「いだー!!!ラビ!!雪玉に石入れるの禁止!!」
雪玉を転がして、通常より大きく育てていたアレンは、石入りの雪玉をぶつけられて、ラビを睨みつけた。
「入れてねーさ!たまたま入ってたんさ!」
「そんな言い訳が通じると思ってんですか!!」
アレンは、自身の頭よりも大きな雪玉を抱え上げ、発動した左手に持ち替えて、ラビに投げつけた。
「ひっ・・・!卑怯者――――!!!!」
絶叫しつつ、高速で飛んできた雪玉を、辛うじてよける。
「お前、あんなんぶつかったら頭が吹っ飛ぶ・・・!」
抗議の声を上げていたラビは、その背後で、雪玉の破裂する音と、くぐもった悲鳴に、背筋を寒くして振り返った。
「・・・・・・雪玉に石入れやがったのは誰だ?!」
「ユ・・・ユウ?!」
ひぃっ!と、甲高い悲鳴を上げて、ラビは、雪と怨念にまみれた神田が抜刀する様を、硬直して見つめる。
「てめぇか、ラビ!!」
「俺じゃないさ!!俺はよけただけ・・・!!」
「じゃあテメェか、モヤシ!!」
「えへ 神田、ごめぇーん 」
悪びれもせず、笑って次の雪玉を作っているアレンに、神田の目が、これ以上ないほどにつりあがった。
「でも、いくら不意討ちったって、雪玉をよけられないなんて、神田も鈍いですねぇ」
アレンの暴言に、彼と神田の間に立つラビが、外気の寒さ以上に震える。
「い・・・いや・・・!
お前が発動した手で投げたもんを、視認せずによけられんのは、元帥くらいのもんじゃねぇ・・・?」
必死でフォローを入れるが、彼の言葉をあえて無視するアレンと、自身への暴言を無視できない神田に効果はなかった。
「災厄招来!!一度逝ってこい、モヤシ!!」
「もう二度とお断りですっ!!」
「二人ともやめるさぁぁぁぁぁ!!!」
純白の雪上で舞う、二人の黒いエクソシスト達に挟まれ、ラビが絶叫する。
聞く耳を持たない二人が、ラビを巻き込んで刃を交わそうとした時、
「そーれっ♪」
楽しげな声と共に、樹上に積もっていた大量の雪が落ち、三人を厚く覆った
「ケンカしないで、みんなで雪合戦しましょ?」
太い枝の上に立ち、にっこりと笑ったリナリーに、遠くから戦闘を眺めていたクロウリーが、暖かい拍手を送った。
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