† Angels We have Heard On High †






エクソシストのミルフィーユ

 
 
† ミルフィーユ・ド・エクソシスト †
 
 「寒っ!!マジ寒いさ!!」
 「雪まみれになって遊んだんだから、当たり前でしょ」
 凍えきったラビが、震えながら言うと、リナリーが、呆れたように笑った。
 「早く火に当たらないと、風邪ひきますよっ!!」
 「はっ!この程度で風邪をひくなんざ、さすがにモヤシは貧弱だな」
 「神田みたいに鈍感じゃないんですよ、僕はァ!!」
 烈しく怒鳴りあいながら、神田とアレンも、競い合うように棟内に飛び込む。
 と、談話室に入りかけたリナリーが、
 「みんな、ストップ!!」
 と、鋭い声で警告を発した。
 「なっ・・・なに?!」
 「静かに!」
 反論を許さない、厳しい声音に、神田までが黙り込んで、リナリーの後ろに従う。
 こっそりと、部屋の中を伺うリナリーに、興味を引かれた少年達が彼女の頭上から部屋を覗き込んだ。
 「あ、リーバーさんとミランダさん」
 「でけぇモミの木だな」
 「ナニ話してんだろ?!」
 「しっ!邪魔しないの!!」
 リナリーに小声で制されて、少年達は、口をつぐんだ。
 4人に見られているとは知らず、二人はモミの木を前に、なにやら楽しげに話している。
 「・・・聞こえないさ!」
 もどかしげに呟いたラビが、思わず身を乗り出した途端、バランスが崩れ、
 「ちょっ・・・!」
 「馬鹿、お前!!」
 「え?!ヤダ!!」
 4人が折り重なって倒れた。
 いや、一番下にいたリナリーを、アレンがかばっているため、アレン一人でラビと神田の体重を支えている状態だ。
 「みんな早くどいてっ!!」
 必死に叫んだアレンの声に、振り返ったリーバーとミランダは、訝しげに眉を寄せた。
 「なにやってんだ、お前ら?」
 「リナリーちゃん、早くアレン君の下から出てあげないと、辛そうよ?」
 「う・・・うんっ!」
 ミランダに指摘され、リナリーが急いでアレンの下から出ると、ラビと神田を背に腕立て伏せ状態だったアレンが、べしゃりと潰れる。
 「アレン君?!」
 「早くどけっつってんでしょ・・・!!わざとですか?!」
 ミルフィーユのように折り重なったエクソシスト達の、最下層からアレンが怒鳴るが、
 「もちろん」
 意地の悪い年長者2人は、ごく当たり前のように言って、アレンの上から、中々どこうとはしなかった。






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