† Angels We have Heard On High †






雪の妖精〜♪

 
 
† 雪の妖精〜♪ †
 
 「思ったより、寒くなくてよかったである」
 にこにこと笑いながら、クロウリーは、防寒用の布を被せたバラの木々に異常はないか、見回っていた。
 と、
 「あ!クロちゃん見っけ!!」
 「おはよーございまーす!」
 甲高い声を上げつつ、走ってきた少年達に、クロウリーはニコリと笑いつつも、バラの木々を背後にかばう。
 「そのまま突っ込んできたら、崖下に捨てるであるよ、二人とも?」
 「ごめんなさいっ!」
 慌てて急停止した二人に、クロウリーは笑みを苦笑に変えた。
 「どうしたであるか、二人とも・・・あぁ、リナリーも」
 二人の後ろに、リナリーの姿を見つけて、クロウリーが首を傾げる。
 「えへへ。だってここ、滅多に人が来ないから」
 「そう!まだ誰も踏んでないとこを・・・見っけ!!」
 「あ!ラビずるい!!」
 「早いもん勝ち!!」
 奇声を上げつつ、ラビが未踏の地に飛び込み、両手両脚をばたつかせた。
 「雪の妖精〜〜〜〜!!!!」
 「僕が一番にやろうと思ってたのに!!」
 不満げに言いつつも、アレンもまっさらな雪の上に飛び込み、同じ形を描く。
 「・・・・・・子供であるな」
 ハハ・・・と、呆れた笑声を上げつつ、クロウリーは傍らのリナリーを見下ろした。
 「その点、リナリーはさすがにレディ・・・」
 誉めようとした、その視線の先で、リナリーは眉を吊り上げ、雪玉をこねている。
 「ずるい、二人とも!
 私が一番に雪の妖精を作ろうと思ってたのに!!」
 言うや、リナリーは、未だに雪の上に寝転がっている少年達に、次々と雪玉をぶつけた。
 「でっ?!」
 「なにすんさっ!」
 「こんなことなら、ブーツを発動して、追い越して来ればよかったわ!」
 「・・・・・・・・・」
 真剣に怒っているらしいリナリーの、怒りの理由に呆れ果て、クロウリーはもう、何も言えなかった。








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