ティムキャンピーに髪を引かれて、ようやく起きたアレンは、まだ暗い室内をのろのろと移動して、水差しと洗面器の置かれた台の前に立った。
「さむ・・・・・・」
ぶるりと、震えながら水差しを傾けると、バリン!と、音がして、薄氷の混じった水が、洗面器に満ちる。
「・・・・・・また、氷が張ってる」
アレンは、おそろしく冷たいだろう水に、手を出しかね、うんざりと呟く。
英国の冬は厳しい。
その上、石造りの古い城はとても寒く、暖房のない部屋では、このようなことは頻繁にあった。
「・・・インドは良かったなぁ・・・あったかくて・・・・・・」
泣き言を言いつつも、アレンは意を決して、氷水に手を入れ、顔を洗った。
「つ・・・冷たっ!!ティム!!ティム早く!!」
悲鳴を上げつつ、ティムが持ってきたタオルを受け取り、顔を拭く。
「寒っ!!
もう、なんでこんなに寒・・・・・・」
ぼやきなら、まだ日の昇らない外を見遣ったアレンは、目を見開いた。
「うっ・・・わぁぁぁぁ!!!すごい積もってる!!」
雨と違い、音もなく舞い降りる雪が、夜のうちに世界を満たしていたのだ。
「ティム!後で、みんなと雪遊びしようね!」
アレンの感情に観応したかのように、ティムキャンピーは、はしゃぐようにアレンの周りを飛び回った。
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