Snow White







 ここ数日、やたら冷え込む日が続いていた。
 人も馬も、吐く息が白く結晶する朝を幾日も過ごした後のこと。
 世界は、白く覆われていた。


 「・・・うわ」
 昇り始めたばかりの朝日が、いつもより明るく見えることに気づいたクリスは、寝室のカーテンを開け放つや、感嘆の声をあげた。
 「随分と積もったな」
 剃刀一枚入る隙間もなく敷き詰められた石の壁は、わずかな冷気も通さないため、窓を開けて初めて、室内に入り込んだ冷風がクリスを包んだ。
 クリスは、ぶるりと身を震わせ、従者によってきちんと揃えられたゼクセン騎士の制服を手に取ったが、
 「・・・朝の訓練には、まだ時間があるな」
 そう呟いて、クローゼットの前に立った。
 私服の中から厚手のセーターとコートを取り出し、手早く着替えて部屋の外へ出る。
 未だ人影もまばらな城内を駆け抜け、そのまま厩舎に走っていくと、クリスの足音を覚えているのだろう愛馬が、高らかにいなないて彼女を迎えた。
 「おいで!遠駆けに行こう!」
 嬉しげに鼻をすり寄せてくる愛馬を撫でてやりながら、厩舎を出ると、クリスはそのまま平原へと駆け出た。
 雪に覆われたヤザ平原は、未だひとつの足跡もなく、クリスは結わないままの髪を冷たい風になびかせて駆けぬける。
 「ははっ・・・!気持ちいい!」
 ここ数ヶ月、ずっと彼女を包み込んでいた屈託を振り払うように声をあげると、呼応するように愛馬もいなないた。
 が、突如、その声が誰何するように高くなる。
 「誰だ?!」
 平原に多数出没するモンスターかと、抜剣し、辺りを見回したが、クリスの視界には何物も写らなかった。
 が、一流の剣士だけに、動く物の気配は見逃さない。
 「出て来い!」
 クリスが烈しく声を上げた途端、辺りの空気が不自然に揺れ、地が波立った。
 「剣を収めろ」
 それまで何もなかった場所に、突如として現れた赤毛の男は、非常に冷静な声で、傲慢に馬上のクリスに命じる。
 「・・・随分と懐かしい顔だな」
 言われた通り、剣を納めながらも、クリスは精一杯の皮肉を込めて眼前に立つ男を睨みつけた。
 先の戦において、破壊者の軍師として存分に腕を振るった男は、その後、まんまとハルモニア神聖国軍の中枢に食い込み、ゼクセン・グラスランド方面の軍事を掌握している。
 クリスがその事を知っているのは、もちろん、ゼクセン騎士団の長として得た情報によるものもあったが、より詳しい事情は公なそれよりも、個人的な情報に拠る所が大きかった。
 「最後の手紙から、もう何ヶ月経っていると思ってるんだ、この馬鹿!!」
 手にした乗馬用の鞭を突きつけ、烈しくなじったにも関わらず、アルベルトはちらりと口の端に笑みを乗せるだけだ。
 「なんだ、放って置かれて寂しかったのか?」
 「誰が!!」
 「無理をするな」
 激昂すれば負けだとわかっているのに、気づけば彼の掌中に転がされている。
 それが悔しくて、クリスは唇を噛み締めた。
 「眉を寄せるな。皺になるぞ」
 「誰のせいだ、誰の!!」
 クリスはかっとなって馬を下り、手綱も持たずに男に詰め寄る。
 「私をからかいに来たのなら、とっとと帰れ、アルベルト!!」
 が、彼は小ばかにしたようにクリスを見下ろした。
 「俺が、そんな暇なことをすると思うのか」
 ―――― すると思ったからそう言ったんだろうが!
 絶叫を、しかし、クリスは耐えた。
 そんな事をすれば、更に彼の思うつぼ。
 散々いじめられた挙句、なんの弁解も得られずに終わる。
 そんな、悲惨な経験を数多く積んできたクリスに、同情してくれる者はここにはいない。
 「・・・・・・では、誉れ高きハルモニア神聖国の軍師殿は、何用あってこの僻地まで参られたのか」
 精一杯の自重と度を越した慇懃さをもって問えば、栄光あるハルモニアの軍師はふっと笑みを漏らした。
 「散歩だ」
 「言う事はそれだけか、このヘボ軍師ガ!!」
 思わず怒鳴ってしまったクリスは、はっとして気まずげに顔を背けた。
 ―――― しまった、またいじめられる・・・!
 腕に覚えはあっても、生来、素直な性質のためか、口論では連戦連敗を重ねるクリスである。
 アルベルトのみならず、巧妙な(?)嘘や言葉巧みな嫌味の数々に、何度泣かされたか知れない。
 「誰がヘボ軍師だ」
 案の定、冷笑を含んだ声に、クリスは顔を背けたまま唇を噛み締めた。
 彼にとって今のクリスは、爪にかかったねずみと同じ。
 どうやっていじめてやろうかと、アルベルトがその、猫に似た目を細めているかと思うと、とても彼を正視できそうにない。
 なのに、
 「誰が、ヘボ軍師だって?」
 明らかに楽しんでいる様子で、アルベルトが更に問う。
 「こちらを向いて、答えたらどうだ、クリス・ライトフェロー?」
 「・・・ここに、お前以外にその名がふさわしい人間がいるか?」
 「そうだな。二人きりだ」
 精一杯の反駁をあっさりと首肯され、クリスは呆けてアルベルトを見上げた。
 ―――― なんの罠だ?
 いじめられっ子の疑いは深い、と言えば、あまりにもクリスが気の毒か。
 だが、アルベルトの、傲慢なほどの自信家ぶりと誇り高さを知るクリスが、自分への暴言をあっさりと首肯した彼を、別人ではないかと疑ったとしても無理からぬ事だろう。
 そうでなければ――――
 「・・・ハルモニアで、何かあったのか?」
 クリスは、恐る恐るアルベルトの顔を見上げた。
 彼が、他者の陰謀にはまって失脚するような可愛げのある男だとは思わないが、その変容に関して、思い当たる事と言えばそれだけだ。
 「確かに、ハルモニアの坊主どもは、神聖とは程遠い輩だが、俺はカビの生えた謀略に足をすくわれるほど間抜けじゃない」
 お前と違ってな、と、さりげなく添えられた言葉に、クリスはむっとして手にした鞭で空を斬った。
 「では、暢気に散歩を続けるがいい!」
 せっかく心配してやったのに、と、怒って踵を返したクリスだったが、背後から抱き締められ、動きを封じられる。
 「離せ、馬鹿!!」
 「嫌だ」
 「痴漢ー!!変態――――!!!」
 身を捩りながら叫ぶクリスに、愛馬が困惑げに鼻を鳴らす―――― 主人の危機だと知りつつも、彼女すら支配する男に逆らっていいものか、戸惑っている様子だった。
 だが、
 「そんなに嫌なら、振りほどいたらどうだ?」
 暖かい吐息と共に囁かれた途端、動きを止めたクリスに、愛馬もようやく緊張を解く。
 「・・・・・・陰険」
 「そこが好きなくせに」
 「・・・一々勘に障る男だな」
 「そこもいいんだろうが」
 笑みを含んだ声に、それ以上の反駁を封じられ、クリスは憮然と黙り込んだ。
 いつの間にか降り出した雪は、音もなく白い平原に吸い込まれていく。
 白一色に塗り込められていく世界に、黙って佇む二人は、ただ二つの彩りだった。
 クリスは、背に感じるぬくもりと、白く凍る直前の吐息の暖かさに、うっとりと目を閉じた。
 「・・・なぜ、返事をくれなかったんだ?」
 目を閉じたまま、クリスは背後のアルベルトに問うた。
 「お前が、どんなに遠くにいても、近況を知らせあおうと言うから、お世辞にも筆まめとは言えない私も、がんばって長い手紙を書いたんだぞ」
 不可侵条約を再締結したとはいえ、いつ交戦状態になるかわからない両国の、軍事を預かる二人だ。
 個人的にとはいえ、文を交わしている事が上層部に知られれば、背任行為とも取られかねないのに。
 「それでも私は、文を交わさずにはいられないほどの想いはあると信じていたんだぞ。
 なのに・・・言い訳が『単なる筆不精』だったりしたら、容赦なく鳩尾をえぐってやるからな」
 クリスの物騒な言葉に、アルベルトは声に出さず笑った。
 「お前は、軍師にはなれないな」
 低い声で囁かれて、クリスはきゅっと眉根を寄せる。
 「どういう意味だ、それは?」
 サロメと言う優秀な軍師を抱えている以上、彼女は大将の役目だけを果たしていればよく、軍師の役目までも負うつもりは端からなかったのだが、彼の言いようは引っかかった。
 「まるで、私が無能だと言いたいようだな」
 「そうだな。せっかくの情報を活かしきれていないという点では、無能だ」
 断言されて、クリスが更に眉を寄せた。
 アルベルトほど自信家ではない彼女だが、騎士団長としての誇りは十分持っている。
 むっと黙り込んだクリスの耳元に、再び声にならない笑声が触れた。
 「いい加減に気づけ。
 ハルモニアは北国だ。
 世界で最も早く雪に閉ざされる国で、西の最果てからのんびりと通常便でやって来る手紙を受け取るのに、どれだけ時間がかかると思う?」
 「・・・・・・え?」
 「これでも、手紙を受け取ってすぐに会いに来たのだがな?」
 「えぇっ?!」
 絶叫したクリスは、みるみる紅潮して行く顔を両手で覆った。
 ―――― ば・・・馬鹿だ、私・・・!
 手紙が届いていないなどとは思いもせず、アルベルトが忙しさにかまけて無視しているものと思い込んでいたのだ。
 ―――― 勝手に怒って、怒鳴り散らして・・・・・・!
 自身の行為を振り返ると、全身から汗が吹きだした。
 「こちらは誠意を尽くしたと言うのに、随分と冷たいあしらいをしてくれるじゃないか、スノーホワイト?」
 アルベルトが、羞恥に紅くなったクリスの耳元に囁くと、彼女はびくりと身を震わせた。
 「俺は、非常に傷ついたぞ」
 「えっと・・・えっと・・・・・・」
 なんと弁明すればいいのか、焦れば焦るほど、口下手なクリスの頭から言葉が抜けていく。
 それとは逆に、どんどん上昇していくクリスの体温を、アルベルトは心地よく受け止めていた。
 トランという南国に生まれた彼には、正直、雪に閉ざされるハルモニアの冬は辛いばかりだ。
 冷たい海風の吹き寄せる、ゼクセンやヤザ平原にしても、彼の辛さに大差はないのだが、クリスの身体を抱き締めていると、体温以上に暖かいものに満たされていくようだった。
 だが、口をついて出るのは、いつもの皮肉な口調である。
 「頭の悪いスノーホワイト。いつまで俺を待ち続けるつもりだったんだ?」
 クリスが、手紙の返事を待ち続けていたことを笑うと、さすがにむっとした彼女は、自身に巻き付いたアルベルトの腕の中で身を翻し、彼と向かい合った。
 「王子なんて柄でもないくせに、何度もスノーホワイトと呼ぶな!!第一、私はあんな危機管理能力皆無のお姫様じゃな・・・!!」
 反駁を塞いだ唇の冷たさに、クリスは驚いて目を見開いた。
 唇だけではない。
 彼女の頬に添えられた手も、寄せられた頬も、炎のように紅い髪さえも、氷のように冷たい。
 「アル・・・・・・」
 冷えきった彼を暖めるように、クリスは手袋を脱ぎ捨てると、アルベルトの冷たい頬に手を添わせ、頭を抱き寄せて、無言のまま熱い吐息を交わし合った。
 やがて、クリスの抱擁の甲斐あってか、なんとか人間らしい体温を取り戻したアルベルトは、彼女の滑らかな首筋に顔をうずめたまま、声を立てずに笑う。
 「このまま、ハルモニアへさらって行きたいな。あの国は、本当に寒いから」
 「・・・無理を言うな」
 「先に無理を言ったのはお前だろう」
 「まさか、本当に来るとは思わなかったんだ!」
 長い近況報告の最後に、一言、『会いたい』と書き添えたのは、確かに本心だった。
 だが、それを叶えて欲しいと思うほど、クリスは我侭ではないつもりだ。
 なのにアルベルトは、
 「本当に、お前は我侭な女だな」
 と断言する。
 「会いたければ、そう言ってくれていい。俺にとって、距離は苦にならない」
 だが、と、クリスの目を見据える目に、笑みはない。
 「会えて嬉しいと、素直に言え。でなければ、本当にさらっていくぞ」
 冗談ではない口調に、クリスは必死に首肯した。
 「うっ・・ううっ・・・嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい!!!!」
 「そうか、ハルモニアについてくるか」
 「久しぶりに会えて、とっても嬉しいぞ、アルベルト!!」
 上ずった声で必死に言い募るクリスに、アルベルトはくすりと笑みを漏らした。
 「相変わらず、言葉を飾れない女だな」
 「・・・正直者と言ってくれ」
 「武骨者」
 「それが嫌なら、他に可愛い女でも探せ!」
 ぷく、と、膨らませた頬に、アルベルトは笑って唇を寄せる。
 「それはできない相談だ。お前ほど、俺を愉しませてくれる女はいないからな」
 皮肉な口調に、クリスはきつく眉を寄せた。
 「・・・以前から思っていたんだが、お前、本当に私が好きなのか?」
 「気に入っている」
 「・・・・・・いつもからかわれて、いじめられて、遊ばれているような気がするんだが」
 「被害妄想だな」
 「・・・・・・・・・今、すごく第三者の意見を求めたくなったぞ」
 「信じられないのか?」
 ふっと、耳に暖かい吐息を吹きかけられたクリスの身体が、アルベルトの腕の中でぴくりと跳ねる。
 「我侭なお前のために、こうして遠くから馳せ参じていると言うのに」
 「ちょっ・・・やめ・・・!」
 クリスの弱点と知っていながら、アルベルトは彼女の耳に息を吹きかけ、ついばむように口付けた。
 「これほど誠意を尽くしていると言うのに、本当に冷たい女だ」
 「ごっ・・・ごめんなさいっ・・・!ゆるして!!」
 口付けられるたび、背筋を走る痺れに顔を紅くして、クリスは必死に身を捩るが、アルベルトは懇願に耳を貸そうともしない。
 「―――― やはり、連れて帰りたくなったな。お前がいてくれたなら、あの冷たい国でも、寒いとは思わないだろう」
 冗談とは思えない口調で言いつつ、アルベルトは、クリスの熱い身体を抱く腕に力を込めた。が、
 「絶対やだ!!身が持たない!!」
 散々いじめられたクリスは、目に涙を浮かべて反駁する。
 「この程度で根を上げるとは、随分とか弱いのだな。どこまで耐え得るか、試してみる気はないのか?」
 「馬鹿アルー!!!大嫌いだ――――!!!」
 「お前がどう思おうと関係ない」
 「陰険横暴我侭男!お前なんか、ハルモニアで氷漬けになっていればいいんだっ!!」
 ほとんど本気で泣きながら、ようやくアルベルトの腕から抜け出したクリスの背に、愛馬の腹がぶつかった。
 そのまま彼は、何かを訴えるように、盛んにクリスの頭に鼻を摺り寄せる。
 「どうした?」
 振り向き、問えば、彼は雲の切れ間からのぞく太陽を振り仰いだ。
 「・・・っあ――――――!!!!!」
 同じく、太陽を見上げたクリスが悲鳴を上げる。
 「朝練!!もう始まる――――っ!!」
 叫びつつ、ひらりと馬上に上がったクリスを見上げ、アルベルトは不満げに眉を寄せた。
 「いいだろう、一日くらい」
 「馬鹿を言うな!!今まで無遅刻無欠席の皆勤賞なんだぞ!!」
 「そんなもののために、俺をこんなところへ置いていくのか?」
 相変わらず傲慢な言い様だが、どこか、拗ねた子供のような声音に、言葉に詰まったクリスは深く吐息し、馬上から手を伸ばした。
 「お前、今日一日、私の捕虜になれ」
 「なんだと?」
 訝しげに問い返すアルベルトの腕を掴み、有無を言わさず馬上に引き上げる。
 「せっかく来たんだ。今日一日、ブラス城に招待してやる」
 「あのな・・・」
 「私は、我侭だからな」
 背後のアルベルトに、ちらりと笑い、クリスは馬腹を蹴った。
 ―――― その日、ハルモニアでの執務を無断欠勤したアルベルトは、ゼクセン騎士団長の執務室に主よりも主らしく居座り、ゼクセン騎士たちの顰蹙を買ったが、案の定、それを意に介する風は全くない。
 「・・・お前、もう帰っていいぞ」
 「捕虜じゃなかったのか、俺は?」
 うずたかく積まれた書類にサインを走らせながら、うんざりと言い遣るクリスに、アルベルトはしれっと応じた。
 彼は今、クリスの執務室内に勝手にくつろぎスペースを作り、従者に淹れさせた温かい紅茶を暢気にすすっている。
 「解放してやるから、とっとと帰れ」
 「この寒空に、招待客を放逐するようでは、ブラス城城主の器量が疑われるぞ」
 「お前の移動には、天候も距離も関係ないだろうがっ!!」
 「どこかの我侭女が、寒風吹きすさぶ雪原に呼び出してくれたのでな。
 武骨者のお前と違って繊細な俺は、風邪をひいたかもしれない。ここでしっかり温まっておかないと、こじらせでもしたら、嫌味好きの上司の標的にされる」
 「・・・っ一々嫌味な男だな!!」
 「そこが好きなのだろう?」
 にやりと、口の端に浮かんだ笑みに、クリスは絶句した。
 どんなに怒っても怒鳴っても、無駄に体力を使うだけ。
 ゼクセン騎士団長の権威も、ゼクセン有数の名門貴族の名声も、鼻で笑って剥ぎ取る男の前では、クリスはただの女でしかない。
 クリスは深く吐息し、心中に諸手を上げた。
 ―――― 降参。
 死者すら揺り起こすような、あなたの想いには勝てません。
 どうぞ、あなたの掌中で転がしてください。
 戦い続きの人生で、初めて負けを認めたクリスだったが、不思議と悔しくはなかった。


 数ヵ月後、ハルモニア神聖国のアルベルトの執務室に、いくつかの大きな荷物が届いた。
 差出人は、クリス・ライトフェロー。
 添えられた手紙には、ただ一言、『私の代わりだ』と記してあった。
 「・・・ずいぶんと大きな代用品だな?」
 訝しく思いながら、荷を解いたアルベルトは、多量の梱包材の中から現れた物に目を見開き、次の瞬間、堪えきれずに笑声を上げた。
 グラスランド方面からハルモニアへ至る山道の、雪解けを待って届けられたのだろう荷物は、大きなストーブとコタツ一式。
 「学習能力がないのか、あいつは」
 呟きつつ、見やった窓の外には、遅い春の訪れを報せる鳥が、暖かな陽光を浴びてさえずっていた。





 〜Fin.〜













お題50『想い』・・・ですが・・・;
実はこれ、04.2.1より開催の、『クリス総受祭り2』に投稿した作品です(^^;)
お祭り参加作品になりそうなものを探して、没データを探っていたら、雪原の
梨栗ネタを見つけまして・・・。
えぇ、まさに、このお題で作成途中の物だったのですがね;;;
お相手登場シーンで、
気がつけばダーリンが入れ替わってまして;;;
・・・なんで?(本人が一番聞きたい;;;)

・・・アルって、冷え症っぽいから、ハルモニアの冬は辛いのではなかろうかと思います。









 百八題