† The Rain Leaves A Scar †
1. The Last case.
その夜、部屋に戻ったUraniaは、パソコンの電源を入れて、まだ暗い液晶画面を見つめた。 OSが起動するのを待つ間、闇の中に耳を澄ませば、雨音に混じって、遠くで緊急車両のサイレンが聞こえる。 「嫌な音・・・・・・」 サイレンの音に眉をひそめ、Uraniaはかぶりを振った。 あの音を聞くと、たった一人の身内を亡くしたあの雨の日のことを、否応なく思い出してしまう。 彼らに殺された、たった一人の・・・・・・。 Uraniaはもう一度かぶりを振ると、起動したパソコンを操作して、インターネットを立ち上げた。 検索サイトでヒットした、いくつもの外国のサイトから、適当に選んだサイトに登録し、今日のチャットで使うアドレスを取得する。 それをFloraとHebeにメールすると、Uraniaはチャットルームで二人の入室を待った。 間もなく、
浮かれ騒ぐフローラの書き込みをうるさげに見ながら、Uraniaはタイピングした。
まともに文章も書けない動揺ぶりに、Uraniaは画面の前で苦笑する。 「落ち着け・・・と言っても、無理か・・・」 初めて人を死に至らしめたかもしれないのだ。 直後に落ち着いていられるのは、この冷酷な自分くらいのものだろう。
冷酷な人間はここにもいたか、と、Uraniaは苦笑した。
二人の退室を見送ってから、Uraniaはチャットルームごとログを消した。 「もうすぐ・・・お会いしましょう、理事長」 Dead or alive―――― 生死を問わず。 次に会う理事長はどうなっていることかと、Uraniaは密かにほくそえんだ。 To be continued. |
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