金 波 宮 怪 奇 譚






 和州の乱が平定されて、間もなくの事である。
 慶東国首都、尭天にある、金波宮に仕える事となった鈴と祥瓊は、仕事の合間、珍しく景王と景台輔が連れ立って歩いているところを目撃した。
 「どうしたの?」
 仮にも一国の国主が、その宰相と歩いていて『どうしたの?』はないだろうが、この国において、それは極めて珍しい光景だった。
 「あぁ、祥瓊。鈴も・・・」
 明るいとは言えない景王の声に、二人は訝しげに眉をひそめた。
 また、この冷酷な台輔に、説教でもされたのかと思ったのだ。
 「・・・何かあった?」
 知らず、景麒に非難めいた視線を送りながら祥瓊が問うと、愛想のない慶国の麒麟は、憮然として近くにあった一室の扉を開けた。
 広大な広間には、玉座もなければ家具もなく、ただその広い壁に掛けられたものだけの為に用意されたのだと言うことが容易に知れた。
 「・・・・すごい、絵がいっぱい」
 大きな目をいっぱいに開いて、鈴が呟く。
 「これ、歴代の景王?」
 祥瓊は、さすがに元は芳の公主だけあって、宮内の事情に詳しい。
 「陽子もこの部屋に自画像を納めるのね」
 艶やかな唇に微笑を浮かべて、祥瓊は壁を埋め尽くす絵画の数々を見回した。
 武装した、あるいは美々しく正装した、歴代の王達が、凛々しく、艶やかな笑みを浮かべて、こちらを見つめている。
 「あら・・・?」
 高価な絹布の地に描かれた、一幅の絵に目を引かれ、祥瓊が声を上げた。
 その肖像画の左下には、その身分と共に、本名の『舒覚』と言う文字が書いてある。
 「この方が予王?」
 線の細い、おとなしげな印象の女性だった。
 正装の王冠がいかにも重たげで、絵の中からこちらを見つめる視線も、どこか怯えているように見える。
 「即位直後のものです」
 景麒の言葉に、予王の肖像画を見つめていた陽子は、軽く頷いた。
 陽子は、実物ではないものの、崩御直前の彼女を見た事がある。
 生ける屍のように痩せこけ、青白い顔をしていた女も、かつてはこのように美しい女だったのだ。
 そんな事を思いながら、隣に佇む麒麟を見遣ると、彼はここにいる誰よりも真摯な目をその絵に向けていた。
 「・・・・・・・・おやさしい方でした」
 ポツリともらした言葉に、陽子の眉が、微かに上がる。
 「争いが嫌いで、王宮の生活よりも、穏やかな田舎の生活を好まれた。
 登極後の、政争さえ乗り切られたなら、良い王になられる方だった・・・」
 ぴくりと、陽子のこめかみが引きつった。
 「あぁ、そうだな。
 どうせ私はトラブルメーカーで、手に追えない未熟な王だよっ」
 ―――― この馬鹿麒麟!!
 陽子は、心中に絶叫した。
 ―――― 本当は、私なんかに会いたくなかったって事か?!
 だが、そんな陽子の心の叫びを解することなく、景麒はその眉間にしわを寄せる。
 「そんなことは言ってないでしょう?
 それより、決まったんですか?」
 全ての感情の中で、不快さだけは上手に表現できるらしい、たぐい稀な麒麟は、憮然とその主人を見下ろした。
 もともと、彼が今の主人をこの部屋へ連れてきたのは、『肖像画なんてこっぱづかしい』と駄々をこねる彼女に、参考となるものを見せようとしたからだった。
 「やはりここは女王の正装で、華やかに――――」
 「いや!これがいい!!!」
 景麒の口上を遮って、陽子が駆け寄ったのは、数代前の男王の肖像画だった。
 武人だったらしい王の肖像画は、全身を鎧に固め、水禺刀を杖代わりに、凛々しい笑みを口元に刷いている。
 「かっこいいし、何よりも頭が軽そうだ!」
 重い衣装は着るだけで骨が折れると言うのに、その上に冠をかぶり、何本もの簪を突き刺されて長時間微動だにできないなんて、考えただけで貧血を起こしそうだ。
 ところが、彼女の下僕は、声を荒げて反対した。
 「だめです!!こっちにしなさい!!」
 彼が示したのは、十二単の何倍も重そうな豪華な衣装を身に纏い、大きく結い上げた髪に花魁もはだしで逃げ出すほど大量の簪を挿しながら、トップモデルのように艶やかに微笑む女王の絵姿だった。
 「できるか――――――――――っ!!!」
 我慢も限界。陽子は絶叫した。
 「“金波宮のオスカル様”と呼ばれる私が、そんな格好をしていいと思っているのか?!
 文句があるならベルサイユに来い!!!」
 「いつ。誰が。どこで呼んだんです、そんな名で。
 馬鹿も休み休み言いなさい」
 陽子の主張を一刀両断した麒麟は、鋭く鈴を返りみた。
 「主上の身の回りの世話は貴女の役目でしょう、女御?
 明日までにこれらの衣装を用意して、主上を説得しなさい」
 「着ないと言っているだろう?!」
 「そのような格好は、奥宮だけでなさい」
 憮然と見下ろしてくる麒麟を、陽子は負けじと睨み返す。
 「みっともないといいたいのか?」
 「みっともなくないとお思いですか?!」
 妖魔もびびらす鋭い剣幕に、一瞬、陽子がはなじろんだ隙に、景麒はまくし立てた。
 「この絵は、他国の方の目に触れる事もあるのです!
 他国や、まして後代の王から、『こんな王だから慶は滅びたのだ』と言われたいですか?!」
 途端、景麒は息を詰めてその場にうずくまった。
 「よかったな、冗祐の正拳じゃなくて。
 か弱い女の力だから、そう痛くはないだろう?」
 麒麟の鳩尾に叩きこんだこぶしをかざして、陽子はにやりと笑みを浮かべた。
 「鈴、王命だ。衣装は男物にしてくれ」
 「えぇっ・・・?!でも・・・・」
 「ひとつ聞いていいか?
 麒麟と王では、麒麟の方が偉いのか?」
 にっこりと笑みを浮かべて、陽子はうずくまる景麒に背を向けた。
 「じゃ、私はもう寝るから」
 言い残して、立ち去る景王の背を見送りながら、祥瓊は引き攣った笑みを浮かべ、その傍らで、鈴は立ち上がれない景麒を必死に揺さぶっている。
 「・・・女王って・・・・麒麟を殴るものなの・・・・?」
 供王と景王、二人の女王を知る祥瓊の認識は、他者のそれと異なるようだった。


 その日、夜半の事である。
 最初はなかなか慣れる事ができなかった広大な寝所で、一人、眠っていた陽子は、不審な物音に目を覚ました。
 物音、と言うより声か。
 か細い、泣いているような声だ。
 「誰かいるのか?」
 寝起きの不明瞭な声に、陽子は苦笑した。
 「誰だ?」
 声を整えての再度の問いかけに、飾り窓を透かして、微かな月明かりの中、女の影が立ち上がった。
 長い髪を結いもせず、しかし、身なりは贅沢なものだ。
 この奥宮で、見た事のない女である。
 「お前は・・・?」
 身体の中の冗祐が、危険を感じてざわりと蠢き、陽子は手に剣を取った。
 「名乗れ。ここは景王の寝所だ」
 応えの代わりに、ぬぅ・・・と、白い両手が伸び、その指が飾り窓にかかる。
 ぎり、と筋張ったそれが鉤爪のように曲がり、ずる、と重い衣擦れの音と共に、痩せこけた女の顔がべたりと窓の向こう側に張り付いた。
 「・・・・・・・・・・・・・・・・っ!!」
「・・・て・・・・ぃ・・・・け・・・・・・・」
 声を喪った陽子に、女が低い、掠れた声で言う。
「出・・・・て・・・・・ぃ・・・・け・・・・・」
 その顔を・・・陽子は見た事があった。
 死人のようにやつれ、目ばかりがぎらぎらと光る顔・・・生気のない声で、あの時、女は言ったのだ。
 『―――― 尭天に女はいらないのです』
 「よっ・・・・予王?!」
 陽子の声に、女はにたりと口を曲げた。
 夜だと言うのに、血のように赤い口腔が良く見える。
「出ていけぇ・・・・女は・・・・出ていけぇっ!!」
 次の瞬間、
 『ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――――――――――――!!!!!』
 凄まじい悲鳴が、金波宮中に響き渡った。
 「何事ですか?!」
 使令が、衛士が、女御が、慌てて寝所に駆けつける。
 「み・・・・巫女だ・・・・・!!!」
 「しゅ・・・主上?!」
 寝台から転がり落ちたまま床にうずくまる陽子に、真っ先に駆けつけた芥瑚(カイコ)がそっと手を差し伸べる。と、陽子はいきなりその白い身体に抱きついた。
 「主上?!」
 白い翼をはためかせ、芥瑚は陽子を懸命になだめる。
 「ど・・・どうされましたか?!」
 金波宮でもっとも男らしいと言われる王の、ただならぬ様子に、衛士も手をつけかねていた。
 「巫女――――!!!」
 「はぁっ??」
 首を傾げる女御を、陽子はぎり、と睨んだ。
 「巫女だっ!!神父だ!坊さんだ!!!渋谷サイキックリサーチを呼べ――――!!!!」
 「はぃいっ?!」
 一斉に上がった奇妙な声の中で、陽子の意識は再び闇に落ちた。


 「陽子!幽霊に驚いて、白目剥いて倒れたんだってな」
 きらきらと明るく輝く金髪を揺らして、永遠の少年は愉快そうに笑った。
 「あんまり怖かったんで、雁に逃げたんだって言われてるぜ、今ごろ」
 行儀悪く椅子の背を抱き、卓子の上の水菓子をつまむ。
 彼は延麒。
 慶の隣国、雁の台輔である。
 「だって!ここには巫女も神父も坊さんも、S.P.R.(渋谷サイキックリサーチ)もないし!
 誰に頼めばいいか、わからなかったんです!!」
 顔を赤らめつつ、陽子が憤りの声をもらすと、この国の主が低く笑った。
 「いや、景王に頼りにされるとは光栄だ。
 ―――― だが、この件に関して、景麒はなんと言ってるんだ?」
 『景麒』
 その名を聞いた途端、陽子の身が剣呑な気を発した。
 「あのやろう・・・・・」
 握ったこぶしが震えている。
 「鼻で笑いやがりましたっ!!!」
 あの時、意識を取り戻した陽子が、倒れた理由を説明すると、彼は言ったのだ。
 『そんな事があるわけないでしょう?馬鹿馬鹿しい』
 冗祐も一緒に見たと言うのに、『人騒がせなことはおやめなさい』と、逆に諌めたのである。
 「―――― そぉ言うわけで、紹介してください、霊能者」
 うふふ、と、剣呑な笑みを浮かべる陽子に、
 「あ、それ、俺が行こう」
 延王は気軽に申し出た。
 「ええ?!でも、相手は幽霊ですよ?!」
 陽子は、尚隆の剣客としての技量には感服していたが、この、磊落な王が、霊を感知できるような繊細な感覚を持っているとは思えない。
 「大丈夫だ、俺は神になって五百年にもなるのだからな。幽霊を感知するくらい、簡単だ!」
 嘘だ、と、神になって一年と少しの陽子は、心中に呟いたが、

 「あ、俺も―――!」
 陽子に突っ込みを入れる間も与えず、延麒がはしゃぎながら挙手し、延の主従はあっさりと慶国行きを決めたのだった。
 「俺達が行くからには、大船に乗った気でいるがいい!」
 世界の『お達者クラブ』二人に、自信満々に断言されては、若輩者は口をつぐんで謝意を述べるしかなかった。

 「そうだ、幽霊と言えばさ、陽子!こんな話があるぜ」
 「な・・・なに・・・?」
 唐突な延麒の言葉に、早くも怯えがはしる陽子を、彼は口の端に滴る果汁を手の甲で拭い、にやりと笑みを浮かべた。
 「その昔、才の国にはおしゃれ好きの斎麟がいたんだ。
 失道の末、亡くなった彼女を葬る時、遺された人々はおしゃれ好きだった彼女を美しく飾ってやった。
 髪を結い、化粧を施し、それはまるで生きているようだったという」
 延麒の顔から、徐々に表情が消えていく様に、陽子は耳を覆って顔を引き攣らせた。
 が、少年の声は障壁をものともせず、その耳に入ってくる。
 「・・・斎麟の後を追って斎王も崩御した頃だ。
 主のいない長閑宮に、妙な噂が流れた。
 美しく化粧を施し、華やかに髪を結った斎麟の首が、夜な夜な現われては王宮を歩き回るのだそうだ」
 「えっ・・・延麒っ!!もういいっ!!!!」
 陽子は涙を浮かべて懇願するが、延麒は意地の悪い笑みを浮かべたまま続けた。。
 「不敬とは思いつつ、不安になった者達が陵墓を調べて見ると・・・・」
 延麒の笑みが深くなる。
 「元の使令達に食い散らかされた身体の上に、白い首が無傷で転がってたんだと!!」
 「ひぃぃぃぃぃぃぃっっっっ!!!!」
 「どっ・・・どうされましたか?!」
 「慶女王、なにか?!」
 陽子の凄まじい悲鳴に、衛士や女御、果ては近くにいた官吏達までもが血相を変えて室内になだれ込んでいた。
 「うちの風来坊が何かしましたか?!」
 一斉に口をついて出た言葉に、さすがの尚隆が椅子から転げ落ちた。
 「・・・・仮にもお前らの主人に、いい度胸だな」
 唖然と見守る延麒の前で、臣下達の暴走は止まらない。
 「どこか触られたんですか?!」
 「胸ですか?!」
 「お尻ですか?!」
 「セクハラ発言されたんですか?!」
 「すいませんっ!!酔っ払い親父のたわ言だと思って、ここはどうかひとつ!!」
 「後で殴っておきます!!」
 「後で地下牢にぶち込んでおきます!!」
 「後で便所掃除させますから!!」
 「どうかここはお許しください〜〜〜〜〜!!!!」
 一斉に土下座されて、陽子は硬直した。
 「ちょ・・・ちょっと待て!!俺はそんなことせんぞ!!」
 「まだそんな事を言うか!!」
 慌てて否定する尚隆に、女御の一人が噛みついた。
 「自国の官女や遊女なら大目に見ましょう!」
 唱和するように、もう一人の女御が柳眉を逆立てる。
 「しかし!酔って他国の女に絡むなど言語道断!!」
 「恥を知りなさい!!」
 女御達の剣幕に、衛士達はうんうんと何度も頷く。
 「俺は酔っておらん!!見ろ!卓子の上には酒なんぞ乗っておらんだろうが!!」
 必死で抗弁したが、
 「素面だったんですか?!」
 「素面で絡んだんですか?!」
 「慶女王に素面で絡んで悲鳴を上げさせたんだな?!」
 衛士たちが、手に手に冬器(ぶき)を持って迫り来る。
 「地下牢に入られませい!!」
 早くも引っ立てられて行く王の背中を、思わず見送りそうになった延麒が、慌てて衛士達の前に立ち塞がった。
 「ち・・・違うぞ!悲鳴を上げさせたのは、尚隆じゃなくて俺・・・」
 「麒麟が?!」
 「麒麟のクセに!!」
 「ガキんちょのクセに!!」
 「慶女王にセクハラしたのか、あんた!!」
 「引っ立てィ!!!」
 あっという間に官吏達によってたかってお縄にされ、担ぎ上げられた。
 「慶女王!!」
 残った者達に一斉に跪かれ、硬直したままだった陽子が、引き攣った笑みを浮かべる。
 「ご無礼をお許しくだされ!!」
 「あやつらには、よくよく反省させますゆえ!!」
 「どうか覿面(てきめん)の罪だけはご勘弁くださいませ!!!」
 「・・・は?!」
 彼らの勢いに圧されていた陽子は、意外な言葉を聞いて、思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。
 「覿面の罪?!なんでそんな大げさな事になるんだ?!」
 その言葉に皆、うっと声を詰まらせる。
 「・・・あんなのでも、わが国の王と麒麟なのです!」
 「どうか、あれらの戯言を間に受けられませぬよう・・・」
 「他国を侵したなどと、お思い下さらぬよぅ〜〜〜〜!!!」
 「大概にしろ、貴様らっ!!!」
 使令達に縄を解かせた延麒が、陽子に土下座する臣下達を怒鳴りつけた。
 「何もしてない!!ちょっと怪談をしただけだ!!」
 「怪談・・・?」
 唖然と口を開ける臣下達に、尚隆が言い募る。
 「話の邪魔だ!出て行けっ!」
 憮然としながらも臣下達が出ていき、やっと静かになった部屋で、尚隆は吐息した。
 「・・・すまんな、気の早い奴らで」
 「・・・賑やかなところですね」
 苦笑する陽子に、尚隆は笑みを返して、雲海に続く大窓を示した。
 「今のうちだ。金波宮に直接渡ろう」


 「今帰ったぞ!」
 戦後、絶滅危惧種となった亭主関白のように横柄な態度で、陽子は金波宮に戻った。
 しかし、これは金波宮においても絶滅危惧種であるらしい。
 「おや?どちら様でしょう?」
 戦後、亭主関白に代わって爆発的に増大した恐妻のように冷酷な態度で、慶国の麒麟は王を迎えたのだった。
 しかし、絶滅危惧種にとっては、『恐妻』に負けるわけには行かない。ここで負けたら、絶滅なのだ。
 「もうボケたのか、ジジィ。私はお前が土下座して迎えた、女王様だ!」
 だが、景麒も退かない。
 「ほぉぉ。突然行方不明になられる女王陛下とわ。おみそれいたしました」
 つんっとそっぽを向くと、その耳に低く、『キサマ・・・』と、怒りの声が届いた。
 「もとはと言えば貴様が私の話を信じないからじゃないか!!」
 「信じますか、普通!!寝ぼけたんですよ!!」
 激しく口論する慶の主従の傍らで、雁の主従は呆然と佇んでいた。
 「もしかして無視されてねーか、俺ら」
 「う―――む」
 しかし、怪訝な顔を向ける延麒の視線の先で、尚隆は眉根を寄せて考え込んでいた。
 「――――って、なに唸ってんの、お前?」
 「うむ、それがな、それらしい霊気を感じないのだ」
 「あ゛?!お前、マジで言ってたのか?!」
 てっきり陽子をおちょっくっているのかと思った、と、つい口を滑らせてしまった延麒は、耳ざとく聞きつけた陽子に背後から羽交い絞めにされてしまった。
 「そんなはずはありません!」
 「よっ・・・陽子!!絞まってる、絞まってる!!!!」
 自分の腕の中で暴れる延麒の四肢を改めて固め、陽子は尚隆に言った。
 「私は見たんですから!!」
 「だから寝ぼけてたんですよ」
 「やかましい!!」
 横から口を出した景麒のおかげで、陽子の魔手は延麒から景麒に移った。
 しかし、主従の烈しい戦いが行われている横で、尚隆は我関せずとばかりに物思いに耽っている。
 「―――― 別に、陽子が嘘をついているなどとは思っておらん。しかし、やはり現場に行かねばなんとも・・・」
 「現場?それなら私の寝室です」
 自国の麒麟と烈しい戦いを繰り広げながら応える陽子に、尚隆はポンと手を打った。
 「そうだ、陽子」
 止めを刺そうとした所を、使令達に総がかりで阻まれた陽子が、尚隆を振り返った。
 「今夜は一緒に寝よう!!」
 「えっ?!」
 「えェ―――――っ?!」
 延麒をも巻き込んで、慶国の主従は絶叫した。


 「・・・殴る事はないではないか。しかも、拠って集って」
 景王の豪華な寝台に座って、憮然と頬杖をつく尚隆に、陽子は苦笑した。
 「だって、いきなりあんなことをおっしゃるから・・・」
 「・・・景王と同衾するほど、俺は無茶じゃないぞ」
 疑っていたのか、と、傷ついたように眉を寄せる尚隆に、陽子は乾いた笑いを漏らす。
 ・・・尚隆なら、やりかねないと思ったのだ。
 しかし今、二人のいる寝室には、彼らの他に多くの使令達が隠伏して二人の身の回りを固めていた。
 「ところで、どうですか?その・・・霊気は・・・」
 陽子の震える声に、尚隆は首を傾げる。
 「皆無だ」
 「そんなぁっ!!!」
 悲鳴じみた声を上げる陽子を手で制して、尚隆はその手を窓へ向けた。
 複雑な模様を描いた飾り窓の向こうには、朱塗りの屋根に覆われた回廊。さらにその向こうには、広大な庭園が広がる。
 「お前が見たものは、そこに映ったのか?」
 「・・・はい」
 あの夜のことを思い出したのだろう。窓に背を向け、陽子は身を震わせた。
 「どのような様子だった」
 びく、と、再び身を震わせ、答えを渋る陽子に、しかし、尚隆は視線で促す。
 「・・・・・・・・・・・・私は、何か物音を聞いた気がして、起きたのです」
 こちらの世界に来てより、陽子の眠りは浅い。
 その耳は、不審な物音に対して敏感だった。
 「どのような音だ?」
 「―――― すすり泣きのような・・・・・・」
 陽子の声が詰まる。
 妖魔の声は、嬰児(えいじ)の泣き声に似ている。
 不吉で、恐ろしい声。
 尚隆が、ゆったりと頷く様に促されて、陽子は続けた。
 「誰何しました。すると・・・窓の向こうに女が・・・・・・」
 ぬぅ・・・と、現われた女は、贅沢な衣装の背に髪を流していた。
 「知っている女か?」
 「いえ・・・いえ、知っているわけではなく、ただ・・・見たことは・・・」
 「どういうことだ?」
 尚隆の問いに、それが水禺刀の幻で見た予王の姿に酷似していたことを告げた。
 「いえ、酷似なんてものじゃありません。その証左に彼女は、私に言いました」
 「何を?」
 「出て行けと・・・女はでていけといいました!」
 ふっと、尚隆は目を眇める。
 「女が、そう言ったのか?」
 「・・・・・・はぃ」
 か細い返答に、尚隆は寝台から立ち上がり、陽子の側に立った。
 「延王・・・?」
 「そのまま動くな」
 陽子の肩に大きな手を乗せたまま、尚隆は低く呟く。
 彼女の背後には、あの女が現われた窓が・・・。
 背筋を冷たい手になぞられた気がして、陽子は青ざめた。
 「陽子、もうひとつ教えてくれ」
 尚隆の冷静な声に、陽子がふとその横顔を見遣ると、彼は笑みさえ浮かべて、窓の方を見つめている。
 「その女の声は、確かに予王のものだったのだな?」
 「間違いなく」
 尚隆の問いに、陽子は断言した。
 剣の幻を透かして聞いた、先王の声・・・。
 その、死人のような姿と、生気の消えた声は、陽子の脳裏に鮮明に刻まれた。
 あの声、あの姿を覚えている限り・・・あの様への嫌悪が消えないうちは、道を過つことはできないと、そう、胸に刻まれた幻なのだ。
 「最後の問いだ、陽子。近頃、予王のことを強く思い出さなかったか?」
 途端、陽子の脳裏にあの、美しい絵姿が浮かんだ。
 登極直後の、瑞々しい美しさを持った、予王―――― いや、景王・舒覚。
 その像を、目の裏に結んだ瞬間、
「出ていけぇ・・・・女は・・・・出ていけぇ・・・!」
 息を呑んで振り返る陽子の視線の先、飾り窓の向こうで女が・・・女が格子に指を掛けていた。
 「ひっ・・・・・・・!!」
 悲鳴を上げることもできずに固まる陽子の背を、任せろと言わんばかりに軽く叩き、尚隆が大股に窓へ向かう。
 「えっ・・・延王?!」
 陽子の見遣る先で、尚隆は無造作に飾り窓の取っ手に手をかけ、思い切り内側に開いた。
 と、女が、格子に指を掛けたまま、寝室の中へ引きずり込まれる。
 「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――――――!!!」
 女も悲鳴を上げたようだが、陽子のそれが女を上回った。
 「延王!!捨ててっ!!早くそれ捨ててぇっ!!!」
 「・・・あのな、陽子。ゴキブリではないのだから」
 顔をそむけてばたばたと手を振る陽子に、尚隆は苦笑する。
 「ほら、よく見てみろ」
 しかし陽子は、尚隆から反らした顔を長い袖で覆って床にうずくまった。
 「嫌ぁぁぁぁっ!!」
 まるで少女のように泣きながら、使令達の名を呼ぶ。
 「主・・・主上・・・・」
 金波宮で最も男らしいと言われる王の、存外な取り乱しぶりに、使令達が手を出しかねていると、
 「幽霊の 正体見たり 枯れ尾花、ですか」
 冷ややかな声が陽子の背を打った。
 「泣くのはおやめなさい。人騒がせな」
 反射的に泣くのをやめ、睨んだ先で、慈悲の欠片もない慶国の麒麟は、無情に言い放った。
 「け・・・景麒、その言い方はいくらなんでも・・・」
 その背後から、延麒がとりなそうとするが、聞く景麒ではない。
 「延台輔、余計な口出しは無用」
 ぴしゃりと撥ね返されて、延麒は思わず口をつぐんだ。
 「後ろをご覧なさい。幽霊なぞ、どこにもいないではありませんか」
 景麒の言に奮起され、その実勇気を振り絞って、陽子は背後を顧みる。
 開け放たれた飾り窓の手前に延王が立ち、その手に何か掴んでいるのだが、どうしてもそれが何かを確かめることができない。
 それが先ほど見た、あの女だと確信しているからだ。
 「どうしました?早くご覧なさい」
 「わっ・・・分かってはいるが!!」
 そう、景麒の言葉を聞いてはいるのだが、どうしてもその先に視線を移すことができないのだ。
 「ああ、そうですか。どうしてもご覧になれないとおっしゃるのでしたら、ご覧にいれましょう!」
 言うや、陽子の視界から景麒が消え、戻るやその眼前に一匹の獣を差し出した。
 「讙(カン)といいます」
 景麒の手に収まったそれは、狸に似た動物だった。
 しかしその頭部に目はひとつしかなく、ふらふらと揺れる尾は三つある。
 「そう、讙(カン)だな・・・」
 苦笑を含んだ声に振り向くと、尚隆が飾り窓を閉めているところだった。
 「凶事を防ぐのに良いと言われる妖獣だ。様々に姿、声を真似ることができるという」
 と、言ううちに、景麒の手の中の妖獣は、尚隆の姿をかたどってゆく。
 そして、尚隆が楽しげな笑みを浮かべて景麒の隣に立った時には、彼と寸分違わぬ姿がそこにあった。
 「陽子の、思い浮かべた姿を読んで、姿形を変えるようだな。今は俺がお前の前に立っていたから、こいつは俺に化けたのさ」
 憮然と佇む景麒から讙を取り上げ、尚隆は自らの姿をしみじみと見つめた。
 「いやいや、陽子の目で見た俺とは、これほどいい男だったか」
 「いいなぁ、これ。妖獣じゃちょっとかわいそうだが、使令に下そうかなぁ」
 延麒も、讙が変化した姿を面白そうに眺める。と、
 「どうせなら二匹下してきてくれ。下界(した)に降りた時、これが俺の代わりをしていてくれたら、朱衡に怒鳴られないですむ」
 尚隆が嬉しげに讙の背を叩いた。
 雁の高官達が聞いたら、怒りで脳の血管が千切れるであろう暴言である。
 しかし、雁の麒麟は、諌めるどころか破顔して同意した。
 「いい考えだな、それ!景麒、これ、どこで獲ってきたか教えてくれ!」
 「景麒・・・?」
 自然と低くなった陽子の声を無視して、彼女の麒麟はあっさりと頷く。
 「小州の郊外でですよ。恥ずかしながら、まだ少々妖魔、妖獣がうろついておりましたので、主上が家出をなさったときに調伏してみました」
 家出、とは、陽子が景麒の紹介で、遠甫の家に身を寄せた時のことだ。
 「しかし、調伏はしてみたものの、妖魔と違い、これは隠伏することができませんので、庭に放していたのです」
 「庭に・・・?」
 その言葉に、雁の主従は固まった。
 「ええ。凶事を防ぐと言いますので」
 しれっと言い放った瞬間、
 「キッサマ――――――――――!!!!!」
 「班渠(ハンキョ)!!驃騎(ヒョウキ)!!」
 剣を振りかぶった陽子を、景麒に召還された使令達が必死に止めた。
 「しゅ・・・主上!!!」
 「殿中でござるっ!!!殿中でござるぞぉぉ!!!」
 「お放しくだされ、伊達殿ぉぉぉ!!武士の情けでござるっ!!」
 いきなり忠臣蔵ごっこに突入してしまった慶の主従の勢いに、ついて行きそこねた雁の主従はあっさりと輪の外にはじき出された。
 「よっ・・・陽子!!落ち着け!!」
 それでも尚隆と延麒が、やや離れたところから声を掛けるが、慶国の主従は全く聞いてくれない。
 「全部お前のせいじゃないか!!」
 「だから幽霊などいるわけがないと、申したではありませんか!!」
 「だからいつも言葉が足りないと言っているだろう!最低限のことは報告しろ!!」
 「庭に何を放そうと、主上は『ああ、そうか』で終わってしまわれるではないか!!」
 陽子も激しく声を上げるが、景麒も麒麟とは思えぬ剣幕でまくし立てる。
 「・・・なんだな、尚隆」
 「ん?」
 「・・・犬も食わないって奴かもな」
 夫婦喧嘩は犬も食わない。
 喧嘩するほど仲がいいとも言うし、これはこれで、主従のじゃれあいと言うものかもしれなかった。
 ただ・・・じゃれ合っていると言うには烈し過ぎるが・・・。
 「・・・全くだな。
 では、馬に蹴られる前に、退散するとするか」
 だが、と、尚隆は、使令をも巻き込んで烈しい口論を交わす主従の間に、あえて割って入った。
 「延王・・・!」
 陽子と景麒と、二人の罵声を寸前で止めて、尚隆は鮮やかに笑った。
 「お節介かもしれないが、慶国の月下氷人として、このまま帰るわけにはいかんだろう」
 月下氷人、と言われれば確かにそうかもしれない。
 景麒は陽子を探す時、少なからず延王と延麒に頼ったであろうし、陽子に至っては、この国と景麒を偽王・舒栄から奪い返すためにその力を借りた。
 彼の言は慶の主従にとって、その恩義によりけして疎かにできないものなのだ。
 陽子も景麒も、渋々と言った表情を浮かべながらも、互いに舌鉾を収めた。
 それを合図に、使令達が安堵の吐息を漏らして姿を消す。
 「やっと静かになったな」
 苦笑を浮かべる延麒に、景麒はさらに憮然とした。
 「今更その仏頂面が直るわけもないだろうが、景麒、お前が陽子の正殿の庭に讙(カン)を放した理由くらい、言っておくべきだと思うがな?」
 全てを見透かしたような尚隆の言葉に、しかし、景麒はかたくなに口をつぐんだ。
 「黙っていたら、俺があることないこと言っちまうかもよ?」
 とても慈悲の権化とは思えない、意地の悪い笑みを浮かべる延麒に、景麒は、これもまた仁獣とは信じがたい忌々しげな表情を浮かべた。
 「言って下さい、延台輔。こいつは一度嫌だと言ったら絶対に口を割りません」
 さすがに景麒の王だけあって、自身の片割れの性格はよく分かるらしい。
 「あ、でも、ない事まで言われると、後で御身に凄まじい報復が来るでしょうから、ある事だけを」
 「・・・さすが陽子。伊達に景麒の王じゃないな」
 最初はこの二人がうまくやっていけるものか、ひどく心配したものだが、と、尚隆が苦笑する。
 「亭主関白は絶滅するわけには行かないんです!」
 尚隆達の生きた時代、家の惣領は普通、男であったものだが、陽子の時代ではそうでもないらしい、と、尚隆は改めて認識した。
 「じゃ・・・じゃあ、亭主殿の要望に従って――――」
 「では、私は失礼を・・・」
 延麒の言葉に、さっさと退室しようとする景麒の髪を、陽子はすかさず掴んだ。
 「逃げるな。ここにいろ」
 すっかり貫禄のついた声に留められて、景麒は座を退く機会を失ってしまった。
 「お前が言いたくないと言うことを、わざわざ延台輔が教えてくださるのだ。補足訂正があるならば、後で聞こう」
 無理矢理拝聴の姿勢を整えてしまった陽子に、延麒はわずかに居心地の悪さを感じながらも口を開いた。
 「あー・・・つまりな。讙(カン)ってのは、そう悪い妖獣じゃないって事だ」
 尚隆の姿を解き、もとの狸に似た姿に戻った讙を抱き上げ、延麒は寝台の上にあぐらをかいた。
 延麒に顎の下をくすぐられ、気持ちよさそうに一つしかない目を細める様は、確かにかわいらしい。
 「騎獣にはなり得ないし、妖魔でもないから、そう積極的に捕らえようと思うものでもないが、これは昔から、凶を避けると言われてる妖獣なんだな」
 身代わりになるから、と、小さく呟いた延麒の声に、確かに身代わりにはふさわしそうな性質だと、陽子は思った。
 「刺客や逆臣が、この奥宮まで忍び込んでくるなどありえないが、万が一、陽子を害そうとしてその姿を思い浮かべた者は、突然庭に現われたお前にさぞ驚くことだろうよ」
 尚隆の言葉に、陽子は深く頷いた。
 刺客が、出会い頭に彼女を一刀両断にしたとしても、それは偽者。本物の彼女は、難を避けられるという仕組みだ。

 「景麒・・・」
 慈悲の生き物である彼が、この小さな生き物の命を哀れと思いつつも、陽子の身を案じてその側に放したと言う行為に、胸の中にあったしこりが溶けて行くようだった。
 「お前、私の事をそこまで・・・」
 感涙を、懸命にこらえる。
 「いやいや、いい話だ・・・!これでおまえ達も、少しは仲が良くなることだろう」
 よかったよかったと、尚隆が陽子の肩を叩く。
 「泣いているのか、陽子?」
 「へへっ・・・泣いてなんかいません!汗なんですよぉ」
 昔の少年漫画のような会話を交わす王たちの背後に、すっと、景麒が歩み寄ろうとしたが、
 「今は余計な事を言うんじゃねぇ!」
 素早く間に割り込んだ延麒に、低く叱責された。
 「しかし、延台輔・・・」
 「ばかやろう!嘘も方便と言うだろう?今がその時だ!」
 「はぁ・・・」
 延麒に押し付けられた讙を抱いて、景麒は憮然と吐息した。
 どうしてこう、延の主従は策に長けているのだろうかと、嘆息せずにはいられない。
 それはやはり、年の功というものなのだろうか。
 「―――― で?景麒?」
 延麒は景麒の髪を掴み、その口元に耳を引き寄せた。
 「本当は、なんで讙を捕らえたんだ?」
 「それは――――」
 言い差したが、王達の耳に達する事を恐れ、景麒は讙の身体を抱き上げ、口元を隠した。
 「主上が、女王の正装で絵を描かれるのが嫌だとおっしゃるので、代わりに」
 「・・・・・・俺も長い間生きて来たが、王の御影に讙を代理に使うなんざ、初めて聞いたぜ」
 愕然とする延麒に、景麒は笑みも浮かべず呟いた。
 「せっかくの機会なのですから、美しく着飾った主上を見ていたいじゃありませんか」
 景麒の惚気に意表を突かれた延麒は、一瞬の沈黙の後、爆笑した。
 「陽子!お前、世界一愛されてるかもしれないぞ!!」
 その言葉に陽子は目を丸くして絶句し、景麒は憮然として延麒を睨みつけた。






  〜 劇 終 〜













作者コメント

山海経(せんがいきょう)に曰く、讙(カン)は狸に似て、一つの目、三本の尾があるという動物です。

凶を防ぎ、人の声を真似るとは書いていますが、『人の心を読んで、その脳裏にある姿を真似る』というのは私の創作ですから、ご了承ください(^^;)

さて、このお話は、私が大学の頃、友人に勧められた『十二国』を読んで、すぐさま描いた漫画を元にしています。

まぁご存知のように、私は絵もうまくなければ、コマ割して、地道にたくさんの絵を描いていくという行為が大変苦手な人ですので、(人はそれを根性なしと言う)途中で放り出して以来、数年間ほったらかしにされておりました(^^;)
しかし、先日クローゼットの整理をしていたときに、偶然この原稿を見つけまして。
こうして小説に直してお目に掛けております(^^)
ところでこのお話では、小野不由美さんがやってらしたような、素敵な漢字用語変換(園林と書いて庭園と読ませるなど)をやってません。
Webではルビを付けられないので、使うとなったら『園林(ていえん)』のように、カッコ書きをしなければならないからですね。
讙(カン)など、どうしても皆様がご存知ないような字には付けますが、あまり多用はしたくないことですので、こちらもご了承くださいませ(^^;)

それと、作中に出てくるS.P.R(渋谷サイキックリサーチ)とは、小野不由美さんの『悪霊シリーズ』に出てくるゴーストハントでございます(^^)
すっごくお勧めなのですが、既に本屋では入手不可能との事・・・(涙)
しかし、講談社コミックで、いなだ詩穂さんという作家さんが漫画にしてくれていますv
私、この方の絵とストーリー展開が大好きで、この方以外には『悪霊シリーズ』を漫画化できなかっただろうと確信しております!
我が心の癒し系・坊さん(滝川法生氏)がお勧め★

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十二国記