科白劇 舞台 刀剣乱舞/灯
- 綺伝 いくさ世の徒花 -
改変 いくさ世の徒花の記憶






地方公演はすべて中止になり、開演するのかさえ危ぶまれた舞台。
こんなにも、日々を見守った舞台はありませんでした。
毎日ついったで、キャストは無事か、スタッフから罹患者は出なかったか、会場はまだ使えるのかと、チェックしつつ神経をとがらせ、ニュースでクラスタの報が出れば安否確認する日々でした。
そんな中、迎えた大千穐楽。
幕が開いたことに対して、こんなにも安堵したことはなかった。
それだけでもう、
です!
この幕を開けたキャスト、スタッフ、そして観客の皆に
誉!!

さて、闇り通路を思わせる闇の中、かがり火が灯って、
科白劇 舞台『刀剣乱舞/灯』 綺伝 いくさ世の徒花 改変 いくさ世の徒花の記憶
開始です!

お囃子?と思ったら、講談師登場。
あぁ、そうだった。
今回は、講談でした。
講談って、あんまり馴染みがないので、こうした形でもちゃんと観るのは初めて。
講談師・神田山緑氏による、現状の説明とこの舞台のコンセプト説明です。

開幕の後、男士達いきなり
内番衣装で登場とは!!
可愛いな!!!!
軍議部屋に集まった、
『ステ本丸の』男士達です。
歌仙が取り出したのは、別の本丸の
『慶長熊本』特命調査の戦績資料。
表題が
『記憶』になったのは、別の本丸の話だからなんですね。
『ステ本丸』と似通った内容のため、第三者目線で検証しよう、という筋で行きますよ、とのことです。
ちなみに、講談師は
『特殊な刀装・講男士』でした(笑)
状況説明が的確な、優秀な刀装です(笑)
むしろ
『好男子』(笑)

さて、古今と地蔵の先行調査から戦績資料の検証開始です。
戦闘は、時間遡行軍の動画と組み合わせですけど、違和感なし。
キリシタン大名たちまで出てくるので、
『え?今までの刀ステとなんか違いますっけ?』って感覚になる。
先行して、熊本城最奥に行った地蔵が扉を開けると、桔梗の花咲き乱れる空間にガラシャ様。
『私を斬りに来たの?』って、この時は何とも思ってなかったセリフだけど、後になってすごく重要だと気づく。
地蔵に合流した古今は、ガラシャを斬ろうとしますが、魅了されてしまった地蔵が古今を阻みます。
しかもガラシャと逃亡。
地蔵は忠興から明智光秀に渡ったとされる刀なので、彼女へ対する思いが深いのでしょう。

ここで、出てくるキリシタン大名の洗礼名を整理しましょう。
(細川のご隠居様提供@Twitter)

小西行長→アウグスティヌス
高山右近→ジュスト
黒田如水→ドン・シメオン
大友宗麟→ドン・フランシスコ
有馬晴信→ドン・プロタジオ
大村純忠→ドン・バルトロメオ
細川たま→細川ガラシャ


福岡在住なので、如水さん(官兵衛)のシメオンと、さすがにガラシャ様は知ってましたけど他はさっぱりだったので大変助かりました。
ご隠居様、ありがとうございます。
聖堂では、キリシタン大名が集って、今後の対策となります。
官兵衛の読みが深すぎて怖いよ;

一旦シーンは本丸に戻って、他本丸の戦績を読む歌仙です。
古今からの連絡が入り、他本丸の部隊が慶長熊本へ向かうことになります。
OP音楽かっこいい!!!
向かい合う歌仙とガラシャ、美しすぎかな!!

歌仙だからもっと雅かと思ったけど、OP曲は結構パレードっぽい。
末満さん情報ですが、本来の綺伝のために作詞作曲していたOPとEDは封印中だとか。
いずれ、本公演の時に出すとのこと。
楽しみしていますよ!
みんなで!コロナヌッ殺そうぜ!!


OP終わり、熊本城へ向かう他本丸歌仙隊長部隊一行。
熊本城下に入るつもりが、だいぶ離れた場所に着いてしまったようで、城下に入った頃には疲労困憊です。
これが、阿蘇に着いていたら蛍丸からお茶くらい出してもらっていたかもしれない(笑)
熊本は、市内以外にもいいところがいっぱいだよ!
温泉大国!!

ともあれ、誰に呼ばれたかはまだわかんないけど、行けばわかるとか、今更情報収集とか、なんかのんきだなwww
まぁ、歌仙は誰だか予想がついているので、のんきなんでしょうけど。
陽キャの獅子っ子が頼もしいです。
そんな中、同じく城下町にたどり着いた忠興さんぼろぼろ;
なにがあったのよ、って、一瞬ドン引きですよ。
『どこでガス爆発に巻き込まれたんだ?!』とか言われてた(笑)

一方、部隊は三つに分かれて、情報収集です。
ますはにっかりと歌仙。
キリシタンの巣窟になった城下。
敵の目的は、
キリシタン弾圧阻止と鎖国の阻止だと予想です。
ここで(ステ本丸の)にっかりが
『へし切長谷部にも意見を聞いて見ようか』と言いますけどね、歌仙、すかさず否定したでしょ。
これ・・・
細川が黒田をめっちゃ嫌ってる、ってのも一因じゃないかな、と。
この舞台では黒田官兵衛孝高ですけど、もっと通りの良い官兵衛で呼んでいいですかね。
私としては、一番通りがいいのは如水さんなんですけど。
じゃあ、如水さんで。←
えぇっと、今回、如水さんはキリシタン大名の一員としてこの場にいますけど、本来、
黒田と細川はごっさ仲悪いです。
筑前と肥後、という土地の関係性もあるだろうけど、細川の教えで、
『相手が無礼であっても、こちらは礼儀正しく接しなさい。ただし、黒田は除くって文書が残ってるそうですよ。
黒田は九州の諸大名どころか、博多の人間からも嫌われているので、どちらかと言えば歌仙の気持ちがわかる博多っ子であった・・・。
少なくとも、昭和生まれが死に絶えない限り、福岡市内の主要な場所、特に博多区内に、黒田の像が建つことはないし、そんな提案があったら私でも全力で反対する。
これだけは、ゲームも歴史上の人物の好き嫌いとか関係なく、
博多の誇りの問題だから。
福岡市内でも、城内とかゆかりの寺社の中に建てるとかだったら
『どうぞご勝手に。見に行かんけど』ってくらいですね。
『特命調査を先へと進めよう』
この世界の中心にいるのは、まずは小西行長が怪しいと推測。
キリシタン大名が支配する国なのだから、妥当かと思われます。
その時、城下で邂逅する歌仙と忠興。
この歌仙は、戦績資料を読んでいる歌仙なので忠興と気づきますが、本来の歌仙は、忠興のあまりの変わりように気づかなかったそうだ。

一方の長義と亀甲コンビ情報収集。
1587年から、この神の国は正史から分離したのだと。
長義は、この国の盟主がガラシャだとの情報を掴んでいました。
政府所属だった長義の情報収集能力は高い、ということかな。
そこへ、地蔵に連れ去られたガラシャを取り戻すべく、有馬晴信と大村純忠登場。
はいはいはい、って、いきり立つ彼らを納めた上、事情が分からないまでも
『僕達を襲えば、ガラシャは戻ってこないけどいいかな?』
なんて、懐に飛び込む戦術の亀甲、賢いな!
長義のはったりとそれを引き取って話を広げる亀甲、いいコンビです。
こんな亀甲なら、貞ちゃんは好きかもしれない(笑)
キリシタン大名の摂政との取次ぎを求める長義、
『汝隣人を愛せよ』なんて、有馬晴信をぶったたきますよ(笑)
『右の頬を打たれたら?』って、左の頬もはたいた上に、『汝らの信仰心に敬意を表する』って、酷いなwwww
目的を果たして、聖堂へと向かう二人の一方、獅子っ子と篭手切、飯食ってんのかwwwww
文久の特命のことをあらかじめ小烏丸に聞いていた獅子っ子。
ただし、詳しいことはあんまり教えてくれなかった模様。
獅子っ子のパパ上の真似、うまいなwww

そこへ、高山右近と小西行長登場。
彼らより、裏切った刀剣男士がいることを知らされます。
獅子王はしかし、彼らを
『いろんなものがまじりあってる』と見抜きますよ。
いつも鵺と一緒にいるために、その性質を見抜く目を持っているのかもしれない。
ガラシャの死を阻む歴史改変はなされたと語るキリシタン大名たちの元へ、忠興登場。右近に詰め寄ります。
一触即発の状況で、獅子王のんき(笑)
『閑話休題』が適切な使い方をされました(笑)
高山右近がきっかけでガラシャがキリシタンになったのだと、忠興はお怒りです。
更に忠興は、ガラシャを殺そうとしていると。
彼女を探しに向かった忠興を皆が追う中、歌仙とにっかりは熊本城へ。
ここは、歌仙の知る慶長の熊本城ではなく、江戸時代の熊本城です。
情景ですら、まじりあった鵺となっている。
城下であった男は忠興じゃないかといぶかる歌仙の元へ、古今登場。
『昔馴染みと歌でも詠もうかと』と、歌仙を誘う古今。
ここは原作と一緒ですね。
そこへ、古今が本隊との接触するのを待ち構えていた時間遡行軍出現。
殺陣は画像相手なのに、相変わらずのすばらしさ。
『わが剣閃、幽寂閑雅の調べなり』
講談師の状況説明も的確です。
二刀開眼出た!
時間遡行軍を排除した彼らへ、古今はガラシャが元凶だと知らせます。

場所変わって地蔵とガラシャ。
この国を作った元凶であるガラシャが、忠興への恨み言と歴史改編を語ります。
幽閉されていた時に時間遡行軍によって、史実を見せられた彼女は、細川へ戻されたのちに史実通り、家臣に殺されて死ぬはずだった。
その家臣は忠興に命じられていたと、わだかまりを持つ彼女に地蔵が懸命に釈明しますよ。
地蔵は忠興の刀でもあるので、忠興が彼女を手放さなかったのは愛だったからだと知っているんですよね。
なのに、ガラシャは信じてくれない。
しかも、地蔵は明智光秀の刀でもあったために、
『せめてこの世界でだけは、生きていてほしい』と願ってしまうんですね。
ガラシャは、生き永らえたからには信徒たちをパライソ(天国)へ導くと。
そのために高山右近らキリシタン大名が刀剣男士を打ち破り、彼らの協力で歴史改変を行ったと。
つまり、維伝の時と同じく、
別の本丸、もしくは同じ本丸の別時間軸で、敗れた男士達がいるということですね。
歴史を守るのが刀剣男士なのに、また、この歴史改変を止めるために敗れた刀剣男士がいると知ってなお、地蔵はガラシャを守りたいと思ってしまう。
持ち主の心や逸話を受け継いでしまう力というか能力というか、感受性のようなものが、地蔵は他の男士より強いのかもしれませんね。
それももしかしたら、ガラシャの美しさゆえかもしれない。
『美しさは、とかく人を狂わせる』という『人』に、地蔵はより近かった、もしくは、『たま(ガラシャ)』という人間に対して思い入れの深い二人の心を受けた結果なのかもしれません。
そんな地蔵に、ガラシャは
『他人のような気がしない、弟のよう』と、魅惑の笑みを向けてくれますよ。
これは、
落ちなきゃ嘘だ。
ゲームの時は、地蔵の方から
『姉上』って呼び始めたのかと思っていたけど、『姉上』と呼ぶように言うのはガラシャの方なのね。
しかも、
『呼ばないなら連れて逃げるのは諦めろ』って、脅迫www
めちゃくちゃ可愛いワガママで、
これは呼んじゃうよね!!!!
むしろ、
呼ばせていただいてよろしいのですか?!だよね!!
地蔵のデレシーン、可愛いぞ!!

さて、熊本城下聖堂の貴賓室に招かれた長義と亀甲。
病で亡くなった者まで生きていることに違和感です。
ホントに、歴史改変の範疇さえ超えている。
そこへ、摂政の宗麟と如水さん登場です。
『椅ー子ー!』って呼ばれて出てくる椅子(笑)
座り方さえ個性的です。
足を揃えて優雅な亀甲と、足を組んで傲慢な長義。
キリシタン大名相手に
どこまでも傲慢長義(笑)
ブレないwwww
この本丸の長義も
『酒は飲めない』のだそう。
キリシタン大名相手に丁々発止のやり取りです。
如水さんの読みが深くて怖いな!
状況把握能力が半端ない。
宗麟は好々爺として描かれていますが、領民にはめっちゃ嫌われてたって読んだけどな・・・。>キリスト教を強要したから。
椅子もって移動するシーンも中々に目に楽しいです。
彼らキリシタン大名が目指すのは、キリシタンの生きたいという思いと弾圧を失くしたいという願い、そして、結果としての文明を進めたいという目的でした。
宗麟自身には、それができるのなら刀剣男士と戦うつもりはなく、放置していてほしいけど、男士にとって改変された歴史は歴史ではなく、存在自体を許せないこと。
しかも、放棄された世界はどこにもたどり着けない。
愛を語る如水さんに、
『改変された歴史は歴史ではない』『歴史を守るのは正義ではなく本能』として、ガラシャを殺すと明言する長義と亀甲。
人でなしと呼ばれても、
『俺達は人ではない』と言い放つ長義、さすが。
そんな彼に対して、
『どの時代のわしも、侮ると手痛い目に遭うぞ』って、さすが如水さん。
刀ステでこんなに高度な交渉見たの、初めてだね(笑)
如水さんと対等に話せる長義と亀甲は、中々に頭脳派だと思われる。
しかも優雅に一礼して去る二振り、どんだけ豪胆か(笑)
決戦の火蓋は、こうして切って落とされた。

(ステ本丸)長義と亀甲は、このシーンに対して
『俺達の知る黒田孝高とは違う』との感想を述べ、講談師も『それは別の話』と、本編への期待を持たせてくれます。
この以上の頭脳戦が、展開されると言うのか・・・?!

(別本丸に戻り)小西行長が忠興の行方を追っています。
先に忠興を見つけたのは篭手切と獅子王、高山右近でした。
右近にガラシャを殺そうとする理由を問われた忠興は、彼女への恨み言を述べますよ。
忠興は、ガラシャがこの神の国を作ったために、太閤の怒りを買い、細川家は取り潰されたそうな。
高山右近はガラシャとの不義を疑われますけど、全否定。
うん、右近は
細川CP強火担だからな。
きっと同担拒否勢。
それ以上に
ガラシャ推し強火同担拒否忠興を、篭手切と獅子王が諫めます。
獅子っ子の見る歌仙は、風流と雅を愛する刀なんだな。
良かった、
取り澄ましたいけ好かない奴、って思われてなくて。←
そこへ今回、キリシタン勢にとっても刀剣男士にとっても邪魔しかしない時間遡行軍が現れて、またもや忠興逃走です。
いや、ホントにお前達、なにしに来てんの?
どっちからもウザがられてんじゃん・・・?
そのまま獅子っ子と篭手切は忠興を追いますよ。

一方の歌仙と古今。
歌仙は古今により、地蔵がガラシャを連れて逃げた経緯を知らされます。
忠興だけでなく、光秀の心も受け継ぐ地蔵は、ガラシャへの思いも強いのだろうとの予測に、
『刀剣男士を逸脱している』と言う歌仙ですが、では『ガラシャを斬れますか』という古今の問いに、口ごもってしまいますよ。
理性では、感情に引きずられてはいけないと言いつつ、自分の身に降りかかるとやはり、引きずられてしまうものなのかと。
長義だけでなく、歌仙も
『歴史を守るのが刀剣の本能』と語り、古今が地蔵を守りたい気持ちすら否定しようとしますけど、それがうまく行ったようには見えませんね。

さて、熊本城下のガラシャと地蔵へは、追手が迫ります。
キリシタンのガラシャと違って、地蔵は地蔵菩薩に祈るんだな。
神の国に地蔵菩薩の加護はあるのだろうか。
熊本城下を逃げる地蔵は、ガラシャを忠興の元へ送るつもりだったらしい。
つまり、
地蔵は忠興の現状など全く知らない、ということなんですね。
細川家お取り潰し情報くらいは、先行調査前でも知っていると思っていた。
ただし、取り潰されたとしても、細川家は代々の名門だし、幽斎(忠興の父)は、天皇が助命嘆願の勅使を送って命を救うくらいだから、ここまで落ちぶれるかというのはちょっと考えにくいんですよね。
だからむしろ、ここまで落ちぶれた忠興というのは、意外と
ガラシャの願望かもしれないと思ってしまう。
逆臣の娘として、離縁するだけならまだしも幽閉して、散々辛い目に遭わせてくれたのだから、
落ちぶれた姿くらい見せなさいよ、なんて思っていたのかも。
そんな忠興の所へ送ろうというのだから、
『主思いの刀ですね』というのは皮肉かな。
そこへまた、ちょっとした意地悪かな?
『私の刀になれ』と言うガラシャには、脊髄反射で『喜んで!』って言いそうなのに、頑張るぞ地蔵!
改変には手を貸すことはできないけど、姉上の女・・・いや、刀にはなっていいんじゃないかな!!
ちょっと意地悪しすぎたかな、って、
『蛇のような女でしょう?』と言うガラシャに、『姉上は花だ』って答える地蔵、天然ナンパ野郎。>言い方
いや、刀剣男士は歴史や逸話を元に生まれ、地蔵は明智光秀、忠興、ガラシャの心からなるのだから、そのうち忠興と光秀は、ガラシャを
『花』だと思っていたのでしょう。
ただ、ガラシャとしてはキリシタンの救済とうい大義よりも、自分のわだかまりを解きたい、と言う個人的な願いが先にあって、そんなことのためにキリシタン大名や門徒達を巻き込み、歴史改変までおこなってしまった、その執着はやはり蛇と呼ばれるにふさわしいのではないかと思ってしまうのですね。
その一方で、熊本城下でガラシャを救った地蔵を突き動かしたのは、忠興の心だと。
忠興はガラシャの死を望んではいないと語る地蔵。
しかし、完全にはガラシャの心を解かせず・・・。
二人はまたもや逃亡へ。

その頃、長義と亀甲は時間遡行軍と戦闘中です。
長義、まんばとほぼ同じ殺陣ですね。
亀甲が、斬った後にトン、と刀を叩くのは、血を振り落とすしぐさだそうです。
どの剣術にも共通するそうな。
一方で忠興と右近、篭手切、獅子王も追いかけっこ中です。
歌仙とにっかりへは、有馬晴信と大村純忠が迫ります。
時間遡行軍も一緒に・・・って、そうか、こっち陣営だったか。
ガラシャの元に集ったのに、ウザがられて如水さんに拾われた、って感じですね。
なんか気の毒・・・;

戦闘は講談師の語りが巧みで、素晴らしいシーンでした!
歌仙兼定が修羅のごとく敵を切り倒す!
風雲急を告げる熊本城下!

その中、忠興とガラシャ、城下での邂逅。
ガラシャのことが、愛おしくて憎くて気が狂いそうだと嘆く忠興。
すっかり落ちぶれた姿を見下ろしながら、嬉しそうに笑うガラシャは、やっぱりこの姿を見たかったのかな。
自分が憎いなら忠興の手で殺せばいいのに、家臣なんかに任せたことが許せないんですよね。
キリシタンとなったガラシャは自害できないから、死ななければならないなら、せめて自分が愛し、自分を愛してくれた忠興に殺されたいのに、それができないなんて、
この口だけの意気地なしが!って叫びたくなる気持ち、わかる。
普段、大口を叩くならそれだけのことを実際にやって見せろ、の心持。
しかし今、手の届く場所にいるのだから、ここで忠興に斬られるなら本望、と言うガラシャを忠興は斬れず、忠興の方が高山右近によって斬られてしまいました。
右近、邪魔すんなし!!!!
右近って、推しカプだめにされてキレてるヲタクだよな。>言い方。
壮絶な
『解釈違いです!!』だもん。
ここで忠興に斬られていれば、もしかしたらこの歪んだ時代のガラシャは浄化されて、神の国は消滅し、無事に特命調査は終了したのかもしれない。
しかし、忠興が斬られてしまったために、ガラシャの心はわだかまったまま、更には
『愛する人を憎んだ』と言う、キリシタンにとっては許されない罪を負ったまま、その許しを与えられる人をも失ってしまった。
それゆえの、闇落ちです。
衣装チェンジくらいなら、その場でできそうなのに、と思ったのだけど、難しい事情があったのかな。
闇落ちしたガラシャに、
『どんな姿になろうと、心のままにお守りする。地獄であろうと共に行く』という地蔵を伴って、地獄へ。

ガラシャ達が消えたのち、駆けつける男士達。
斬られて息絶える寸前の忠興に、歌仙は愕然とします。
しかし忠興は、ガラシャを斬る前に自分を斬ってくれた右近に感謝です。
落ちぶれたまま、息絶える忠興の姿を見て、
『こんな死に方、貴殿らしくない。雅ではない』って、歌仙らしい嘆き方でした。

城下の聖堂では、如水さんと宗麟が現況を話し合います。
宗麟が報告する内容を、
『知っているというより覚えている』と言う如水さん。
特命調査で現れる改変された世界とはつまり、行き場を失くした時間で、1本の線を何度もなぞるように繰り返すものだそう。
その、何度もなぞられた時間で起こったことを、彼は覚えている。
つまり、
虚伝から悲伝までの時間を繰り返した三日月よりも、小さな円環を巡っている、ということか。
三日月もすべての記憶を持っているようだけど、この如水さんは、同じ時間軸を繰り返すうちに、経験した記憶や経験していない記憶も交じるようになったという。
きっかけは、別時間軸(ジョ伝)の記憶を認識したことだという如水さん、
どんな頭してるんだ。
かつてどこかの時間軸にいた官兵衛の記憶が混ざり込んだ、って、さらっと言ってくれますけど、普通の頭だと、
『なんか変な夢見たなー』くらいで終了じゃありません?
なぜ気づく?!
『刀剣男士は勝つまで時間を繰り返す、ならば時を超えた調略で彼らを打ち滅ぼす』
って、
怖いよ!この人、人間じゃないよ!!
むしろ、
この人が歴史修正主義者かなんかだよ!!

場面変わって、歌仙によるガラシャ語り。
後世のキリシタンたちの言、と言いながら、歌仙がガラシャを自慢している風にも聞こえる(笑)
曰く、
『天性の(天姿)国色、容貌の美麗比喩なく、精神活発、鋭敏、果決、心情高尚にして才知卓越せり』
わかりやすく言うと、
『生まれつきの絶世の美女にして、その美しさは他に比べるものなく、生き生きとして、才知鋭く、決断も早い。その心根は気高く、その才能は群を抜いている』
と言う、これ以上ないほどの誉め言葉です。
歌仙の人見知り設定は公式だけど、思うに、感情をそのまま言葉にすることは雅じゃないし、自然や道具に対してならともかく、人をほめそやすことについて照れがあるから、自分から手放しでほめることはしないんですよ。
でもこの場合、言ってるのは自分じゃなくて、後世のキリシタン、と言うクッションを置くことで、自分が言いたかったことを思う存分言ってるんじゃないかな。
つまり、
素直じゃないんだよ、こいつは(笑)
そういうとこやぞ、歌仙(笑)
手放しでは褒めないけど、
『好き』の感情は『しのぶれど 色に出にけり』で、結構わかりやすい(笑)
美しい子守歌を歌うガラシャの周りで、キャッキャウフフしてるし(笑)
実は歌仙、めっちゃガラシャ様推しですよ(笑)
『たま様に似ているが、見ようによっては三斎様に似ていないこともない』って、思わず夫婦に口出しするくらい、思い入れが強いんだな。
こうやって歌仙が、細川夫妻の子供をとても嬉しそうに見守っているのは、刀が家の守りだからかな。
子孫繁栄とてもめでたい、これからは僕が君を守るからね、って見守ってるのかな。
しかし幸せは一転、本能寺の変をきっかけに、忠興はガラシャを幽閉します。
『離縁しても、手の届くところに置いておきたかったんだ』って歌仙の呼びかけは、二人には届かない。
家を守る刀としては、壊れていく夫妻を前に、
『差し出がましいことを』と引くことは辛かっただろうな。
ちなみに洗礼前のガラシャもかなり気が強かったそう。
ここでも語られますが、たま(ガラシャ)に見惚れた庭師を斬り殺した忠興が、血まみれの刀をたまの着物で拭っても、顔色一つ変えなかったそうな。
その様を
『蛇のような女』と言われて、『鬼の妻には蛇がふさわしいでしょう』と言い返した、と言うのは有名な逸話。
『血染めの着物など、風流ではないね・・・。風流・・・ではない』
と呟く歌仙。
このセリフ、義伝でも言ってた。

歌仙の語りが終わって、熊本城下の宿。
忠興のことを思って、しんみりする歌仙を、にっかりと篭手切が気遣ってくれます。
にっかり、
『宿の女将が風呂を沸かしてくれたそうだ』って、熊本なのに?!
熊本なのに?!
あ、でも・・・市内には温泉って、わざわざ引かないとなかったかな。
宿だから、温泉くらいあると思ってたけど、そうだ、この子達、刀だ。
泉質によっては、本体が傷んでしまうね。
ともあれ、気遣ってもらってるのに、無用だと意地を張る歌仙。
ここで、この部隊が第三部隊だと判明。
まんばが第一部隊、維伝のむっちゃんが第二部隊、別本丸だけど歌仙が第三部隊なら、第四部隊はとうとう!
蜂須賀顕現でしょうか!
まぁ・・・ハッチ出てくるなら、長曽祢もいないとあれなので、ハッチの特命はまだ先なのかなぁとは思いますけどね。
閑話休題。
篭手切より、城下から時間遡行軍の気配が消え、城内に集まっているとの報告を受け、敵が何かを企んでいると察します。
じゃあ、情報収集しようね!ってなるはずなのに・・・うん、さすが、気の短さは本丸一(笑)
先手必勝!あいつら任務の邪魔だから、仕掛けられる前にこっちから城へ攻め込んで殺ってしまおう
、って、我が本丸の歌仙も同じこと言うと思うよ!(解釈一致)
ただ、攻め込むのは熊本城・・・よね・・・。
あのね・・・。
ゲームでも舞台でも、気軽ーに攻め入って、闇り通路通って本丸御殿に行ってますけどね・・・。
本当にあの城に籠城されたら、
門前で全員殺されてます。(真顔)
天守(天守閣、は俗称)ってのは一番大きな物見やぐらだと思ってくれていいんですけど、熊本城には大天守だけでなく小天守他、大きな櫓(やぐら)がたくさんありまして、時間遡行軍クラスの戦力があれば、そのすべてに兵を配置することが可能。
6振り+古今程度の戦力では、まず、
闇り通路にはいることすらできません。
まぁ、そうなると話が進まないので、行ってもらいますけどね。
キリシタン大名たちが
『刀剣男士を倒して神の国を築いた』のはもしかしたら、熊本城の力が大きいかもね。
なんたって、作ったのは細川じゃなく、加藤清正だから。
江戸時代、荒れ果てていた熊本城を復興させたのは細川なんですけど、それでも、基礎はせいしょこさんなので、
この多勢に攻め込むのは正気ではないとだけ言っておく。
ともあれ、まんばちゃんも苦労した、
『自由気ままな刀剣男士たちに困る隊長』の役目を、歌仙も担います(笑)
困って怒るまんばちゃんと違って、余裕ぶって
『誉は僕が頂く』と言ってしまうのは、歌仙本人も自由気質だからだろうな(笑)
あんまりきっちりとしてない、それぞれが自由に動きつつも各刃の能力が高いから、自然とまとまる。
歌仙の隊は、支流を集めて海へと向かう川の流れのような隊なのかもしれない。
自由な支流の一つであるにっかりが去ると、同じ細川の刀である篭手切が、この時間軸で落ちぶれて殺された忠興に、歌仙が幻滅したんじゃないかと心配です。
篭手切が必死に忠興を追いかけていたのは、あの姿の忠興を歌仙に会わせたくなかったんだね。
でも歌仙は、
『三斎様は元からああいうお方だ』と、表面上は気に留めませんよ。
多面的な人だったんだな、忠興は。
その性質を受け継ぐ歌仙は、落ちぶれた姿に驚きはしたけれど、こんな状況だったらあの姿になるのもわかる、って察したのかな。
『美しさは、とかく人を狂わせる』と、それがガラシャのせいだと言いつつも、『放棄された世界の忠興も忠興』と言う篭手切に頷きますよ。
そんな篭手切、勝鬨の歌を歌って踊って歌仙を引かせますよwww
歌仙も鼻歌歌ってしまっているwww可愛いwww

一方、夜の熊本城下には政府顕現同士。
歴史を守るのが刀剣の本能なのに、逸脱している地蔵を訝しむ長義。
場合によっては斬ると言う彼に、
『地蔵を斬らせるわけには行かない』と答える古今。
一触即発か?!と思いきや、冷静な長義と本心を見せない古今だけに、激昂することもなく。
口げんかにすらならない前に、獅子っ子と亀甲登場です。
獅子王は平安刀として、この隊では一番年上だし、鵺とも共にあるから、この時間軸の違和感を一番肌で感じている模様。
亀甲も、こちらは頭脳派を担っているのかな。
正史から外れた時間軸とはいえ、意味なく改変されるわけがないのに、謎が多いと訝ります。
行動と目的がちぐはぐで動機に必然性がなく、歴史改変そのものが破綻している。
更にキリシタンたちは、鵺のように交じっている。
史実や諸説が生んだ鵺。
つまりこの、放棄された世界は実験場ではないかと推察する長義。
その実験を行っている者は、さらなる歴史改変を目論む者か、円環を作り出した者か。
いや、それは意図してではなく、
『作り出してしまった』ものかもしれないけど、この『慶長熊本』を実験場としてなにかを企んでいる者がいる。
長義が突然笑い出したのは、政府顕現の監査官として、彼だけが持っている情報があるのかもしれない。
ひとまず、
この時間軸は壊そうと決定です。

一方の地蔵とガラシャ。
神姿となったガラシャ様が・・・
トート閣下・・・!!!!(ミュージカル・エリザベート)
衣装の装飾、胸も肩も蛇モチーフなんだね!
めっちゃかっこいいですやん!!!!!!!!!!!!!
『ガラシャの女になる』理解!!!!!!!

地蔵は
『ガラシャの女』第一号だな。
『人ではなくなった』ガラシャ様は、時間遡行軍が集まっていることを感じ取ります。
その上で、
『イン・ヘルノへ連れて行くというのなら、お前が私を殺せ』と言われても、地蔵にできるわけがない。
すっかり魅了されてるし。>そういう問題じゃねぇ。
ガラシャ様は、時間遡行軍とはとうに袂を分かったようで、この時間軸を終わらせ、捕らわれたキリシタンたちを解放すると決意です。
なるほど、これが
『果決』(決断が速い)と言うものか。
地蔵に連れ去られてからこの時まで、長くても三日程度だと思うんですけど、仕入れた情報を都度更新して、次の行動を決めている。
これは、行動に一貫性がないのではなく、情報を仕入れた時点で良いと思った方法を採って行ってるのですね。
神姿になってからは、より情報を仕入れやすくなったので、決断が更に早くなったのでしょう。
しかも、ガラシャ様はとうに死を決意しているのに、地蔵はこの期に及んで
『生きてほしい』と願う。
それはきっと、忠興や光秀の心なんでしょうけど、ガラシャ様は気づいていないふりをしているのか、認めてくれないのが悲しいですね。

その頃、聖堂に集まったキリシタン大名たちも神姿になっていました。
ここはベルサイユかwww
この姿はガラシャ様の願いの表れだそう。
しかし、この時間軸を破壊しようとするガラシャ様と逆に、この改変を推し進めようとする宗麟。
なんというか・・・
解釈違いでケンカするヲタクの状況になっとる・・・。
右近も、強火すぎて本人に対して
『解釈違い!!』とか吠えるヲタクになってないか・・・大丈夫か、キリシタン大名たち;;
地獄へ向かうガラシャ様と、天国を築こうとするキリシタン大名たち。
鵺のようにまじりあった熊本城へ、男士達が攻め入ります。
絶対無理だってのは先述したので省略。
攻城戦のメインは刀剣男士のはずが、
ガラシャ様カッコよすぎかああああああああああ!!!!
薙刀、大千穐楽では落としてしまったんですけど、ディレイ配信では既に修正されていました。
仕事早い。
先鋒の小西行長はにっかりと亀甲コンビが引き受けます。
へんた・・・変人同士www
合っちゃいけないけど気が合うんだねwww
ステの亀甲は結構、色んな刀とうまくやれる刀なんだね。いい子。

闇り通路へ入った一行は、提灯を持ったはいいけど皆とはぐれて迷子歌仙wwww
同じくはぐれた古今をガラシャ様が助けてくれますよ!
かっっっっっっこいいなガラシャ様!!!!
これは、ガラシャ様の女にならない方が難しい!!
きっと古今も惚れた。
駆けつけた地蔵と共に逃げ、時間遡行軍と戦う中、古今と歌仙が助太刀です。
有馬晴信まで現れ、戦闘が激しさを増します。
地蔵と共に逃げていくガラシャ様を、歌仙はここで初めて見たんだね。
記憶の彼女とはかけ離れた姿に、戸惑ったようだけど。
思えば、忠興の落ちぶれた姿と言い、歌仙は元の主たちの、変わり果てた姿を見せつけられたのか。
そうするうちに、獅子王と長義も駆けつけ、有馬晴信との決戦です。
彼は、史実では自害したと伝えられ、自害を許さないキリシタンの逸話では斬首されたと伝わっているそうな。
そんな、諸説がまじりあった鵺が、ここにいる晴信なのだと。
鵺ならば、獅子王がお相手仕る。
歌仙と古今を先に行かせ、獅子王と篭手切が対戦です。
・・・あぁ!!
『詳しくは言えないけど聖闘士星矢』
って、これかぁ!ってなった(笑)
階層ごとに待ち伏せる敵に対峙して人数が減っていくのが
十二宮編だ!

先を行く歌仙と古今の行く手にしかし、今度は大村純忠が立ち塞がりますよ。
だから・・・こんなに兵がいるなら熊本城侵攻は無理だって・・・。(うるさい)
病で死んだはずの彼は、ガラシャによって救われた恩があるのですね。
強力な敵にピンチの歌仙と古今!
この危機を救うのは
『誰だ!誰だ!誰だぁー!!
山姥切長義だぁー!!!!』

って、講談師の・・・なんて言うの?状況説明が的確すぎて前のめりになってしまう!!
それにこの殺陣、ソーシャルディスタンスよね?!
末満さんがついったで、割と普通の口調で
『ソーシャルディスタンスの舞台を思いついたので、これから練り上げます』なんてことを言っていたけど、それがここまで昇華されるなんて、あの時は思わなかった!
この状況でこれだけの舞台を作れるものなんだ・・・!
環境に屈しない、戦う座組ここに!

亀甲とにっかり、獅子王と篭手切もそれぞれに敵を討ち果たします。
放棄された世界での戦いは後味が悪いのか、うっかり感傷に浸る彼らを獅子王が一喝。
天守へと向かいます。

先行し、本丸御殿へ着いたのは歌仙、長義、古今。
地蔵を斬ることができない古今を、責めることはしない歌仙。
ゲームと同じ展開ですけど、これまでの物語を見ていると、重みが全然違う・・・。
それぞれの本丸に、それぞれの
『慶長熊本』があって、その時に出陣したメンバーによっても思いは違うのだから、この本丸の男士達の想いがこの物語の正解ではないのだけどね。
攻略に苦労した分、思い入れが深い隊もあれば、我が本丸のように、高レベル極だけであっさり辿り着いて勝利したために、感傷もへったくれもなかった脳筋部隊もあるわけで・・・。
確かに、これは
『諸説ある中の一つ』なのですよね。

さて、それぞれに敵を打ち払った男士達が再集結し、いざ決戦。
『聞かせよう、歌仙兼定の歌を!』

以降、刀ステの醍醐味、各刃による殺陣!
亀甲、獅子王、にっかり、篭手切、長義、そして、歌仙!
三日月ポジションに、我が雅なる初期刀が・・・!
いつか、このポジションに来る日を待っていた・・・!
気が短くて人見知りでいつも取り澄まして素直じゃない歌仙だけど、私の大事な第一刀だよ、お前は・・・!
いざという時にやれる男だよ、お前は・・・!
もう・・・感無量・・・!(涙)

敵を打ち払った歌仙に古今が合流し、彼らの前に現れるガラシャ。
歌仙を鬼と呼ぶガラシャは、彼に忠興を投影し、忠興の心を受け継ぐ歌仙は、忠興の愛をガラシャへ届けようとしていのだろうな・・・。
更に奥へと向かうガラシャと古今を追う歌仙と古今の前に立ちふさがるのは、
細川CP強火担・・・じゃない、高山右近。
彼は、どこまで気づいているのかな。
宗麟は神姿になったことを、歴史改変を確かなものにするため、と解釈したけど、右近は、ガラシャがこの時間軸を終わらせようとしていると気づいたのではないかな。
なにしろ、
強火担・・・じゃない、ガラシャ様の理解者にして、おそらく最初の『ガラシャの女』だから、正しい解釈ができているのではないかと。
そのために、ガラシャが終わらせようとしている世界に居場所はなく、
『死に場所を探している』と言うことになったのじゃないか。
そんな彼に、
『ならば、もう探す必要はない』と言い切る歌仙。
さすが忠興の刀。
ガラシャ以外には容赦ない。
しかし歌仙にも、忠興が愛したガラシャを斬ることには迷いがあったようで。
だけど、彼女が歌仙を
『鬼』と呼んだから。
歌仙は、
忠興ができなかったことを、彼に代わってやる、と決意したんですね。
それが、ガラシャの望むことでもあるから。
今は亡き主に代わって、それができるのは歌仙のみ。
ならばやる、と決断できるのが歌仙。それでこそ我が第一刀。>今は関係ない。

その頃、獅子王と篭手切、にっかりと亀甲は宗麟と対峙です。
戦に倦み、人々が憎しみ合うことを悲しむ宗麟は、平和な世を願い、この歴史改変に手を貸した。
確かに、正史から外れて独立した時間軸は、それだけなら平和で穏やかな世界だったのかもしれない。
しかし、刀剣男士はその時間軸を否定し、斬りはらって、消し去るのが役目。
遠征の
『元寇防塁』と同じく、敵であるとはいえ、時間遡行軍の目的が『異人に殺戮される人々を守る』のならば、悪とは断じえない辛い戦であるように、この、戦世であるはずの時代に生まれた平和な国を排除することも、辛い行いでしょう。
人ではないゆえに、刀剣男士たちは本能に従ってそれを行うけれど、心を持ってしまったがゆえに、辛くないはずはない。
その思いを肝に銘じて、これから生きて行けよ、と言う宗麟の言葉でした。
重い。

一方で、長義は一振りで如水さんと対峙です。
この時間軸では知っているはずのない国広と比較されて驚く長義に、如水さんは更に畳みかけますよ。
刀剣男士たちの、歴史を守ろうとする本能がむしろ、今の如水さんのような錯誤を生む結果になっている。
刀剣男士の戦いは矛盾している、と。
そう・・・。
それは虚伝の時からおかしいとは思っていた。
まんばの、
『この本丸が担当する時間軸に於いて』ってセリフから、『この世界はパラレルなのか?』って。
いくつもの本丸が存在することは、刀剣乱舞の大前提で、私の解釈としては、
正史と言う一本の時間軸上に、歴史修正主義者が時間遡行軍を送り込んで、ほつれさせようとしているから、それを未然に防いで侵攻をなかったことにする、と。
しかし敵の勢力が大きいために、同じ時間軸上でもいくつもの場所に兵を展開するから、各本丸で手分けして敵を潰しているんだと。
つまり、現況に例えて言えば、
『世界中で新型コロナが猛威を振るっている。各国、やり方は異なってもそれを潰すべく対応している。日本では、まず発生源を特定し、各県の担当部署がクラスターを潰す努力をして、広がらないように手を尽くしている』
というやり方ですね。
ここに、
『そっくりな世界がこの世界の外にあって、そこはそこで完結している』なんて思ってもないものだから、虚伝のあのセリフには驚いたし、そう言う世界のゲームだったのかと、改めて思ったんですよね。
そんな世界ならば、いっそのこと放棄された世界は放置でいいのでは、と思うのですけど、
それはそれでどんな影響を及ぼすかわからないから潰しておこう、というのが政府のスタンスと言うこと。
そして、その政府の意向を正しく汲んでいるのが元監査官の長義で、彼は迷うことなく如水さんへ斬りかかります。

場面戻って、右近と対峙する歌仙と古今。
講談師の実況中継がものすごいぞ(笑)
オリンピックの実況って、講談師にやってもらうといいんじゃないかな!
もしくは、実況アナウンサーが講談師に弟子入りするとか!
手に汗握る戦闘を見せて・・・いや、聞かせてもらいました(笑)
打ち取られた右近は、歌仙へガラシャを救うことを願います。
この後、歌仙と古今が向かうのは
『昭君の間』
熊本城本丸御殿内にある、もっとも格の高い、美しい部屋です。
将軍の間じゃないぞ。←私の聞き間違い
中国の美女、王昭君をモチーフに描かれた襖絵が有名な部屋です。
詳しくは熊本城の公式HPと、王昭君の伝説をググってください。

その頃、宗麟も敗れ、如水さんもまた、長義の前に倒れます。
人々の安寧を願ってこと切れた宗麟とは逆に、はじまりも終わりもない世界で、
『この戦いはまた繰り返される』と言って消える如水さん。
彼が言うからこそ、怖いんだって・・・;
しかし、本編のステ本丸は更に厄介な戦いだったらしい。
それは楽し・・・辛いね!

さて、いよいよ昭君の間に到達。
ラスボス感の凄まじいガラシャ様かっこいい!!
歩き方と立ち姿が完全に大階段の上のトップスター!
地蔵を斬った理由すら泣けます・・・!
地蔵を古今へ託してガラシャを追う歌仙。
歌仙は地蔵と違って、忠興の心のみを受ける刀だから、忠興としてガラシャのことを愛しているんだね。
彼女への愛は絶対にあるのに、ガラシャがそれを否定するから哀しいんだ。
歌仙とガラシャ様の戦い、今までにこんなにカッコイイラスボス戦あっただろうか?!
信じられるか?!
これ、ソーシャルディスタンスなんだぜ?!

ガラシャ様は歌仙へ自分を
『斬れ』と言いながら決して加減しないし、歌仙はガラシャを斬ることで、忠興の愛と悲しみをガラシャに届けたんだね。
歌のようだ。
いつも取り澄ました歌仙が、感情むき出しで泣きながら斬る・・・これが、
歌仙兼定の歌・・・。
あえて、袖でガラシャの血をぬぐって
『雅ではない』姿になるのね、歌仙・・・。
この姿で詠んだのは、ガラシャの辞世の句でした。
この時代の後始末へ向かう古今と、ガラシャを失って号泣する地蔵。
刀剣男士たちを、この本丸を裏切ったはずの彼を、歌仙は責めるわけでもなく、かと言って思いやるとも違う、慮りますよ。
鵺のような世界、鵺のような人々、鵺のように入り混じった、言葉にはできない心を表すには歌が要る。
雅な言い様と、項垂れる地蔵へ
『立て!』と命じる厳しさ。
これが、多面的な性格を持つ彼が、歌仙兼定と言う刀なのですよ。

講談師が史実によるガラシャの死後を語り、この狂った時間軸の話は終わり。
場所は本丸へと戻り、他本丸の戦績を検証し終わったステ本丸の面々です。

長義へ戦績資料を渡そうとして、講談師に
『ソーシャルディスタンス!』と怒られてしまう歌仙の、拗ねた様子がかわいい(笑)
ステ本丸が戦った黒田孝高と別本丸が戦った黒田孝高は違う、と全員一致で再検証決定です。
ここで講談師は退出。
お見事な語りでした!
この後、歌仙は2020年の調査に遠征するそうな!
ってことは、遠征メンバーは現代の装いってことよね!
歌仙は着流しで行きそうだけど、他は現代の装いなんだろうな!
誰が行くんだろう!見たい!!
そして、この遠征が終わったら
『必ず(綺伝を)話して聞かせる』って、いつまでも待っているからね!

カーテンコールはオペラ曲。
これは末満さん曰く、歌仙の真剣必殺用の曲だったそうだ。
この曲をBGMに真剣必殺って・・・どんな展開だよ?!
観たすぎて震えるよ!
ぜひ!実現してほしい!

いや、実現するから
福岡にも来てほしい!

きっとスタンディングオベーションだったろうカーテンコールが終わって、キャストのコメントです。
歌仙が中心にいるというだけで、感無量・・・!
ガラシャ役の七海ひろきさんは、客席と目を合わせてくれるそうで、それは・・・
絶対に1階席を取らなければ!!
しかし忠興は、なんだか変なこと言うんですよ。
『この透明マスク外したくてたまらない!』って、なにそれ?見えないなぁ?
フェイスシールドなんてなかった。

キャストのコメントでは、何と言っても
長義役の梅津君!!
これが!刀ステです!これが!演劇の力です!

本当に彼は言葉の使い方が上手!!

そして、歌仙役にして今回の座長、和田琢磨。
この状況下で、最後までよく頑張った!
何度心折れそうになっただろう。
地方公演が中止になり、初日の幕を開けることさえ難しいと思われた中、この舞台のメンバーを背負い、この座組を背負い、ものすごいプレッシャーだったろうに、見事完走してくれました!
戦う座組、ここにあり!!

奇しくも、特命調査・慶長熊本 は、明かりを頼りに闇を進んでいく設定だった。
この、先の見えない状況下で、確かに刀ステの火を継いだ物語は、刀剣乱舞そのものだった。
こんな状況下で、屈せず刀ステの火を守り抜いた歌仙。
まだ修行の旅には行っていないけど、既に極めているよ!

『歌を詠む時を選びたい』
と言う彼を、全力で応援します。
いずれ、必ず!!



 







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