
 しかし、誰もが忙しさのあまり、取る事ができないらしい。
 仕方なく、ミランダが受話器を取ると、懐かしい声が聞こえた。
 「リナリーちゃん?!無事なの?!」
 思わず、大きな声を上げてしまった彼女を、皆が振り向く。
 『ミランダさん?
 うん、私達は無事・・・だけど・・・何かあったの?』
 リナリー達はまだ、あの惨事を知らないらしい・・・。
 ミランダは引きつった声で『ちょっと待っていて』と、受話器を置き、リーバーに転送してもらった。
 「リナリー!?今、どこだ!?」
 彼の切羽詰った声に、リナリーが驚いているようだ・・・リナリーと会話するリーバーを、ミランダは気遣わしげに見つめた。
 「スマン・・・あぁ・・・元帥捜索に派遣されたエクソシスト達が・・・・・・殺された。ファインダーも含めて、148名も・・・。
 あぁ、生き残った奴の名前を言った方がはえぇよ・・・」
 研究員たちの耳をはばかってか、リーバーの声は、傍らにいるミランダにも聞き取れないほどに低い。
 「そか!クロス元帥の行方が・・・じゃあ、現地のサポーターの船で、日本か」
 朗報か、やや高まった声に、研究員の幾人かが目を寄せたが、すぐに自身の仕事に戻っていく。
 その態度に、ミランダは眉をひそめた。
 ―――― もっと・・・暖かい人達だと思っていたのに・・・・・・。
 リナリーは、この研究室にデスクを持ち、兄の助手としていつも彼らと仕事をしていた。
 なのに、彼女の無事を報せる電話に、誰も意識を向けようとしない。
 ―――― 酷いわ・・・!
 リナリーでさえこの扱いなら、他のエクソシスト達は一体、どういう扱いをされているのだろうかと、ミランダは腹立たしくなった。
 と、
 「室長に代わんなくていいのか?」
 意外そうな声に、ミランダが再び意識をリーバーに戻すと、彼は視線をコムイの執務机の向こうにやる。
 「よく、室長が仮眠中だってわかったな。千里眼でも持ってんのか?」
 リーバーの視線に釣られるように見遣ると、いないと思っていたコムイが、ソファに横になっていた。
 その、あまりにも疲れ果てた様子に、ミランダは思わず息を呑む。
 まるで、死んでいるかのよう・・・きっと、意識を失うように眠りに落ちたのだろう。
 「ダイジョブダイジョブ・・・インテリって、意外に根性あるんよ?」
 おどけたリーバーの言い様を耳にしながら、ミランダは、唇を噛んだ。
 「お前たちの隊は、みんな無事で帰ってきてくれな・・・・・・」
 低く囁かれたリーバーの言葉に、ミランダは俯く。
 その口調はとても静かで・・・感情的な抑揚はなかったけれど、リナリーへの慈愛と祈りが込められていた。
 ―――― ごめんなさい・・・!
 彼らは、リナリー達の安否に無関心なわけでも、冷淡なわけでもない。
 命を賭けて戦うエクソシスト達のために、彼らもまた、戦っているのだ・・・。
 自分にできることを・・・自身の、全知全能を傾けて・・・!
 それを、命の危険にさらされていないから・・・死に直面していないから冷静でいられるのだなんて、酷いのは自分の方だ・・・。
 ミランダは、赤らんだ顔を、しばらく上げることができなかった。


 ――――・・・むせ返る百合の匂い・・・。
 なぜ・・・眠るあの子を、百合で包む・・・・・・?
 ただ眠っているだけ・・・!
 間もなく目を覚ますこの子に、なぜ手向けの花を・・・・・・!?
 青白い膚・・・固く閉じられた目・・・・・・。
 骸ではない・・・決して、骸などではない・・・・・・!
 この子はただ、眠っているだけ・・・・・・!
 スリーピング・ビューティのように・・・スノー・ホワイトのように・・・・・・
 間もなく目覚めるこの子に、なぜ手向けの花を添えるんだ・・・・・・!
 「目を・・・覚まして・・・早く・・・・・・!」
 耳元で怒鳴られたような――――!
 心臓をわしづかみにされたような感触に、驚いて目を開けた――――。


 「室長!」
 リーバーの切羽詰った声に、コムイはすく、と、ソファから起き上がる。
 その異常さに、しかし、誰も何も言わず、リーバーはコムイに受話器を差し出した。
 渡された受話器を受け取ったコムイは、その向こうにいる妹の、悲鳴じみた声に、眉をひそめる。
 「落ち着きなさい」
 冷静な声音に、受話器の向こうで、息を整える気配がした。
 「兄さん・・・!スーマンが・・・・・・!!」
 早口で語られた事情を、黙って聞いていたコムイは、瞑目したまま、何度も頷く。
 彼の周りでは、科学班の研究員達が、一様に厳しい顔をして、スピーカーで拡大された音声に耳を澄ましていた。
 「咎落ちになったら助からない」
 冷淡なほどに低く、落ち着いたコムイの声に、幾人かが意外そうに身じろぎする。
 彼の、リナリーへの溺愛ぶりは、誰もが嫌と言うほど知っていた。
 その彼が、助けを求めるリナリーに対して、こんなにも冷淡な対応をするとは、誰も思っていなかったのだ。
 が、彼はそんな、部下達の視線を受けながらも、淡々と続けた。
 「咎落ちになった人間を生きて助け出す事は不可能だ」
 『うそよ・・・っ!』
 「うそじゃない」
 その冷たい言い様に、彼らとは離れた所で聞いていたミランダも、思わず息を呑む。
 「咎落ちって・・・?」
 密やかに囁かれた声に、リーバーが振り返っていた。
 「イノセンスの暴走現象・・・人体はイノセンスに取り込まれ、約24時間で破壊される」
 暗く、沈んだ声に、ミランダだけではなく、幾人もの研究員が息を飲む。
 「・・・スーマンは・・・どうなるんすか・・・・・・?」
 「だから・・・死ぬんだ・・・・・・」
 ―――― なぜ・・・?
 低く、呟かれた言葉に、ミランダの目の前が暗くなった。
 ―――― その・・・スーマンと言う人は、エクソシストではないの?なぜそんなことに・・・・・・。
 『スーマンを見殺しにしろって言うの?!』
 くらくらと歪む視界に反して、耳は鮮明な声を捉える―――― リナリーの悲痛な叫びを。
 だが、妹の絶叫に対し、コムイはあくまで冷静だった。
 「イノセンスを回収しなさい。これは、教団の命令だ」
 その厳しい口調に、普段の、妹に甘い彼を見慣れている者達は、今度こそ瞠目した。
 「もし、スーマンのイノセンスが『ハート』だったらどうなる?そんなこともわからないのか?」
 すぅ・・・と、血の気が引き、ミランダの全身が冷たくなる。
 ―――― この人は・・・こんな時に、どうしてこんなにも、冷静でいられるのだろう・・・。
 彼の大事な妹が、こんなにも必死に助けを求め、縋っているのに、どうして義務や命令を優先させるの・・・・・・?
 先ほどの言葉で、部下達の彼を見る目は、明らかにかわった。
 この非常事態においては、ひたすら溺愛していた妹にですら、冷厳に接する彼に、感服している様子だ。
 だが、ミランダは納得できなかった。
 ―――― なぜ・・・こんな時に、助けてあげないの・・・?
 『仲間なのよ・・・・・・っ!!』
 奇しくも、遠い国にいるリナリーが、ミランダの心情を代弁する。
 一番苦しい時に救いの手を伸ばしてくれない彼に、怒り、苛立ち、泣き声を上げるリナリーに、しかし、コムイは微塵の動揺も見せなかった。
 「スーマンは、教団を裏切った可能性がある」
 極秘だったと言う衝撃的な情報に、ミランダは瞠目する。
 が、彼女以外の者達は静かに、コムイの声を聞いているところを見ると、科学班のメンバーは全員、この事を知っていたようだ。
 彼が・・・スーマン・ダークが・・・神を裏切り、仲間を裏切り、あの、大量の死者を出してしまったのだと・・・・・・。
 ―――― 戦え。
 ミランダの耳に、低い男の声が蘇る。
 ―――― 戦え。
 教団に受け容れられた日・・・大元帥の一人が吐いた言葉・・・・・・。
 ―――― 戦え。
 あれは・・・こういう意味だったのだ・・・・・・。
 イノセンスに選ばれた者は、戦い、勝って生き残るか、負けて死ぬか、逃げて裁かれるか・・・・・・。
 ―――― 戦え・・・・・・。
 逃げる事も許されない・・・!
 悪夢のような事実に、ミランダはふらふらと退き、震える肩を壁で支えた。
 『そんなの・・・うそだ・・・・・・っ』
 リナリーの悲痛な叫びは、そのままミランダの声だ。
 彼女は踵を返すと、震える足で科学班を駆け出ていった。


 「――――――――・・・っ!!」
 その部屋のドアを乱暴に閉めたミランダは、声にならない悲鳴を上げて、床に崩れ落ちた。
 ―――― 知らなかった・・・こんな事、全然知らなかった・・・!!
 まるで、悪夢のようだ・・・!
 いや、悪夢だったならよかったのに・・・・・・!
 神に選ばれたのだと・・・ようやく、自分を受け容れてくれる場所を見つけたと信じていたのに、それが、こんなに恐ろしい事だとは、全く知らなかった。
 「ミラ・・・ンダ・・・・・・?」
 彼女の遥か上から掛けられた声に、ミランダは涙に濡れた顔を上げる。
 「どう・・・した・・・?なにか・・・・・・?」
 「ヘブラスカ・・・」
 気遣わしげな声に、ミランダはしゃくりあげながら彼の名を呼ぶ。
 「わ・・・私が・・・私が適合者だなんて・・・何かの間違いでしょう?!
 お願い・・・間違いだったと言って・・・・・・!!」
 彼女の叫びに、しかし、ヘブラスカはゆっくりと横に首を振った。
 「お前は・・・適合者だ・・・。
 訓練の結果・・・より、適合率も上がった・・・・・・立派な・・・エクソシストに・・・・・・」
 「やめて!!」
 耳を塞いで俯いた彼女に、そっと、ヘブラスカの手が伸ばされる。
 「なにが・・・あった・・・・・・?」
 泣き叫ぶミランダの背を、ゆっくりと撫で下ろす彼に、ミランダはまくし立てるように、先ほど科学班で見聞きした事を伝えた。
 「どうして・・・どうして教えてくれなかったの!!こんな・・・・・・!」
 「知って・・・どうする・・・・・・。
 お前が・・・適合者であることには・・・変わりない・・・・・・」
 「知っていたら私・・・・・・!」
 「エクソシストには・・・ならなかったか・・・・・・?」
 す、と、伸ばされた手に抱き上げられ、ミランダは、ヘブラスカと視線を合わせられる位置にまで持ち上げられた。
 「ミランダ・ロットー・・・・・・よくお聞き・・・・・・。
 お前は・・・神に選ばれた使徒・・・・・・。
 イノセンスとともに・・・戦うさだめを負った・・・・・・」
 「私には無理よ!!」
 ヘブラスカの言葉を遮り、ミランダはヒステリックに叫ぶ。
 「私には、あんな化け物達と戦って、勝つ自信なんてないわ!なのに、逃げる事も許されないなんて・・・!!私はどうしたらいいの!!
 コムイさんだって、あんなに冷たい人だとは思わなかったわ!!」
 「おだまり」
 ぴしりと言われ、ミランダは驚いて顔を上げた。
 いつも穏やかで、気遣ってくれるヘブラスカの、初めて聞く厳しい声に呆然としていると、彼は、その顔に微苦笑を浮かべる。
 「コムイは・・・教団のために・・・いや・・・エクソシスト達のために・・・よくやっている・・・・・・。
 彼がいなければ・・・教団はとうに・・・崩壊していた・・・・・・」
 「でもっ・・・!」
 「彼が・・・リナリーの事を・・・・・・心配していないと思うか・・・・・・?」
 「だって・・・あんなに冷たい・・・!
 リナリーちゃんにですらあぁなら、他のエクソシストなんて、どうでもいいんじゃないかって思ってしまうわ!」
 「いいや・・・彼は・・・誰よりも戦っているよ・・・ミランダ・・・・・・。
 誰よりも・・・お前たちのためにね・・・・・・。
 理解して・・・おやり・・・・・・。
 冷静に・・・見えるからと言って・・・・・・コムイが・・・冷淡なわけではない・・・・・・」
 言い聞かせても、納得しがたい様子で俯いたままのミランダに、ヘブラスカは額を寄せた。
 「怖い・・・のだね・・・ミランダ・・・?
 死に・・・直面して・・・怯えている・・・・・・無理もない・・・・・・」
 「わ・・・私・・・あの光景が・・・どうしても・・・・・・!!」
 大広間を埋め尽くす棺・・・。
 その一つ一つに、無残な骸が収められて・・・いや、中には、骸さえないものも・・・・・・!
 「怖かった・・・!
 あれからずっと夢を見るの、ヘブラスカ!!
 私や・・・リナリーちゃんや・・・アレン君・・・っ!
 黒い棺に入れられて、冷たくなって・・・・・・!!」
 毎晩襲い掛かる悪夢に抗う術もなく、恐怖から逃れる道もなく、ただ怯えるしかない。
 「いや・・・!!死にたくない・・・・・・!!
 だって私は・・・違うもの!!」
 「違う・・・?」
 「そうよ!
 わ・・・私は、リナリーちゃんやアレン君とは違う・・・!
 自ら望んで、エクソシストになったわけじゃないわ!」
 偶然手に入れた時計を発動してしまい、適合者として連れて来られたのだ・・・決して、自らの意志で、エクソシストになろうとしたわけではない。
 そう言うと、ヘブラスカは長く無言で、ミランダを見つめた。
 「・・・・・・ヘブラスカ?」
 表情が変わらないため、わかりにくくはあったが、彼の怒りを察して、ミランダが上目遣いで彼を見る。
 と、彼は極度に感情を押し殺したような、抑揚のない声音で、ミランダに語りかけた。
 「リナリーは・・・物心つかないうちに・・・ここに連れて来られた・・・・・・。
 たくさん・・・辛い目に遭って・・・一時は気が・・・気が触れた・・・・・・。
 コムイがこなければ・・・あの子は・・・きっとあのまま・・・死んでいた・・・・・・」
 息を飲んだミランダに、ヘブラスカはやや口調を和らげて続ける。
 「アレンも・・・・・・私は・・・あの子の事は・・・よく知らないが・・・あの手・・・・・・。
 生まれながら・・・戦うさだめを負った子・・・・・・。
 彼もまた・・・・・・自らの意志によらず・・・運命の御手によって・・・渦中に入れられた子・・・・・・。
 しかし・・・あの子達は・・・・・・戦うさだめを受け容れ・・・・・・覚悟を持って・・・生きている・・・・・・。
 ミランダ・ロットー・・・・・・お前は・・・・・・・・・・・・?」
 「私・・・は・・・・・・」
 ヘブラスカの手の上で、ミランダは、涙に濡れた顔を俯けた。
 「私は・・・・・・」
 ―――― ぐずで、不器用で、役立たずだと、言われ続けていた・・・。
 『ありがとう』だなんて、言われた事がなかった・・・。
 そんな私が、初めて役に立てた・・・。
 認められたことが嬉しくて、受け容れられた事が嬉しくて、私は、自らこの教団に来て、エクソシストとなることを誓ったのに・・・。
 「ごめんなさい・・・・・・・・・」
 自らエクソシストになるのだと決めた私が、言って良い事ではなかった・・・。
 戦いに引き込まれた彼らを、侮辱する言葉だ・・・・・・。
 「ごめんなさい、ヘブラスカ・・・・・・!」
 もう捨てたと思っていた、後ろ向きな自分・・・だけど、本質は全然変わっていなかった。
 自信がなくて、何もできないと決め付けて・・・また、役立たずに戻るところだった・・・。
 「いや・・・無理も・・・ない・・・・・・。
 人として・・・死を恐れる事は・・・当然・・・・・・」
 しかし、と、ヘブラスカは、ミランダに微笑みかけた。
 「だからこそ・・・お前は強い・・・・・・。
 死を恐れぬ者には・・・勝って生き残る・・・覚悟は宿らない・・・・・・」
 ミランダの額に、ヘブラスカの額が当てられる。
 「ミランダ・ロットー・・・神の使徒よ・・・・・・。
 汝の側に・・・神のご加護のあらんことを・・・・・・無事に・・・帰っておいで・・・・・・」
 「はい・・・・・・」
 ミランダには、厳かな神の加護よりも、『無事に帰っておいで』という、ヘブラスカの言葉の方が胸に染みた。
 「必ず・・・・・・」
 恐怖は未だ、彼女の胸にある。
 それはきっと、エクソシストの誰もが持っているもので、到底、克服できるものではない。
 だが、無理にねじ伏せる必要はないと、諭してくれたヘブラスカを、ミランダはまっすぐに見ることができた。
 「戦って・・・生きてここに帰ってきます」


 その後、涙に濡れた顔を洗って、再び科学班を訪れたミランダは、リーバーと話をするコムイの傍らに立った。
 「私にも、お仕事をいただけますか、コムイさん?」
 「ミランダさん・・・」
 深刻な話をしていたのだろう、眉間に皺を寄せたままの顔を向けた二人に、ミランダは、あえて微笑む。
 「戦力は、多い方がいいでしょう?中国に行かせて下さい」
 「でも、あなたはまだ・・・!」
 声を上げるリーバーを目で制して、ミランダは、コムイに視線を戻した。
 「訓練は終えました。
 私はもう、ヘブラスカの認めたエクソシストです。お役に立たせてください」
 にこりと笑うと、コムイは無表情に頷く。
 「お願いします」
 「お任せ下さい」
 短く応答して、ミランダは踵を返した。
 「あ・・・そうそう」
 顔だけ振り向いて、ミランダはコムイを見遣る。
 「リナリーちゃん、帰って来たらきっと、お兄さんの冷たい態度に怒ることでしょうね」
 ぴく、と、震えた表情に、ミランダは笑みを深めた。
 「リナリーちゃんが帰って来るまでに、いい口実を考えておかなきゃ、ずっと口を利いてくれませんよ?」
 「それは・・・困ります。
 なんとか、機嫌を取っておいてくれませんか、ミランダさん・・・」
 微苦笑を浮かべたコムイに、ミランダは頷く。
 「私の弁護料は、高いですよ?」
 くすりと笑みを漏らして、ミランダは今度こそ背を向け、科学班を出て行った。
 と、
 「室長!ちょい外します!」
 慌てて彼女の後を追って行ったリーバーの背を黙って見送り、コムイは、苦笑を浮かべる。
 「あの子への言い訳か・・・悪夢なんか、見ている場合じゃないね・・・・・・」
 席に戻ったコムイは、ペンを取って、山積の書類に目を落とした。
 「リナリーが口を利いてくれないなんて、想像するだけでぞっとするよ」
 苦笑を深め、彼は、次々と書類にペンを走らせて行った。


 「ミランダさん!!」
 科学班を出て、しばらく行った所で呼び止められ、ミランダは足を止めた。
 彼女を追ってきたリーバーは、蒼ざめた顔をしかめ、小声で囁く。
 「訓練が終わったって・・・まだ、一月も経ってないのに?!」
 「えぇ。ヘブラスカにも、もう立派なエクソシストだって言われました」
 「そんな・・・」
 馬鹿な、と言う言葉を、リーバーは飲み込んだ。
 適合率を上げる訓練には個人差があり、長ければいいと言うものではない。
 中には、クロウリーのように、即戦力となる者もいる。
 しかしミランダは、リーバーの知る限り、イノセンスを使いこなせるだけの力は未だ、足りていないはずだった。
 そんな状態で、戦いに赴く事は危険すぎる・・・!
 「怖く・・・ないんですか・・・・・・?」
 つい漏らした言葉に、リーバーはうろたえた。
 「すっ・・・すみません!!」
 慌てて頭を下げたリーバーの胸に、とん、と、ミランダが額を当てた。
 「怖いですよ・・・・・・」
 その声は細く、震えていて・・・思わず彼女の背に手を回したリーバーは、その細い体が小刻みに震えている事に気づいて、更にうろたえた。
 「あは・・・コ・・・コムイさんの・・・前では・・・が・・・がんばったのに・・・・・・平気なふりを・・・・・・」
 ぶるぶると震える手が、リーバーの白衣を握る。
 「ミランダさん・・・」
 抱き寄せると、リーバーの腕の中で、ミランダは更に激しく震えた。
 「帰ってきてください・・・!絶対に・・・生きて・・・・・・!!」
 その声は、リナリーに向けた、慈愛と祈りに満ちたものよりも熱く、感情的で、彼の胸に頬を寄せるミランダには、その振動ごと刻まれた。
 「えぇ、きっと・・・・・・」
 リーバーの鼓動を感じているうちに、ミランダの震えも治まっていく。
 「私は臆病ですから、無茶なんてできませんもの・・・。きっと、生きて帰りますよ・・・・・・」
 「はい・・・」
 「だから・・・もうしばらく、こうしていてもらえますか・・・?震えが止まるまで・・・・・・」
 「はい・・・・・・」
 そのまま二人は、一つの影となって、長い間寄り添っていた。


 ―――― ボクは、心底怯え、嘆いていた。
 あの子の冷たい目、冷たい態度―――― 口も利いてくれず、ボクから離れて行く。
 その上、あろうことかボクの目の前で、あんのクソ生意気なマセガキと・・・・・・!

 「しつちょーぅ。リナリーが、アレンと結婚するそうですよ」

 「あのクソガキ――――――――――――――――――!!!!」
 絶叫して目覚めたコムイに、次々と書類が差し出される。
 「おはよーございます、室長。報告書来ましたんで、目を通してください」
 「え?!リナリーは?!アレン君は??!!」
 「まだ帰ってませんってば」
 「わぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!ものすごく怖い夢だったよー!!!!」
 三十路近い男が、大声を上げて泣く様を軽々と無視して、研究員達は次々と決裁待ちの書類を積み重ねて行った。
 「どんな夢だったんすか?」
 書類を出すついでに、興味なさげに問うたリーバーに、コムイはしゃくりあげながら縋る。
 「ボクがリナリーに嫌われた上、アレン君があの子をお嫁にもらっちゃう夢・・・!!」
 悪夢だ、と、泣き喚くコムイに、リーバーは濃い隈で彩られた目を向け、コムイのポケットにしまってあった薬瓶を取り上げた。
 「じゃあ、これはもういらないっすね。俺がいただきます」
 「えー・・・?リーバー君も不眠症?」
 涙に濡れた顔を上げて問うコムイに、リーバーはうなだれるように頷く。
 「・・・リリスが俺を苛むんで・・・・・・」
 げっそりとやつれた顔を俯けたまま、リーバーは踵を返した。
 「ちょい・・・仮眠もらうっす・・・・・・」
 倒れそうなほど、ふらふらとよろけながらソファに向かうリーバーにを、コムイは気の毒そうに見遣った。
 「リーバー君・・・胃潰瘍だけでも死にそうなのに・・・・・・」
 コムイはそう呟くと、睡眠薬を飲み込んで、はかなくソファに倒れこんだリーバーの代わりに、自らの戦いにのめり込んで行った。





Fin.

 










このお話は、第52夜の『リナリーを叱り付けるコムイ』に驚いて、その男前っぷりを書いてやろうじゃないかと思っていた頃、通勤電車の中で見た夢が冒頭になっています(笑)
リナのボタンを持って嘆くシーンは、夢をそのまま文章化したものです。
あぁ、なんて便利な私の夢v(変な奴・・・)
溺愛している妹が、骸になって帰ってくる悪夢に悩まされるコムイとか、戦いに赴く直前のミランダの恐怖とかは、ずっと書きたいと思っていたことでした。
ミランダのエピソードは、捏造ではありますが、アクマとは全く関係のない生活をしていた一般市民の彼女が、一度イノセンスを発動したからと言って、そう簡単に覚悟を決められるとは思えないし、教団に所属する一般研究員たちの弁護もしてあげたかったので、かなり長くなってしまいましたね;;;
当初の予定では、リバミラ話に持っていくはずではなかったのですが、第57夜でミランダさん合流となってしまったため、お別れシーンは入れねば!と、決意した次第(笑)
ちなみに、悪夢を祓うおまじないは、ミランダには効かないかと・・・。
夢魔に関する情報は、セクシー過ぎるので割愛です(笑)












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