「僕を殺す気ですかー!!」
「お前がこんなことで死ぬかよ!」
「殺しても死なないさ!!」
「おやま。楽しそうだね、キミ達」
モミの木の周りで、甲高い喚声を上げながら大喧嘩をしている少年達に、長い電飾の束を手に、談話室にやってきたコムイが、にこにこと声をかける。
「楽しいついでに、お手伝いしてくれないかい?」
「お手伝いですか?」
「なんのさ?」
興味津々と、コムイの持つ電飾の束を見ながら問い返したアレンとラビに、コムイは、それを重たげに抱えなおして頷いた。
「うん。みんな出払っちゃって、人手が足りないんだよ」
ハイ、と、巻いて束ねた電飾を、アレン、ラビ、神田のそれぞれの首にかけて、コムイは窓を指し示す。
「飾り方はキミ達のセンスに任せるから、ここと、食堂と、廊下にも、派手に飾り付けてね♪」
「なんで、クリスチャンでもない俺が!!」
憮然と吐き捨て、神田が、首にかけられた電飾の束を外そうとした時、
「うわっ!!」
電灯が突如光り、神田の手をはじき返した。
「なにしやがるっ!!」
団服に守られていた、首や胸元は無事だったものの、強烈な電撃を受けて、中々しびれの引かない手を振りつつ、神田は凄まじい剣幕でコムイに詰め寄る。
が、
「神田君、言うこと聞いてくれないと、感電死させちゃうよ?」
電飾のリモコンを弄ぶコムイは、にこにこと笑いながら恐ろしいことを言った。
「か・・・感電・・・っ?!」
「ん?アレン君、キミもやって欲しい?」
ぽす、と、軽く叩かれた頭を、アレンは慌てて振る。
「ユ・・・ユウ!!コムイの言う通りにするさ!!な?!」
「・・・・・・っ!」
ラビの説得に、神田は錆付いた鉄人形のようにぎこちなく頷いた。
―――― コムイなら、致死レベルの電流を流すこともやりかねないと、神田の忌々しげな表情が、全てを物語る。
「電飾はまだたくさんあるから、それがなくなったら、科学班に取りにおいでね♪」
「はーぃ・・・」
恐怖にまみれた声を上げる少年達に、コムイは満足げに頷いた。
と、
「神田を手懐けるなんて、兄さんって、ホントにすごいわ!」
心からそう思っているらしいリナリーの、うっとりとした声に、コムイは大喜びではしゃぎ回り、蒼ざめた額に汗を浮かべた少年達は、大人しく指示に従った。
|