イベント商品のフィリピン行きペアチケットを獲得した龍之介と光章の二人は、フィリピン行きの飛行機に乗り込んだ。
しかし、なぜか愛想の悪い子供も一緒の三人旅。
一美の知り合いの子供・草太郎をフィリピンに行ってしまった父の元に送ることになったのだ。

機内。
高所恐怖症の龍之介は役立たずで、コミカルなアイマスクをつけて寝ている。
光章は草太郎が語る、父親の悪口を聞かされつづけていた。
そんな時。
他のツアー客で、空港のロビーで親しくなった女性・朝岡が、けたたましい声を上げて、自分のバッグがなくなったことを騒ぎ立てたのだった。

スチュワーデスが駆けつけ、騒ぎが大きくなるに至って、やっとアイマスクを外し、起き上がった龍之介に、わずかな期待を含んだ視線を投げる光章だったが、
『気持ち悪い・・・』
と、今にも吐きそうな龍之介を介護してラバトリーの扉を開けると、そこには女の死体が―――！！

コップの中に銀河を作る、龍之介の思いやりが暖かい一作。