† Perfect Blue †







 どちらを向いても海、海、海。
 空と雲の他には、見事な曲線を描く水平線以外の何も見えない場所。
 そんな、目の奥まで青く染まってしまいそうな景色に、リナリーは目を細め、甲板に置いてもらった椅子の上で、弱った脚をブラブラと子供のように揺らした。
 昨夜の―――― もう、遠い昔のような気もするが、レベル3のアクマ、エシとの死闘を勝ち抜いたリナリーのダメージは大きく、ミランダのイノセンスで時間制御をされた船の中にあってさえ、未だ自力では歩けずにいる。
 時間制御が解かれた瞬間に降りかかるだろう、膨大なダメージを思えば気が滅入ったが・・・それでも、命を失わなかっただけ儲けものだ。
 江戸に着いてからの諸問題は頭からどけて、今はのんびりしていよう・・・そう決めて、リナリーは昨夜の死闘が嘘のように凪いだ海を眺めていた。
 そんな時、
 「リナリーちゃん、甲板にいて平気なの?休んでいた方が良くない?」
 気遣わしげな声に振り向けば、ミランダが、いつも以上に青白い顔を、船室からのぞかせていた。
 「私は平気・・・ううん。日向ぼっこしていた方が、気持ちいいの」
 そう言うと、ミランダは、日陰からはかない微笑みを返す。
 「ミランダこそ・・・大丈夫?ずっと寝てないんでしょ?」
 「えぇ・・・・・・」
 彼女がイノセンスの発動を解けば、損傷したこの船ごと沈んでしまう。
 ために、彼女はどんなに疲れていても、江戸に着くまでの間は眠ることすらできないのだ。
 疲れた身体に海の日差しは辛いのか、日陰に沿ってふらふらと、ミランダはリナリーに歩み寄った。
 「ふぅ・・・・・・」
 少し歩いただけなのに、ひどく憔悴した様子で、ミランダはリナリーから少し離れた日陰に佇む。
 「あぁ・・・いい風。
 寝ちゃわないようにしないと」
 「うん・・・そうだね」
 冗談口調のミランダに、クスリと笑って、リナリーはまた、脚をブラブラと揺らした。
 陽光を浴びつつ、そうしていると、酷使のあまり固まってしまった脚も徐々にほぐれて、滞っていた血が巡っていくようだ。
 「ねぇ・・・ミランダ。
 私、昨日まで何も考えられなくて、言うの忘れてたけど・・・・・・」
 「なに?」
 首を傾げたミランダに、リナリーは、にこりと笑った。
 「エクソシスト昇格、おめでとう。
 そして、私達を助けてくれて、ありがとう」
 すると、青白かったミランダの頬が、見る見る紅潮していく。
 「そんな・・・私なんて・・・・・・」
 「ミランダがいてくれたから、私は今、こうして動けるんだよ。
 今も、あなたががんばってくれてるから、この船も沈まず、進んでいるんだし」
 「で・・・でも・・・・・・。
 発動が解ければ、返って来る傷は・・・・・・」
 先のことを思い、消沈するミランダに、リナリーは慌てて話題を変えた。
 「そ・・・それより、本部はどう?みんな、元・・・・・・」
 元気か、と、問いかけて、リナリーは口をつぐんだ。
 今、本部の礼拝堂が、多くの棺と、多くの悲しみに満たされていることを思い出したのだ。
 「ごめんなさい・・・・・・」
 「え・・・?あぁっ!リ・・・リナリーちゃん!!そんな・・・・・・!!」
 うな垂れたリナリーに、今度はミランダが慌てふためく。
 救いの手を求めて、おろおろと周りを見回した目の端に、黒い人影が写った。
 「ク・・・クロウリーさんも日向ぼっこですかぁっ?!」
 裏返った声で、必死に呼びかけると、彼は、不思議そうな顔をミランダたちに向ける。
 「いや?私は通りがかっただけ・・・・・・ではなくっ!
 そうであるっ!日向ぼっこしに来たのである!!」
 逃げたら呪いますよ、と言わんばかりの形相でミランダに睨まれ、怯えたクロウリーが、ビクビクと歩み寄ってきた。
 と、
 「日向ぼっこ?クロウリーが?」
 クスリと、笑みを漏らしたリナリーを、クロウリーは軽くねめつける。
 「私は吸血鬼ではない!陽の下にだって、出られるのであ・・・あちちっ!!」
 中天からまっ逆さまに降り注ぐ、強烈な陽光にあてられたクロウリーは、慌てて元いた日陰に避難した。
 「なっ・・・!なんであるか、この日差しは!!」
 悲鳴を上げて、日陰に縮こまってしまったクロウリーに、リナリーはクスクスと笑みを漏らす。
 「だってこの船は、暖流に乗っちゃったのよ?日差しが熱いのは当たり前だよ」
 「し・・・しかし!私が知っている太陽は・・・!!」
 雪深い山岳地帯の太陽は、地表に灼熱などもたらしはしない。
 冬には、厚い雪雲に遮られてはいても、姿を現せばふわふわとして暖かく、穏やかなものだ。
 そう・・・今、彼の目の前にあるような、熱く照り付けて海面を青く輝かせる太陽など、知らない―――― 同じものだとは、信じられない。
 そう言うと、リナリーは軽やかな笑声を上げた――――・・・彼女に明るさが戻り、ミランダは、胸の奥からほっと吐息する。
 「ロンドンの太陽も、同じようなものよ。
 ずーっとスモッグが立ち込めてて、イヤになっちゃうよ。
 それに比べたら・・・・・・」
 言いつつ、リナリーは視界を空色で満たし、潮風を胸いっぱいに吸い込んだ。
 「熱いのなんて、平気。
 むしろ、身体の中の毒が消えていくみたい」
 「そうね・・・」
 リナリーの言葉に誘われるように、ミランダは、日差しの中へ細い手を差し出し、暖を取るように広げた。
 「気持ちいい・・・・・・」
 唇に微笑を浮かべると、ミランダは、ぺたりと甲板に座り込む。
 「・・・?
 ミランダ、椅子を持ってくるであるか?」
 クロウリーの申し出に、しかし、ミランダは慌てて手を振った。
 「いいい・・・いいえ!!お構いなく!
 気持ちよくて、寝ちゃったら大変ですから!!」
 「はぁ・・・・・・」
 いいのだろうか、と、リナリーを見遣ると、彼女も苦笑を返す。
 「今、ミランダが寝ちゃったら、大変だよ?」
 「そう・・・であるな・・・・・・」
 ミランダのイノセンスが発動を解いた途端、確実に起こる事態を思い、クロウリーは身を震わせた。
 「し・・・しかしミランダ、さすがに今は、辛いのではないか?
 昨夜の戦闘は、かなり堪えただろうに」
 「えぇ・・・でも・・・・・・」
 と、ミランダは、気遣わしげな目でリナリーを見上げ、淡く微笑んだ。
 「リナリーちゃんや、致命傷を負った人たちに比べたら、私の受けたダメージなんか、平気です・・・」
 「そんなの、比べられるものじゃないよ・・・」
 同じ戦場に身を置いている以上、誰一人、安泰な者などいない。
 誰のダメージが最も大きいか、など、比べるだけ無意味だ。
 「そうかも知れぬな・・・だが、この船には、時が戻った瞬間に、死を迎える者達もいる・・・・・・。
 今、彼らがどのような思いでいるかと思うと、やはり胸のふさがる思いであるよ・・・・・・」
 「そう・・・ですね・・・・・・」
 身を挺して自分を守ってくれた船員達のことを思い、ミランダも深く吐息する。
 しんみりとした陰の中から、ふと、明るい景色に目を向けたクロウリーは、『しかし・・・』と、呟いた。
 「確実に死に向かう旅路に、恐怖がないとは言えぬであろうが・・・想いを整理する時間がある、とも言い換えられるのだな・・・」
 妙にしみじみとした彼の言葉に、リナリーとミランダは顔を見合わせると、たちまち目を輝かせて、クロウリーに詰め寄った。
 「ね!クロウリー!」
 「エリアーデさんって、どんな方だったんですか?」
 「んなぁぁぁっ?!」
 突然の質問に、クロウリーは激しく動揺する。
 「なななななっ・・・!!
 なんでそのようなことを聞くであるか?!」
 「だって今、彼女のことを考えてたんでしょ?」
 「よく・・・寝言でも名前を呼んでいますし」
 「なにぃぃぃぃぃぃ――――――――?!」
 真っ赤になって絶叫するクロウリーに、二人は更に目を輝かせて詰め寄った。
 「ねぇねぇ!キレイな人だったんでしょ?」
 「そんなに想っているなんて・・・よほど素敵な方だったんですねぇ」
 「う・・・うむ・・・・・・」
 二人の問いかけに、クロウリーは顔を真っ赤にして頷く。
 「エリアーデは・・・とても美しい人であった・・・・・・。
 暗く、寒々しかった我が城に、初めて灯った光のような人であったよ」
 「まぁ・・・・・・!」
 クロウリーの言葉に、リナリーとミランダはうっとりと頬を染め、聞き入った。
 「陽光のような・・・あぁ、もちろん、このように強い太陽ではなく、我が領地に降り注ぐ、柔らかい日差しのような金の髪と、雪のように白い肌、凍った湖のように淡い瞳・・・・・・。
 彼女が向ける微笑に、私は、いつもうっとりと見惚れていたものである・・・・・・」
 「素敵・・・っ!」
 物語のような話に、リナリーもミランダも、両手を組み合わせて聞き惚れる。
 「でも・・・・・・」
 「その人、アクマ・・・だったのよね・・・・・・」
 ラビから聞いた、と、気まずげに口にした二人に、クロウリーは微苦笑を浮かべて頷いた。
 「そう・・・大輪のバラのように美しかったあの人は、まさに、鋭い棘を持っていたのである・・・・・・」
 外界から拒まれ、暗い城の中に閉じこもっていた彼・・・いや、むしろ、傷つくことを恐れ、外界を拒んでいた彼に、外の世界を示し、厳しい言葉の刃で、クロウリーに絡みつく、過去の呪縛を切り裂いた女・・・・・・。
 「最期は・・・互いに、酷い言葉の応酬を・・・・・・。
 だが、私は信じているのであるよ・・・・・・。
 命を賭けて、戦っていた時ですら、私達はあ・・・あ・あ・あ・あ・・・・・・!!」
 真っ赤になって、言葉を失ったクロウリーに、しかし、乙女二人は目を潤ませ、うっとりと感動に浸っていた。
 「それでも・・・!
 クロウリーはエリアーデを愛していたのねっ!!」
 「すごいわ!本当に物語りみたいだわっ!!」
 運命の人ね!と、はしゃいだ二人はキラキラとした視線を交わす。
 「素敵っ!!素敵ね、リナリーちゃん!!!」
 「うんっ!!私も、そんな風に想ってくれる人、いないかなぁ・・・・・・!」
 「はは・・・・・・」
 恋には夢見がちな乙女達の、物語の主人公にされてしまい、クロウリーは笑みを引きつらせた。
 「私のことはもういいであろう・・・?
 そろそろ船室に戻らせてもらうであるよ。
 こんな暑い所にずっといては、倒れてしまいそうである」
 「あ・・・じゃあ、私も。
 リナリーちゃんは?」
 「まだ、自力では動けぬのであろう?」
 二人に視線を向けられて、リナリーは、空を見上げた。
 真昼の太陽は熱気を増し、最早、暖かいとも言っていられないくらいだ。
 「私も・・・戻ろうかな・・・」
 熱射病になったら困る・・・と、苦笑するリナリーに、ミランダが笑って手を差し伸べた。
 「そうね。
 寒い大陸から、こんな暑いところに来ちゃったんですもの。身体が慣れるには、まだ時間がかかるわ」
 言いつつ、ミランダが日陰から出た瞬間――――!
 ギラリと照り付ける陽光に、ずっと暗い場所にいたミランダの目がくらんだ。
 「あ・・・・・・」
 目が回る・・・と、思ったのもつかの間、頭の芯がしびれ、ミランダはその場にうずくまる。
 「ミランダ?!」
 リナリーとクロウリーの、悲鳴じみた声が妙に遠く響き―――― ミランダの意識は、闇に沈んだ。
 「きゃあああ!!!ミランダー!!!!」
 リナリーは絶叫したが、駆け寄ろうにも、今の彼女は足が動かない。
 「ミランダ!!ミランダ、しっかりするであるぅぅぅ!!!」
 ミランダを抱き起こしたクロウリーが、必死に呼びかけるが、青を通り越して、蝋のように白くなった彼女の顔は、目を開けるどころか、ピクリとも動かない。
 「誰かっ!!誰か来てぇぇぇぇぇぇっ!!!」
 椅子の肘掛に腕を突っ張り、必死で声を上げるリナリーの身体が、自身の意志に寄らず傾いだ。
 「ふっ・・・ふふふっ・・・!!ふふふふふふ――――っっっ!!!!」
 奇妙に引きつった笑声のような声が、クロウリーの口から漏れる。
 「船が沈むである――――――――!!!!」
 「きゃああああ!!!ミランダ!!ミランダお願い!!起きてぇぇぇぇ!!!!」
 言う間にも、時を解放された船は、容赦なく傾いていく。
 どころか、
 「ぐほっ!!」
 ミランダの傍らで、クロウリーまでもが血を吐いて倒れた。
 「きゃああ!!!ブックマン!!ラビ――――!!」
 助けを呼ぼうにも、クロウリーがこの状態、ということは、重傷を負った彼らは、真っ先に倒れているに違いない。
 「アニタさぁぁぁぁぁぁんっ!!!!」
 絶叫しつつ、リナリーは、徐々に傾く甲板の上を椅子ごと滑っていく。
 「こんなピンチはいやぁぁぁぁ!!!」
 甲板の最後部まで滑り、椅子から放り出されたリナリーは、船べりの鉄柵に必死に掴まったまま、眼前に迫りくる真っ青な海面に向けて叫んだ。
 「コムイにいさぁぁぁぁん!!」
 危機に瀕して出てくるのは、やはり兄の名・・・。
 「あ・・・っ!ゴメンナサイ、神様!!」
 次点で、ようやく思い出した神に祈った時だった。
 青い水の中で光る、一対の目と目が合った。
 「あ・・・・・・」
 にやりと、それが笑みの容に歪んだ途端、リナリーの眼前にあった海面が、遠ざかっていく。
 「アクマ・・・ちゃん・・・・・・」
 平衡に戻った船の、甲板の上にぺたりと座り込んだまま、リナリーは、胸の奥底から安堵の息をついた。


 「ゴ・・・ゴゴゴ・・・ゴメンナサイィィィィッ!!!!」
 リナリーの悲鳴とただならぬ状況に、駆けつけたアニタとマホジャに保護され、ようやく意識を取り戻したミランダは、イノセンスを再発動するや、ガタガタと震えて泣き声を上げた。
 「いや・・・無理もない。
 おぬしは、ずっと寝ずに発動を続けていた上に、昨夜の戦闘にも耐えたのだからな」
 ブックマンがなだめるものの、すんなり聞き入れることができるほど、ミランダは豪胆ではない。
 「わ・・・わわ・・・私っ・・・!!!こんな時こそ、皆さんのお役に立たなきゃいけないのに・・・!
 ごめんなさいっ!!」
 顔を覆って泣き崩れるミランダに、皆が声を掛けかねる中、
 「十分、役に立っているであるよ、ミランダ」
 クロウリーが、ミランダの前に膝をつき、にこりと笑いかけた。
 「むしろ、あなたにばかり無理を強いて、悪いくらいである」
 同意を求め、ブックマンを見遣ると、彼も、深く頷いた。
 「私達は、昨夜の戦闘の後は、十分休むことができたが・・・ミランダ、おぬしはあの後さえも、一睡もしておらんのだろう?
 疲れて当然だ」
 「・・・・・・・・・っ」
 ミランダが、涙に濡れた顔を上げると、彼女を囲む面々は、彼女の健闘を称えるように微笑んでいた―――― 誰も、彼女を責める者などいない。
 「ごめんなさ・・・ううん・・・違いますね・・・・・・。
 みなさん、ありがとうございます・・・・・・」
 こんな私を、受け入れてくれて・・・・・・。
 ミランダが、深くこうべを垂れると、船室のドアが開き、陽気な声が掛かった。
 「礼を言うのはこっちさ、ミランダ♪
 このアクマ、十分船を支えられんだし、もうちょっと寝てても良かったんじゃね?」
 ラビが背中越しに指し示した先で、クロス元帥によって改造されたアクマが、得意げに笑う。
 「そうだっちょ!礼なら、オイラに言うっちょ!」
 船室に入りきれないため、外から窓越しに覗き込んで来る改造アクマに、ミランダはようやく笑みを漏らした。
 「はい・・・。
 ありがとうございました、アクマさん」
 「ちょー
 嬉しげに笑うアクマを、しかし、ラビは忌々しげに睨む。
 「調子に乗るんじゃないさ、お前!」
 「ふんっ!血反吐はいて甲板を這ってたJr.に、言われたくないっちょ!」
 「あっ!てめぇ!!余計なことを!!」
 改造アクマに槌を振りかざすラビへ、ブックマンの鋭い叱声が飛んだ。
 「ケンカするでないわ、小僧!!」
 「俺かよっ!!」
 「当然だっちょ!オイラは助けてやったんだっちょ?!」
 「・・・・・・・・・・・・ちっ!」
 ブックマンの加勢を得て、胸を張る改造アクマに反論かなわず、ラビは舌打ちしてそっぽを向く。
 「よほど・・・気が合わぬのであるな・・・・・・」
 「本当に・・・」
 呆れて呟くクロウリーに、ミランダも笑って頷いた。
 ようやく和んだ雰囲気に、リナリーもほっと吐息する。
 「じゃあミランダ・・・もうちょっと、がんばってね」
 「えぇ」
 きっぱりと頷いた彼女に、リナリーは笑みを浮かべ、ミランダを手招いた。
 「なに?」
 リナリーの側に寄ったミランダの耳に、リナリーはひそひそと囁く。
 「これだけがんばってるんだもの。リーバー班長も、鼻が高いと思うよ?」
 「んなぁっ?!なんでそこで・・・・・・っ!!」
 真っ赤になって悲鳴をあげるミランダを、皆が驚いて見やった。
 「リ・・・リナリーちゃんっ!」
 咎めるように睨んだものの・・・耳まで真っ赤になった顔では、迫力など欠片もない。
 リナリーは、いたずらが成功した子供のように楽しげに笑って、再び彼女を招きよせた。
 「なにっ・・・!」
 頬を膨らませ、紅い耳を寄せたミランダに、リナリーは囁きかける。
 「リーバー班長にとってのエリアーデ(運命の人)は、ミランダだよ、きっと」
 「・・・・・・・・・・・・っ!!」
 あまりのことに声を失い、湯気の出そうなくらい、真っ赤になったミランダを見て、リナリーはしてやったりと、小さく舌を出した。
 ―――― これで、ミランダは江戸まで眠れないわね
 ミランダの反応に、満足げに笑いながら、リナリーは子供のように脚をブラブラと揺らした。



Fin.

 










リク募集作品第2だーん♪
『ミランダ&クロウリー』でございます。
星野様休載につき、第75夜『メッセージ』以降、どうなることか、未だ不明のため、勝手に想像しちゃいまして、まことに申し訳ありません・・・;(謝るくらいなら最初から書くな;)
いただいたリクは、『ミランダ&クロウリーがおろおろしている話』だったのですが・・・なんか単に、二人が一緒にいるだけになった気が・・・;
リクエストされた方にご満足頂けたか不安です;
タイトルは、ラルクの曲名より★
最初は『DeepBlue』にしようと思ったんですけどね。動物系で(笑)












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